点滴がいよいよ入らず、中心静脈カテーテルを入れたら意外と快適だった話に本の感想を添えて(SF読みのがん生活 入院編2)
前回までの様子はこちらから
はじめに
なんだかフランス料理のようなタイトルにしましたが、採血時に血管がなかなか見つからない体質と点滴漏れを起こしDrから「中心静脈カテーテルを入れましょう」と提案されました。簡単にいうと、二の腕の内側から管を血管内に留置するものでした。その話をメインに読書記録を残します。
点滴治療で意外だった、こと。
今は、抗がん剤(シスプラチン)を点滴治療して7クール(3日間点滴、4日休みを1クールと数え放射線治療と併用)の3回目です。
点滴は水分が取れていれば3日で終了。終わると入れっぱなしにせず、そのつど抜かれます。つい、看護師さんに質問をしました。
「点滴、残しちゃだめですか?(また来週投与するのに)」
「感染予防で残せないんですよ。それに同じ場所だと点滴が落ちづらくなりますから……」
そんなこんなで、毎度細いチューブを抜かれます。入院するまで点滴は針を刺しておくイメージでしたが、実際は違います。体内に細いチューブを残している感じです。(とはいえ刺すときには針を使いますが)
薬の投与が終わると接続部分が血液で固まらないよう薬液を注射器で入れて管をまとめ、ネットや包帯で腕に巻くので、ずっと点滴棒を持って動き回るわけではない、のも入院してから知りました。
話が脱線しましが、点滴は何回も刺し抜かれるもの、と言うのが意外でした。それと何度も点滴をすると点滴が取りづらくなる現象が起きてきます。
そんなわけで「中心静脈カテーテルを入れませんか?」とDrから提案されました。
中心静脈カテーテルとは
Drから説明を受け、同意書にサイン後、血液検査を経てICUで処置を受けることになりました。
私の場合、二の腕の内側から痛み止めの注射をして穴を開け、カテーテル(35センチ入れました)を体の中心部分の静脈に留置するものでした。
メリットは採血もでき、痛い思いをする回数が減ること。デメリットは、外出はできない。処置に伴うリスクも説明され腹を括って受けることに。
ドキドキのICU
ICUの病棟へ移動しました。ICUは全個室。廊下も医療機器が並ぶ重々しい雰囲気があり、重病人になった心地でした。
ベッドに寝そべり、心電図と血圧計を付けられ、腕を伸ばして待機。
処置は基本的に麻酔科医か、特定医療行為が認められた看護師が行うとのことで、私の場合は後者でしたが、看護師さんの方が回数をこなしていると説明を受けホッとしました。
いざ処置がスタート
男性のナースが特定医療行為の方でした。オペでもするのかという姿を見て正直に「緊張してます」というと「大丈夫ですよ。物々しい格好をしていますが、点滴を入れるだけですから」と励まされ、イメージはやはりプチ手術の感覚でした。消毒液を綿と長いピンセットで腕に塗られ、汚染予防のシートを被せられ、エコーで血管の位置を見ながらの処置になりました。
痛み自体はちょっと太い注射をした、くらいで一瞬。
プチッと音がした気がするあとは押されるような感覚です。やけに心電図や血圧計の音が大きく聞こえました。
鎖骨上にモニターを装着され(カテーテル先端を追跡する装置らしいです)、グイグイ脇の下から何か入ってくる感じがします。
きちんとできたか移動式レントゲンが持ち込まれ、板を背中に差し込まれて撮影。やや位置が悪かったのかDrが確認され再度調整して撮影しました。
無事に留置が終わると「脈が最初より10下がりましたね」と処置した看護師さんに言われるほど、ホッとしました。
正直、カテーテルの長さを確認するためよその部屋にいた麻酔科医に確認するまでの時間や、位置の微調整の時間がめっちゃ緊張していました。
意識がある状態で「ん?大丈夫かな」っていう空気は本当に勘弁してほしいですよね……。
とはいえ喉元過ぎればなんとやらで、普段の点滴のほうが痛かったなと思うくらいケロッとしていました。
日常生活も制限はなく、管の存在を忘れるほど。二の腕に付けられている接続口も、ネットと包帯で腕に巻いていると忘れてしまうくらい楽です。
正直、最初からやって欲しかったなという気分です。
副作用の方は
今は喉奥の渇きとだるさを感じる程度で食欲はあります。放射線治療で脱毛が出てきて首周りがチクチクして痒いとかはありますが、吐き気と味覚障害が強く出ていないのはありがたいです。
放射線治療後は、血液検査や口腔ケア、朝夕往診以外は、暇なのです。
副作用がないのはありがたい反面、制限のある中でヒマを持て余すと気は病んできます。大部屋でも医療者としか会話がなくがん治療は、待ち時間をどうやり過ごすかがポイントだと感じる日々です。
そんなわけで、家族が差し入れした漫画や小説を読んでいるので、その一部を紹介したいと思います。
本の感想
(ややネタバレあり。 ご注意ください)
トマトスープ『ダンピアのおいしい冒険』(イースト・プレス)
17世紀、スペインに対抗して英国が私掠船を派遣していた頃のお話。実在の人物を元にした歴史漫画です。おいしい冒険と言いつつも海賊料理なので食べるものもイグアナだったり、小判鮫だったり、ウジが沸いたパンだったり……それでも食糧不足に陥る船旅ではごちそうですから当時の食糧事情が偲ばれます。転生するチャンスがあっても海賊船だけには乗りたくないなぁと思うくらい生々しい現実も描かれつつ、可愛らしい絵柄でサクッと読めます。
小林有吾『フェルマーの料理』(講談社)
料理漫画です。料理は数学という部分を絵で見せるのはなかなか大変だと思いますが、なんかそれっぽく見えてしまう(数学は詳しくないですけれど)天才数学少年が料理家として転向し、幼馴染のライバルと対峙する展開で論理的な料理をする主人公の岳が孤高の人になる過程が描かれ、目が離せません。7月からアニメ化するらしく、楽しみです。
今村翔吾『茜歌』下(ハルキ文庫)
『平家物語』を語り継ぎつつ、清盛亡き後、四男知盛が主人公の歴史小説です。歴史小説なので(平家滅亡という)結末が決まっている物語は場面の魅せ方や盛り上げ方が腕の見せ所だと思います。登場人物の想いや考えを見せつつ家族関係も描きながらわかりやすいのがさすがだと思いました。最初、平家物語を西仏に引き継がせようとした人物が誰かな〜と想像していたのですが、思った人物と違い、してやられたり、でした。
あと『茜歌』はここぞという時に「はきと」という言葉を上下巻に渡って使われてて(著者の作風?)なぜか印象に残りました(笑)。
鈴木大輔『双子探偵 詩愛&心逢』(TO文庫)
手鞠坂女子学園というお嬢様学校に入学した白雪詩愛と白雪心逢ダブル主人公のゆるふわ日常系ミステリー。
自画自賛する姿もかわゆい感じを出す、容姿端麗&文武両道の双子を学園の新聞部が取り上げ、その新聞が挿絵になってたり、LINEみたいな画面が再現されていたりと、ちょっと変わった表現がされています。
ミステリー要素は目安箱は誰が設置したのか? という日常系で論理的に真相を明らかにしていくものですが、キャラはすごく立っているんですが、謎要素が物足りなかった、というのが正直な感想です。
その他 食漫画
病院食が続いているからか、小説より料理雑誌や調理動画を見て過ごすことが多く……そんな中で家から持ってきた食漫画をサクッと紹介します。
よしながふみ『きのう何食べた?』(講談社)は調理部分の解像度の高さと料理以外の人間関係が丁寧に描かれていて好きな食漫画シリーズです。
この物価高、さすがにシロさんも月2万5千円で食生活はしていないだろうなと思いつつ読み返しています。
倉田よしみ『味いちもんめ 食べて・描く漫画家食紀行1〜2巻』(小学館)
『スペリオール』の連載でお馴染みの伊藤&ボンさんが漫画の中から飛び出して有名漫画家の食を尋ねるというメタ的なエッセイ漫画。大御所たちの漫画家になるまでの過程と締切を乗り切るための食事情が1話完結で明かされていくもので大変面白かったです。
午後『おいしい薬膳日記』(小学館)
狼?姿の著者による食エッセイ漫画。薬膳の知識もわかるし、レシピもわかる一度読むと二度おいしい内容になっていて、さらっと読めました。
とまぁ、こんな感じで食漫画を読み漁っておりますが、次回はちゃんとSFなども読みたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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