#466 給食の食べ残しはどうなる?全国で広がる「食品ロス削減」の工夫
学校給食では、毎日たくさんの食材が使われています。
その一方で、調理くずや食べ残しが発生することもあります。
「食べ残した給食は全部捨てられているの?」
そう思う人もいるかもしれません。
しかし、全国の自治体や学校では、給食から出る食品ロスを減らすために、さまざまな工夫が行われています。
今回は、実際に行われている取り組みを紹介しながら、給食とフードロスの関係を考えてみましょう。
そもそも給食の食品ロスとは?
給食で発生する食品ロスには、大きく二つあります。
調理くず = 野菜の皮や切れ端など
残菜(ざんさい) =児童・生徒が食べ残したもの
これらをそのまま焼却すると、ごみ処理の費用がかかるだけでなく、環境への負担も大きくなります。
そのため、多くの自治体が「捨てる量を減らす」ための取り組みを進めています。
事例① 世田谷区 ― 食べ残しを飼料に
世田谷区では、学校給食から出る野菜くずや食べ残しを飼料化しています。
回収された食品は加工され、養豚や養鶏の飼料の原料として再利用されます。
つまり、
給食の残り → 飼料 → 家畜
という循環を作っているのです。
焼却するだけでは終わらず、新しい資源として活用している点が特徴です。
事例② 渋谷区立加計塚小学校 ― 学校で堆肥づくり
渋谷区立加計塚小学校では、給食の食べ残しをコンポストで堆肥化しています。
微生物の力で分解し、できた堆肥を学校や地域の畑で使う取り組みです。
児童が堆肥づくりに参加することで、
食品ロスを減らす
ごみの循環を学ぶ
食べ物を大切にする意識を高める
といった食育にもつながっています。
事例③ 北海道音更町 ― バイオガス発電に活用
音更町では、給食の調理残さや食べ残しをバイオガスプラントに運び、発電や液肥の原料として利用しています。
さらに、その液肥を使って育てた野菜を再び給食に取り入れる取り組みも行われています。
「食べる → 残る → エネルギーや肥料になる → 野菜を育てる → また食べる」という循環が作られているのです。
事例④ 調布市 ― バイオガス施設を学びの場に
調布市では、児童が給食のリサイクルについて学ぶため、バイオガスプラントを見学する環境学習が行われています。
自分たちが食べた給食がどのように再利用されるのかを学ぶことで、「ごみ」ではなく「資源」として考える視点を育てています。
食品ロス削減を、単なる処理の問題ではなく教育の機会として活用している点が特徴です。
なぜ「配る」より「循環利用」が多いの?
「食べ残しを福祉施設に配ればいいのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、学校給食は公費や給食費で購入された食品であり、他の施設へ提供する場合には、
食品事故が起きたときの責任
衛生管理の確認
アレルギー対応
公平性の問題
など、多くの課題があります。
そのため、現実には飼料化・堆肥化・バイオガス化など、制度上管理しやすい形で再利用する自治体が多いのです。
給食から学べること
給食の食品ロス対策は、単に「ごみを減らす」だけではありません。
そこには、
資源を循環させる
環境負荷を減らす
食べ物を大切にする
地域と学校をつなぐ
といった目的があります。
社会科で学ぶ持続可能な社会(SDGs)を、身近な給食を通して考えることができるのです。
おわりに
給食の食べ残しは、すべてが「ただ捨てられている」わけではありません。
全国では、
飼料化
堆肥化
バイオガス発電
環境学習との連携
など、さまざまな方法で再利用する取り組みが進められています。
普段何気なく食べている給食も、見方を変えると環境問題や資源循環を学ぶ教材になります。
次に給食を食べるときは、「食べ終わった後、その食材はどこへ行くのだろう?」と考えてみると、社会科の学びがぐっと身近になるかもしれません。
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