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#439 なぜ日本では総理大臣を国民が直接選べない?

「なぜ総理大臣を国民が直接選べないのだろう?」

と思ったことはないでしょうか。

実際、アメリカや韓国、フランスなどでは、国民が直接トップを選びます。

一方、日本では私たちは総理大臣に投票することができません。

選挙で投票した政党の党首が総理大臣にならないこともあります。

そのため、

「総理大臣は勝手に決まっている」

と感じる人も少なくありません。

では、なぜ日本では総理大臣を国民投票で選ばないのでしょうか。

その理由をたどると、日本の政治の仕組みそのものが見えてきます。

私たちは総理大臣を直接選んでいない

まず確認しておきたいのは、日本では国民が総理大臣を直接選ぶ制度になっていないということです。

私たちが選挙で投票しているのは、

・衆議院議員
・参議院議員

です。

そして、選ばれた国会議員が国会で投票を行い、総理大臣を指名します。

これを「首班指名」と呼びます。

つまり、日本では、

国民 → 国会議員 → 総理大臣

という流れでリーダーが選ばれているのです。

日本は「議院内閣制」を採用している

なぜこのような仕組みになっているのでしょうか。

その理由は、日本が「議院内閣制」を採用しているからです。

議院内閣制とは、国会の多数派が内閣を作る仕組みです。

総理大臣は国会議員の中から選ばれ、内閣を組織します。

そして内閣は、国会に対して責任を負います。

もし国会が内閣を支持しなくなれば、内閣不信任決議が可決されることもあります。

その場合、内閣は総辞職するか、衆議院を解散しなければなりません。

つまり、総理大臣は国民ではなく、国会の信任によって職務を続けているのです。

大統領制とは何が違うのか

一方、アメリカは「大統領制」を採用しています。

大統領制では、国民が直接リーダーを選びます。

大統領は議会とは別に選ばれるため、議会の信任がなくても任期中は原則として職務を続けます。

つまり、

日本=国民 → 国会議員 → 総理大臣

アメリカ=国民 → 大統領

という違いがあります。

大統領制では強いリーダーシップを発揮しやすい一方で、議会と対立すると政治が停滞することもあります。

一方、議院内閣制は国会多数派と内閣が協力しやすいという特徴があります。

どちらが優れているというより、それぞれに長所と短所があるのです。

なぜ日本は議院内閣制になったのか

現在の日本国憲法が施行されたのは1947年です。

当時の日本は第二次世界大戦の敗戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の占領下にありました。

そのため、新しい政治制度の設計にはGHQが大きく関与しています。

戦前の日本では、軍部の発言力が強まり、政治の責任の所在が曖昧になる場面もありました。

そこで戦後の憲法制定では、

「内閣が国会に対して責任を負う仕組み」

が重視されます。

その結果、国民が選んだ国会議員が内閣を監督する議院内閣制が採用されたのです。

ただし、議院内閣制そのものは戦後に突然導入された制度ではありません。

大日本帝国憲法の下でも、政党が内閣を組織する「政党内閣」の時代がありました。

戦後の日本は、こうした戦前の経験を引き継ぎながら、GHQ主導の民主化政策の中で、国会中心の政治制度をより明確な形へと再構築していったのです。

国民投票で総理大臣を選ぶことはできないのか

では、日本でも総理大臣を直接選ぶ制度に変えることはできるのでしょうか。

結論から言えば、不可能ではありません。

しかし、そのためには憲法改正が必要になります。

日本国憲法第67条には、

「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名する」

と定められているからです。

仮に総理大臣を直接選ぶ制度へ変更する場合、日本の政治制度そのものを大きく見直す必要があります。

単に選び方を変えるだけでは済まないのです。

直接選べないことにメリットはあるのか

総理大臣を直接選べないことには、不満を感じる人もいるかもしれません。

しかし、議院内閣制にもメリットがあります。

例えば、総理大臣が国会の支持を失った場合、比較的短期間で交代させることができます。

大統領制では、支持率が下がっても任期中は交代しにくい場合があります。

また、国会議員を通じて民意を反映するため、多様な意見を政治に取り入れやすいという考え方もあります。

一方で、

・誰が総理大臣になるのか分かりにくい
・選挙で投票した人が総理大臣にならないこともある
・与党内の党首選で事実上決まることがある

といった課題もあります。

そのため、「首相公選制」を導入すべきだという議論は今でも続いています。

総理大臣を選ぶ仕組みから見える日本の政治

私たちは総理大臣を直接選んでいません。

しかし、それは民主主義ではないという意味ではありません。

日本では、国民が国会議員を選び、その国会議員が総理大臣を選ぶ仕組みになっています。

これは議院内閣制という制度に基づいたものです。

私たちが投票しているのは、単に地元の議員ではありません。

その一票は、

「どの政党に政権を任せるのか」

を決める一票でもあるのです。

総理大臣を直接選べない理由を知ると、普段何気なく行っている国政選挙も、

「誰を総理大臣にするのか」

を間接的に決める重要な選択だと見えてくるのかもしれません。

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