第5話:どうせいなくなるんでしょ?
⚠️ ネタバレ注意
この記事では、『ファイナルファンタジーII』のキャラクターやストーリーに関する内容を含みます。
未プレイの方はご注意ください。
前回、ようやくFF2のシステムにも少しずつ慣れてきた。
FF1とは全然違う。
でも、分かってくると、それはそれで面白い。
そんな感じで、僕はFF2を進めていた。
そして、もう一つ。
僕には、FF2を始めたときから気になっていることがあった。
僕のアンパンマン軍団
前回も書いたけれど、僕はキャラクターにアンパンマンのキャラクター名をつけた。
フリオニール。
↓
ゴミラ。
マリア。
↓
ポッポちゃん。
ガイ。
↓
かつぶしまん。
そしてレオンハルト。
↓
ダダンダン。
世界を救う反乱軍のメンバーである。
なのに、
ゴミラ。
ポッポちゃん。
かつぶしまん。
ダダンダン。
帝国と戦う壮大な物語なのに、僕の画面ではアンパンマン軍団が帝国と戦っている。
まあ、いい。
そのうち慣れる。
僕はそう思っていた。
そして実際、少しずつ慣れてきた。
ただ、一つだけ問題があった。
ダダンダンが、いない。
キャラクターを作ったときには、確かにいた。
「よし、4人目はダダンダンだ」
そう決めた。
なのにゲームを進めても、
出てこない。
出てこない。
……出てこない。
「ダダンダン、どこ行った?」
僕の中では、すでに立派な仲間である。
まだ一緒に戦ってすらいないのに。
そして、仲間が増えた
そんな僕のところに、別の仲間がやってくる。
「お、新しい仲間だ!」
最初の頃は、普通に嬉しかった。
仲間が増える。
パーティーが賑やかになる。
当然、育てる。
武器を買う。
防具も買う。
せっかく仲間になったんだから、強くしてあげよう。
そう思っていた。
僕はRPGの仲間に対して、わりと真面目なのである。
「この人、いつまでいるんだ?」
ところが。
FF2を進めていると、少しずつ分かってきた。
新しく仲間になる人たちは、
どうやら、
ずっと一緒にいるわけではない。
最初は、
「まあ、そういうこともあるか」
くらいだった。
でも、何度か経験すると、
さすがに僕も学習する。
新しい仲間が加入する。
「おお!」
↓
育てる。
↓
装備を買う。
↓
一緒に冒険する。
↓
……。
僕は、だんだん考えるようになった。
最初は「仲間が増えた!」だった。
でも、経験を重ねるにつれて、
「新しい仲間が来た」
ではなく、
「新しい仲間が来たけど、今回はどれくらいの付き合いなんだ?」
になっていった。
RPGをやっているはずなのに、
妙に人間関係の距離感を測っている。
僕の育成方針が変わった
そして、ついに僕の中で一つの結論が出る。
新しい仲間が加入した。
僕は思う。
「……どうせいなくなるんでしょ?」
最初の頃なら、
「よし! 新しい武器を買ってあげよう!」
だった。
でも、もう違う。
ゴミラの装備を見る。
「これ、まだ使えるよな」
そして、
ゴミラのお古を渡す。
新品ではない。
中古である。
しかも、元々ゴミラが使っていたもの。
在庫処分よろしく、
新しく仲間になった人には、
「とりあえずこれ使っといて」
である。
育成もほどほど。
装備もほどほど。
期待もほどほど。
思ってたのと違う
僕はFF2をプレイすることで、
仲間との出会いに胸を躍らせる少年から、
「この人にどこまで投資していいのか」を考える30歳
になっていた。
怖い。
RPGでこんなに現実的な判断をするとは思わなかった。
そして、かつぶしまん
ちなみに、ガイにつけた「かつぶしまん」も、改めて見ると面白い。
僕が名前をつけたときは、そこまで深く考えていなかった。
かつぶしまん。
アンパンマンのキャラクターとしては、侍っぽくて、なかなか頼りになる感じ。
ところがFF2のガイは、
僕が想像していた「かつぶしまん」とは、ちょっと違う。
話し方も独特で、
なんというか、
野生児?
僕の画面では、
かつぶしまんが、
「おれ オマエ たすける」
……みたいな感じで戦っている。
いや、名前をつけたのは僕なんだけど。
僕のパーティーはかなり特殊だった。
こうして見ると、
ゴミラ。
ポッポちゃん。
かつぶしまん。
そして、まだ姿を見せないダダンダン。
そこに、その時々で新しい仲間が加わってくる。
物語としてはかなり重い。
帝国との戦い。
反乱軍。
戦争。
仲間との別れ。
それぞれの人物に、それぞれの事情がある。
なのに僕の画面だけを見ると、
アンパンマン軍団が帝国と戦っている。
そして僕は、そのアンパンマン軍団の新入りに、
「まあ……メンバーのお古でいいか」
と装備を渡している。
ダダンダンへ。
FF1のときは、
「この4人で最後まで戦うんだろうな」
という感覚があった。
でもFF2は、少し違った。
出会いがある。
一緒に戦う。
そして、それぞれの物語がある。
その中で、僕自身の仲間に対する感覚まで変わっていった。
最初は、
「仲間だ! 育てよう!」
だった。
それが、
「……まあ、一応ね。装備くらいはつけるか。」
になる。
30歳。
FF2を遊んでいるだけなのに、
人との距離の取り方を学んでしまった。
そして何より、
僕が最初に名前をつけた、
ダダンダン。
お前だけは、
ずっと僕の頭の中にいる。
ゲームの中には、なかなか出てこないのに。
……。
ダダンダン。
お前、
いつまで待たせるんだよ。
第6話へ続くー
