シャドーイング初心者は何から始める?最初の7日間の進め方
シャドーイングを始めようと思っても、
「何からやればいいのか分からない」
「いきなり音源についていけない」
「スクリプトは見ていいのか分からない」
「自分には難しすぎる気がする」
と感じる方は多いです。
特に初心者の場合、最初からきれいに発音しようとしたり、音源を完璧に聞き取ろうとしたりすると、かなり苦しくなります。
シャドーイングは、ただ英語を真似するだけの練習に見えますが、実際にはかなり負荷の高い練習です。
音を聞く。
少し遅れて声に出す。
意味も追いかける。
発音やリズムも合わせる。
これをいきなり全部やろうとすると、初心者にとってはかなり大変です。
だから、シャドーイング初心者は、最初の7日間で「上手にできること」を目指さなくて大丈夫です。
まずは、正しい練習の流れに慣れること。
ここを最初の目標にした方が、結果的に続きやすくなります。
シャドーイング初心者が最初に目指すのは、完璧ではなく「流れに慣れること」
シャドーイング初心者が最初にやるべきことは、完璧な発音でも、完璧な聞き取りでもありません。
まずは、
教材を選ぶ
スクリプトを確認する
音源を聞く
音源と一緒に読む
短い範囲でシャドーイングする
録音して確認する
という流れを一通り経験することです。
最初の1週間は、成果を出す期間というより、練習の形を覚える期間だと思ってください。
私も実際に受講生様にシャドーイングを始めていただくとき、最初からすべてを細かく説明しすぎないようにしています。
もちろん、正しいやり方は大切です。
ただ、最初から「あれも気をつけましょう」「これも意識しましょう」とすべてを伝えてしまうと、やる側は処理しきれません。
何を一番意識すればいいのかがブレてしまいますし、練習を始める前から「難しそう」「自分にはできなさそう」と感じて、モチベーションが下がってしまうこともあります。
だからこそ、まずは大まかな方法を説明して、1週間ほどやっていただく。
そのあとで、録音を確認したり、実際のやり方を見たりしながら、より細かい部分を調整していく。
この順番の方が、結果的に身につきやすいです。
最初から聞く・話す・意味理解を全部やろうとすると負荷が高すぎる
シャドーイングが難しい理由は、英語力だけではありません。
初心者にとっては、同時にやることが多すぎるのです。
聞こえた音を追う。
口を動かす。
英語の意味を理解する。
スピードについていく。
自分の声も聞こえてくる。
これを最初から全部きれいにやろうとすると、かなり苦しくなります。
いきなり海に飛び込んで泳いでいるようなものです。
初めて泳ぐなら、いきなり海ではなく、まずはプールで泳ぎ方を学びますよね。
シャドーイングも同じです。
いきなり本番のように音源を追いかけるのではなく、最初は浅いところで、練習の流れを確認する。
その方が、フォームが崩れにくくなります。
できないのは向いていないからではなく、負荷が合っていないことが多い
最初にシャドーイングをやってみて、
「全然ついていけない」
「口が回らない」
「意味がまったく入ってこない」
「自分には向いていないかもしれない」
と感じる方は少なくありません。
ただ、それは向き不向きというより、負荷が高すぎるだけのことも多いです。
教材が難しすぎる。
範囲が長すぎる。
スクリプト確認が足りない。
速度が速すぎる。
いきなりスクリプトなしでやろうとしている。
こうした状態だと、練習の形が崩れやすくなります。
筋トレでも、いきなり重すぎるダンベルを持つとフォームが崩れます。
フォームが崩れたまま回数だけ増やしても、狙ったところに効きにくいですよね。
シャドーイングも同じです。
初心者ほど、まずは「正しい形でできる負荷」に下げることが大切です。
初心者が最初に選ぶ教材は、難しさよりも「練習しやすさ」で決める
シャドーイング初心者ほど、難しい教材を選びたくなることがあります。
難しい教材の方が伸びそう。
ネイティブの自然な会話の方が効果がありそう。
簡単な教材だと物足りない気がする。
この気持ちは、とてもよく分かります。
ただ、最初の目的は「難しい英語に挑戦すること」ではありません。
まずは、シャドーイングの練習の流れに慣れることです。
そのため、初心者が最初に選ぶ教材は、難しさよりも練習しやすさで決めた方がよいです。
スクリプトがある音源を選ぶ
初心者は、必ずスクリプトがある音源を選んだ方がいいです。
最初からスクリプトを見ないで音だけで頑張る必要はありません。
むしろ、内容が分からないまま音だけを追いかけると、ただ口を動かしているだけになりやすいです。
スクリプトを見て、
どんな単語が使われているのか
どこで音がつながっているのか
どこが聞き取りにくいのか
意味は理解できているのか
を確認してから音に入る方が、練習の質は上がります。
料理でいうと、レシピを見ずにいきなり作り始めるようなものです。
慣れている料理なら感覚で作れるかもしれません。
でも、初めて作る料理なら、まずレシピを見た方が失敗しにくいですよね。
シャドーイング初心者にとって、スクリプトはレシピのようなものです。
短く区切れる音源を選ぶ
最初は、長い音源を使わない方がいいです。
1分以上の音源をまるごとシャドーイングしようとすると、途中で集中が切れたり、どこができていないのか分からなくなったりします。
初心者は、まず数文で十分です。
短い範囲で、
音を確認する
一緒に読む
少し遅れて読む
録音して確認する
という流れを回した方が、練習の形が見えやすくなります。
長くやるより、短く正しく。
最初はこの意識で大丈夫です。
聞き取りやすく、意味確認しやすいものを選ぶ
音声は、聞き取りやすいものを選びましょう。
そして初心者のうちは、とにかく簡単な音声を選んで大丈夫です。
「簡単すぎるかな」と感じるくらいでも、最初の練習としては悪くありません。
最初の目的は、難しい英語を聞き取ることではなく、シャドーイングの流れに慣れることだからです。
速すぎる会話、効果音が多い動画、複数人が重なる会話、くだけた表現が多すぎる素材は、初心者には負荷が高くなりやすいです。
もちろん、最終的には自然な英語にも慣れていく必要があります。
ただ、最初からそこを狙いすぎると、シャドーイングの形を作る前に崩れてしまいます。
YouTubeであれば、たとえば「シャドーイング100本ノック! #01 [初級] -Shadowing lesson-」のような、初級向けで短く練習しやすい音声も使いやすいです。
教材選びで迷う場合は、詳しくは「シャドーイングにおすすめの教材6選|録音音声と生音声の違い・選び方を解説」で整理しています。
この記事では、まず初心者は、
スクリプトがある
短く区切れる
音声が聞き取りやすい
意味確認がしやすい
この4つを見れば大丈夫です。
1日目:教材を決めて、スクリプトと意味を確認する
1日目は、いきなりシャドーイングをしなくて大丈夫です。
まずは教材を決めて、スクリプトと意味を確認します。
ここを飛ばすと、あとでかなり苦しくなります。
英文を見たら、次のような点を確認してください。
・知らない単語が多すぎないか
・文の意味が大まかに取れるか
・長すぎて読みづらい文はないか
・声に出したときに口が止まりそうな箇所はないか
ここを確認してから音源を聞くと、「どこが聞き取れないのか」「どこが言いにくいのか」が分かりやすくなります。
この段階では、音を完璧に真似しようとしなくて大丈夫です。
「この英文は、だいたいこういう内容なんだな」と分かれば、最初としては十分です。
レシピを見ずに料理を始めないのと同じで、最初は内容確認からでいい
初心者ほど、「スクリプトを見たら意味がないのでは」と思いやすいです。
でも、最初は見て大丈夫です。
内容が分からないまま音だけを追うと、何を練習しているのか分からなくなります。
まずはレシピを見る。
そのあとで実際に手を動かす。
この順番で問題ありません。
2日目:音源を聞いて、聞き取れない箇所を確認する
2日目は、音源を聞きます。
ただし、ここでもいきなり声に出さなくて大丈夫です。
まずは、スクリプトを見ながら音源を聞いてください。
そして、
文字では分かるのに聞こえないところ
単語同士がつながっているところ
音が弱くなっているところ
思っていた発音と違うところ
を確認します。
シャドーイングで伸ばしたいのは、ただ英文を読む力ではありません。
文字で見れば分かる英語を、音で聞いたときにも分かるようにしていくことです。
そのためには、「どこが聞こえていないのか」を見つけることが大切です。
いきなり声に出すより、まず音のつながりやリズムを確認する
初心者がいきなり声に出すと、音源を聞く余裕がなくなりやすいです。
口を動かすことに必死になって、肝心の音が聞けなくなることがあります。
だから、2日目はまず聞く。
音のつながり、リズム、強く読まれるところ、弱く読まれるところを確認する。
この準備があるだけで、次の日のオーバーラッピングがやりやすくなります。
3日目:オーバーラッピングで、音源と一緒に読む
3日目は、オーバーラッピングをします。
オーバーラッピングとは、スクリプトを見ながら、音源と同じタイミングで読む練習です。
シャドーイングは、音源より少し遅れて声に出します。
一方、オーバーラッピングは音源と同時に読みます。
初心者の場合、いきなりシャドーイングに入るより、先にオーバーラッピングを挟んだ方がやりやすいです。
音源のスピードに合わせて読む感覚がつかめるからです。
シャドーイングの前に、音に合わせて読む感覚を作る
オーバーラッピングでは、発音を完璧にする必要はありません。
まずは、音源のリズムに合わせて読むことを意識してください。
どこで一気に読むのか。
どこで少し間が空くのか。
どの単語が弱く読まれるのか。
このあたりを感じながら読めると、次のシャドーイングに入りやすくなります。
ここでも、できない箇所があって大丈夫です。
むしろ、できない箇所を見つけるためにやっていると思ってください。
4日目:短い範囲でプロソディーシャドーイングを始める
4日目から、短い範囲でシャドーイングを始めます。
ここで意識したいのは、意味を完璧に理解することよりも、まず音のリズムやイントネーションを追うことです。
いわゆる、プロソディーシャドーイングに近い練習です。
音の上がり下がり。
リズム。
強弱。
間の取り方。
こうした音の特徴を、できる範囲で真似していきます。
最初は長くやらず、数文だけで十分
初心者は、長い範囲を一気にやらない方がいいです。
最初は2〜3文でも十分です。
短い範囲で、
音源を聞く
少し遅れて声に出す
ついていけないところを確認する
もう一度やる
という流れを繰り返します。
長い音源を最初から最後まで流して、何となく真似るだけだと、練習がぼやけます。
短く区切った方が、自分がどこで崩れているのか分かりやすいです。
5日目:1単語遅れを意識して、音を聞きながら声に出す
5日目は、1単語遅れを意識します。
シャドーイングは、音源と同時に読む練習ではありません。
聞こえた音を、少し遅れて追いかける練習です。
この「少し遅れて」が大切です。
同時に読んでしまうと、オーバーラッピングに近くなります。
逆に、遅れすぎると、音源を聞いている感覚が弱くなり、暗唱に近くなってしまいます。
暗唱ではなく、聞こえた音を少し遅れて追いかける
初心者がよく迷うのが、暗唱との違いです。
何回も練習していると、英文を覚えてしまうことがあります。
覚えること自体は悪いことではありません。
ただ、シャドーイングの目的は、英文を暗記して発表することではありません。
音を聞きながら、少し遅れて追いかけることです。
「覚えている英文を言う」のではなく、「今聞こえている音を追う」。
この感覚を少しずつ作っていきます。
暗唱との違いが気になる場合は、「シャドーイングで暗唱を目指す必要はある?目的の違いとリプロダクションの使い方を解説」で詳しく整理しています。
6日目:録音して、音源との差を確認する
6日目は、一度録音してみます。
初心者でも、録音は入れた方がいいです。
ただし、毎回録音しなくても大丈夫です。
最初から毎回録音しようとすると、それ自体が負担になることがあります。
大切なのは、自分の声を外から確認する機会を作ることです。
シャドーイングをしている最中は、自分ではできているつもりでも、実際には音源とズレていることがあります。
リズムがずれている。
語尾が消えている。
強弱が平らになっている。
自分の声が大きすぎて音源を聞けていない。
録音すると、こうしたことに気づきやすくなります。
毎回でなくていいので、自分の声を外から確認する
録音は、点数をつけるためだけにするものではありません。
自分では気づけないズレを見つけるために使います。
最初は、細かく完璧に分析しなくて大丈夫です。
音源と比べて、
リズムは近いか
大きく遅れていないか
言えていない単語はないか
音源を聞きながら言えているか
このあたりを見るだけでも十分です。
録音の頻度や使い方を詳しく知りたい場合は、「シャドーイングは録音した方がいい?効果が変わる理由と、録音の使い方」で整理しています。
7日目:同じ音源を続けるか、範囲を変えるか判断する
7日目は、同じ音源を続けるか、範囲を変えるかを判断します。
ここで大切なのは、「完璧にできたか」だけで判断しないことです。
初心者の最初の1週間で、完璧にシャドーイングできる必要はありません。
見るべきなのは、練習の形が少しでも作れているかです。
スクリプト確認をしているか。
音源を聞いているか。
オーバーラッピングを挟めているか。
短い範囲でシャドーイングできているか。
録音で自分の声を確認できているか。
この流れを一通り経験できていれば、最初の1週間としては十分です。
完成度ではなく、練習の形が崩れていないかを見る
同じ音源を続けるかどうかは、完成度だけで決めなくて大丈夫です。
まだ明らかに口が回らない。
音源を聞けずに暗唱になっている。
意味がまったく追えていない。
録音すると大きくズレている。
こういう場合は、同じ音源をもう少し続けてもよいです。
一方で、ある程度リズムがつかめていて、練習の形も崩れていないなら、範囲を少し変えたり、次の短い音源に進んだりしても大丈夫です。
最初の1週間は、完成させる期間ではありません。
自分にとって、どのくらいの長さ・難しさ・速度なら練習になるのかを知る期間です。
最初の1週間でうまくいかないときに見直すポイント
最初の1週間でうまくいかなくても、すぐに「自分には向いていない」と決めなくて大丈夫です。
シャドーイングがうまくいかないときは、やる気や才能の問題ではなく、負荷が合っていないことが多いです。
まずは、次の4つを見直してください。
教材が難しすぎないか
初心者が最初に選ぶ教材は、難しすぎない方がいいです。
スクリプトを見ても意味が分からない。
知らない単語が多すぎる。
音声が速すぎる。
会話が自然すぎて音が崩れている。
こうした教材は、最初の練習には負荷が高いです。
難しい教材を使うことが、必ずしも良い練習になるわけではありません。
最初は、正しい形で練習できる教材を選ぶ方が大切です。
範囲が長すぎないか
1回で練習する範囲が長すぎると、どこができていないのか分からなくなります。
初心者は、短く区切って大丈夫です。
1分の音源を全部やろうとするより、まずは数文だけ。
その数文を丁寧に練習した方が、シャドーイングの形は作りやすくなります。
スクリプト確認を飛ばしていないか
スクリプト確認を飛ばすと、音だけを何となく追う練習になりやすいです。
初心者は、スクリプトを見て大丈夫です。
意味を確認してから音に入る。
音のつながりを確認してから声に出す。
この順番の方が、練習が安定します。
速度が速すぎないか
1倍速で苦しい場合は、少し速度を落としても大丈夫です。
ただし、落としすぎると、自然な音のつながりやリズムが変わってしまうことがあります。
最初から無理に1倍速で崩れるくらいなら、少し調整しても構いません。
速度調整の詳しい考え方は、「シャドーイングは何倍速がいい?基本の考え方と速度調整の目安を解説」で整理しています。
ここでは、初心者は「速さに耐えること」よりも、「練習の形を崩さないこと」を優先してください。
シャドーイング初心者は、最初の7日間で「続けられる形」を作ればいい
シャドーイング初心者は、最初の7日間で上手にできることを目指さなくて大丈夫です。
完璧な発音。
完璧な聞き取り。
スムーズな意味理解。
音源とぴったり合った発話。
こうしたものを、最初から求めすぎる必要はありません。
最初に目指すのは、正しい練習の流れに慣れることです。
教材を選ぶ。
スクリプトを確認する。
音源を聞く。
オーバーラッピングをする。
短い範囲でシャドーイングする。
1単語遅れを意識する。
録音して確認する。
続けるか、範囲を変えるか判断する。
この流れを一通り経験できれば、最初の1週間としては十分です。
シャドーイングは、いきなり海に飛び込んで泳ぐ練習ではありません。
最初はプールで、泳ぎ方を覚えるところからで大丈夫です。
慣れてきたら、少しずつ距離を伸ばしたり、スピードを上げたり、深いところに進んだりすればいい。
英語学習も同じです。
最初から結果を求めすぎると、続ける前に苦しくなります。
まずは、崩れない形で続けられること。
そこから、シャドーイングは少しずつ練習らしくなっていきます。
詳しい手順まで確認したい方は、「シャドーイングの正しいやり方|失敗しない6ステップ」で、練習の流れをより細かく整理しています。
最初の7日間で大まかな流れに慣れたあとに読むと、自分のやり方を修正しやすいと思います。
