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第3話:FF1をクリアした。……そしてFF2を買った。

⚠️ ネタバレ注意

この記事では、『ファイナルファンタジー1』のラスボスに関するネタバレを含みます。
未クリアの方はご注意ください。


気づけば、僕はFF1をかなり進めていた。

第1話では、魔法システムに困惑した。

第2話では、どこへ行けばいいのか分からず、敵に殺されながら世界を覚えた。

そんな30歳のドラクエ派だった僕も、少しずつこの世界に慣れていった。

そして――

ついに、FF1をクリアした。

……と言いたいところだけど。

その前に、一つだけ言わせてほしい。

ラスボス、強すぎない?



最初は、こんなに続くと思っていなかった


そもそも、僕がFF1を始めた理由は、

「30歳になって、今さらFFをやってみたらどうなるんだろう」

くらいのものだった。

僕はずっとドラクエ派。

FFには有名な作品がたくさんあることくらいは知っていたけれど、ちゃんと遊んだことはなかった。

だから最初は、

「まあ、とりあえずFF1をやってみよう」

くらいだった。

ところが。

やってみると、思った以上に知らないことが多い。

魔法のシステムに戸惑う。

モンクという謎職業に驚く。

町の人の話を聞く。

よく分からない場所へ行く。

強い敵に遭遇する。

死ぬ。

また戻る。

そしてまた進む。

そんなことを繰り返しているうちに、いつの間にか僕はFF1をかなり遊んでいた。


気づけば「FF1の世界」が分かるようになっていた


最初の頃は、

「このゲーム、どこへ行けばいいんだ?」

という状態だった。

でも、遊んでいるうちに少しずつ変わっていった。

敵を見れば、

「これは倒せそう」

「これは逃げた方がいい」

と判断できる。

町に着けば、

「とりあえず全員に話しかけておこう」

と思う。

新しい場所を見つければ、

「ここには何があるんだろう」

と気になる。

最初は不親切に感じていたことが、いつの間にか、

「そういうゲームなんだ」

と受け入れられるようになっていた。

そして、いよいよ物語も終盤へ。


そして、ラスボスへ。


ここまで来た。

最初は何も分からなかったFF1。

そんな僕でも、

「もうすぐ終わるんだな」

というところまで来た。

これまでにもボスとは戦ってきた。

だから、最後もまあ、

「今までよりちょっと強いボスなんだろう」

くらいに思っていた。

……甘かった。

次元が違う。


ラスボスとの戦いが始まる。

まず、

HPが多い。

これまで戦ってきたボスとは、明らかに違う。

攻撃しても攻撃しても、

「まだ終わらないの?」

というくらい戦闘が続く。

しかも、

不定期に9999回復する。

「……は?」

せっかく削ったと思ったところで、

9999。

回復。

また削る。

そしてまた回復。

心が折れそうになる。

単体攻撃は、普通に死ぬ。


そして攻撃も強い。

単体攻撃を食らう。

即死。

「え?」

死ぬ。

また攻撃される。

即死。

「いや、強すぎん?」

もちろん、これは後から考えれば、

単純に僕のレベルが足りなかっただけ

だった。

でも、初見プレイの僕にはそんなこと分からない。

「ラスボスって、こんなに強いものなの?」

そう思っていた。

全体攻撃もある。


もちろん。

うん。わかってた。

一人だけならまだしも、パーティ全体にダメージが飛んでくる。

回復する。

攻撃する。

また回復する。

そして誰かが倒れる。

蘇生する。

また攻撃する。

……

終わらない。

そして、一番キツかったのがHPゲージ。


今思えば、

これが一番精神的にきつかった。

HPゲージがない。

だから、

「あとどれくらい?」

が、分からない。

例えばHPゲージがあれば、

「残り半分くらいかな」

「あと少しだな」

「もうちょっと頑張ろう」

と判断できる。

でも、それがない。

「今、どれくらい削った?」


攻撃する。

ダメージを与える。

「よし!」

また攻撃する。

「結構削ったぞ。」

でも、

ゴールが見えない。

半分なのか。

8割なのか。

9割なのか。

そもそも、ちゃんとダメージを与えられているのか。

分からない。

その状態で、

9999回復。

「……今までの攻撃、全部無駄だった?」

そんな気持ちになる。

今なら攻略情報を見れば、

「こうすればいい」

と分かる。

でも、初見プレイでは何も分からない。

ただひたすら、

「もうちょっとだと信じて攻撃する」

しかない。

これが地味にキツい。

後から知ったHP


ちなみに、後になって調べてみた。

ラスボスのHP。

20000。

……。

そりゃ終わらんわ。

僕はゲームをプレイしている最中、その数字を知らない。

ただ、

「めちゃくちゃ硬い」

ということしか分からない。

そしてHPゲージもない。

だから、

自分が今どこまで来ているのか分からないまま戦い続ける。

これが本当に精神を削ってくる。


それでも、なんとかクリアした。


そして、長い戦いの末。

ついに――

倒した。

……。

勝った。

最初は魔法システムすらよく分からなかった。

どこへ行けばいいのかも分からなかった。

敵に殺されて、

よく分からない場所を歩き回って、

それでも少しずつ進んできた。

最後は、

「あとどれくらいなんだ?」

という不安と戦いながら、

なんとかラスボスを倒した。

クリアした瞬間に思ったこと


ものすごく感動した。

……というより、

「終わった……。」

だった。

達成感はもちろんある。

でも、それ以上に、

疲れた。

ゲームをクリアして、こんなに疲労感があるとは思わなかった。

そして同時に、

ちょっとだけ寂しかった。

最初は何も分からなかった世界を、少しずつ歩けるようになっていたから。

「このゲーム、よく分からないな」

と思っていたのに。

気づけば、

「もう終わるのか」

と思っている。

なんだか不思議だった。

そして、クリアした人間には問題がある。


普通なら、ここで終わる。

「FF1、面白かったな。」

そう言って、次のゲームを始める。

僕もそうなると思っていた。

……ところが。

クリアした直後、僕の中にある感情が生まれた。

それは、

「FF2もやってみたい。」

だった。


「……FF2もやってみるか」


冷静に考えれば、

FF1をクリアしたばかりなのだ。

少しくらい休んでもいい。

別のゲームを挟んでもいい。

でも、せっかくFF1を遊んだことで、

「FFって、他の作品はどんな感じなんだろう?」

という興味が出てきてしまった。

これが危ない。

シリーズものにハマると、

「次」が気になってしまう。

そして僕の目に入ったのが、

FF2だった。


そしてFF2を買った。


買った。

今思えば、ここで一度立ち止まってもよかった。

「本当に買うの?」

「FF1だけでも十分楽しんだんじゃない?」

「次は別のゲームにした方がいいんじゃない?」

そういう選択肢もあった。

でも、

買ってしまった。

FF1をクリアした勢いのまま。

「FF2もきっと面白いだろう」

くらいの気持ちで。

だって、

FF1をクリアできたんだから。

次もきっと大丈夫だろう。

そう思っていた。


30歳、FF2へ。


こうして僕は、

FF1をクリアした。

そして、そのままFF2を買った。

ここまではよかった。

問題は――

FF2を実際に始めてからだった。

FF1を遊んだことで、

僕は少しだけ「FF」というゲームに慣れたつもりになっていた。

だからこそ、

次に待っていたものに、

僕はかなり戸惑うことになる。


30歳、初めてのFF。


FF1をクリアして、

僕は思った。

「FF、面白いじゃん。」

そしてFF2を買った。

このときの僕は、

まだ知らない。

FF2が、

FF1の「次の作品」ではあるけれど、

僕が思っていた「FF1の続き」とは、

全然違う方向から殴ってくるゲームだということを。


――第4話へ続く。

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