録音を"聞く"のをやめたら、議事録づくりがラクになった話。|地方老舗建設業のAI活用
こんにちは。
新潟県新発田市にある創業100年超の老舗ゼネコン「新発田建設」で、採用・広報を担当している中浦です。
前回は情報システム課の皆川が「アカウント情報生成ツール」の話をしましたが、今回は少し毛色が違う話です。
テーマは「議事録づくり」。地味だけど、実はけっこう根が深い悩みだったりします。
議事録づくり、何がそんなに大変だったの?
私は、これまで会議の議事録はこんな流れで作っていました。
①会議中にタブレットでメモを取る
② メモを議事録形式に打ち直す
③Teamsのチャットグループに共有する
やり方としてはシンプルなんですが、実際にやってみると困りごとが多かったんです。
メモを取るのに必死で、話を聞き漏らしてしまう
話すスピードについていけず、内容を追いきれないことがある
「じゃあ録音すればいいのでは」という案も、もちろんありました。
ただ、録音したものを最初から最後まで聞き直すのは、それはそれで時間がもったいない。「メモも録音も、どっちも一長一短だな……」というのが、これまでの正直なところでした。
結局、何をしたの?
全社員に支給されているiPhoneで社内会議を録音し、その文字起こしをAI「Gemini(ジェミニ)またはClaude(クロード)」に読み込ませることで、議事録を自動で作成できるようにしました。
「メモを取る」「録音を聞き直す」という作業そのものを、大きく減らす仕組みです。

流れとしては、こんな感じです。
全社員に支給されているiPhoneで会議を録音する
録音データが自動で文字起こし(=話し声を文字のテキストに変換すること)される
文字起こしした内容をOneDrive(=Microsoftが提供するクラウド上のファイル保存サービス)経由でWordファイルに残す
そのWordファイルを、生成AIの「Gemini(ジェミニ)」または「Claude(クロード)」に読み込ませる
AIに議事録の形にまとめてもらう
工夫したのは、AIに文字起こしをそのまま渡すのではなく、先にある程度の情報(会議の種類やまとめ方など)を伝えておくところです。
そうすることで、毎回バラバラな形式ではなく、ある程度同じような書式で議事録を出力してもらえるようになりました。

過程で、つまずいたことは?
正直、大きくつまずいた点はそんなに多くありません。
強いて言うなら、文字起こしそのものの精度です。
iPhoneが自動でやってくれる文字起こしは、当然ながら100%完璧というわけではありません。聞き取りにくい部分や、専門用語などは多少ズレることもあります。
ただ、面白いのはここからで。AIによる要約の精度がかなり高いんです。
多少文字起こしが崩れていても、AIがそこから話の要点をきちんと拾い上げて、まとまった議事録に整えてくれます。「文字起こしは完璧じゃなくていい、そのあとのAIがカバーしてくれる」という感覚は、実際にやってみて初めて分かった発見でした。

もう一つ挙げるとすれば、操作面のハードルです。
録音データをOneDrive経由でまとめるという流れ自体は、スマホの操作に慣れている人にとっては何でもないことなんですが、あまりITツールに詳しくない方だと、最初は少し戸惑う場面もありました。
ただこれも、現場の所長さんが実際にこのやり方を覚えて使ってくれるようになったんです。
専門知識がなくても、一度覚えてしまえば現場の第一線で活躍している方でもちゃんと使いこなせる。これは個人的にすごく嬉しい発見でした。
これから、どうしていきたい?
社内会議での運用がうまくいってきたことを踏まえて、今後はこの仕組みを「現場での打合せ」にも活用していきたいと考えています。
現場によって打合せの内容や形式はさまざまですが、あらかじめ決まった書式を伝えておけば、毎回同じフォーマットで議事録が出力されるようにしていきたいです。そうすることで、現場の担当者が議事録づくりに時間を取られることなく、本来の仕事に集中できる時間を増やせたらと思っています。
これから建設業界やIT業界への就職・転職を考えているみなさんにも、「地方の老舗ゼネコンでも、現場の"地味に面倒"をAIと一緒に解決していく文化がある」ということが伝われば嬉しいです。
