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業務を4つの工程に割ると、自動化できる場所が見えてくる

自動化する業務を1つ選んだのに、ツールを開いた瞬間に手が止まる。

これ、自分が何度もやった失敗です。「毎日やっていて、手順が同じ業務」を選ぶところまではできる。その選び方は前に書きました。でも、いざn8nを開くと、最初のブロックに何を置けばいいのか分からない。業務は頭の中で「ひとかたまり」のままだから、どこから手をつければいいか見えないんです。

抜けていたのは、選ぶと作るの間にある「分解」というワンステップでした。

今日は、その分解の話をします。ツールの操作は出てきません。出てくるのは、1つの業務をどう割るか、という考え方だけです。ここさえ持っておけば、使うツールがn8nでもDifyでも、やることは同じになります。

そもそも「分解する」とは何か

分解とは、ひとかたまりに見えている業務を、工程に割ることです。

たとえば「問い合わせ対応」。これを1つの作業だと思っているうちは、自動化しようがありません。でも実際には、中でいくつかのことが順番に起きています。問い合わせが届く。内容を見て種類を仕分ける。それぞれに対応する。どこかに記録を残す。

こうやって並べた瞬間に、さっきまで「ひとかたまり」だったものが、4つの小さな作業になります。そして小さくなると、1つずつ「これはツールに任せられる? 人がやるべき?」と判断できるようになる。

自分は、どんな業務もこの4つの工程で見るようにしています。

  • きっかけ:何が起きたら、この業務が始まるか

  • 判断:届いたものを、どう仕分けるか

  • 作業:実際に手を動かす処理は何か

  • 記録:結果を、どこに残すか

順番も、だいたいこの通りに流れます。きっかけがあって、判断して、作業して、記録する。

なぜ4つなのかというと、これ以上細かくすると手が止まるし、これ以上ざっくりだと「誰がやるか」を決められないからです。自分の場合は、4つがちょうどよかった、という経験則です。もっと複雑な業務は、4工程のどれか(たいてい「作業」)が、さらに小さい4工程に割れます。入れ子になるだけで、見方は変わりません。

割ってみると、力が抜ける

この割り方の一番の効能は、自動化のハードルが下がることです。

「問い合わせ対応を全部自動化する」と考えると、すごく大変な気がします。でも「きっかけの部分だけ自動で拾う」なら、急に簡単に思えてくる。人は、大きいかたまりを前にすると動けなくなるだけで、小さく割れば動けるんです。

自分がツールを4ヶ月放置していた頃も、たぶん同じでした。「n8nで自動化する」という大きすぎる目標を前に固まっていた。分解を知っていたら、あんなに長くは止まっていなかったと思います。

もう1つの効能は、「実は自動化しなくていい工程」が見えることです。割ってみると、4つのうち1つか2つは、そもそもツールに渡さないほうがいい工程だと気づきます。これが次の話につながります。

判断だけは、切り分ける

4つの工程には、担当を割り振ります。誰が、というより「人がやるか、ツールに任せるか」です。

やってみると、ほとんどの工程はツールに任せられます。きっかけを拾う、決まった作業をする、記録を残す。この3つは、ルールがはっきりしているので、そのままツールに渡して問題ありません。

問題は「判断」です。

ここを丸ごとツールに投げると、たいてい事故ります。自分も最初のうちは「仕分けなんて全部AIに任せればいい」と思っていました。でも実際にやってみると、例外的なものまで機械的に振り分けてしまう。お客さんが絡む場面だと、それが地味に効いてきます。正直、これは早めに気づいてよかったと思っています。

そこで自分がやるようになったのは、判断を2つに割ることです。ルールで説明できる判断と、その場で人が考える判断。前者だけツールに渡して、後者は人に残す。

たとえば「料金の問い合わせは料金担当へ」はルールで説明できるので、ツールに任せます。でも「これはクレームに発展しそうだから自分が出る」は、その場の感覚なので人が持つ。この線引きを最初に決めておくだけで、自動化の事故はほとんど防げます。

ここ、ハマりやすいんですけど、「全部自動でやりたい」という気持ちが強いほど、判断まで丸投げしたくなります。でも判断を人とツールで切り分けられる人が、結局いちばん安定した仕組みを作れます。全部を任せる人ではなく、任せる場所を選べる人、ということです。

分解できれば、組み方は自然に決まる

ここまでできると、ツールの出番です。そして、ここが今日いちばん伝えたいところなんですが——分解が終わっていると、ツールでの組み方は、もう考えなくていい状態になっています。

なぜなら、4つの工程が、そのまま流れの順番になるからです。

きっかけを受け取るブロック、仕分けるブロック、作業するブロック、記録するブロック。n8nなら、これを左から右へ順番に置いて、線でつなぐだけ。工程の並びが、そのままフローの形になります。

自分がn8nを「難しい」と感じていた頃は、この順番が分かっていなかったんだと思います。真っ白な画面を前に、いきなり完成形を組もうとしていた。でも本当は、頭の中で業務を4つに割った時点で、設計図はもうできていたんです。ツールは、その設計図を置いていくだけの場所でした。

だから、詰まる場所はいつもツールの前にあります。ツールの使い方で悩んでいるように見えて、実は業務を割れていないだけ、ということがほとんどです。逆に言うと、割れてさえいれば、細かい操作は前に書いた通り、詰まったところをAIに聞けば進みます。

実際に割ってみた例

具体的に、1つ通しでやってみます。ある現場にあった「問い合わせの振り分け」を、4工程に割ったときの話です。

きっかけは、問い合わせフォームに入力があったとき。ここは自動で拾えます。

判断は、内容を「技術的な質問」「料金について」「その他」に仕分けること。この3分類はルールで説明できるので、ツールに任せられる部分です。ただし「明らかに怒っている」ような例外だけは、人が見て拾えるようにしておきました。

作業は、仕分けた結果を担当者に届けること。これも決まった処理なので自動です。

記録は、どんな問い合わせが来たかを残すこと。これも自動。

こうして割ってみると、人がやるのは「例外だけ拾う」というごく一部で、残りはツールに載せられると分かります。実際にはDifyで内容の仕分けをして、担当者へ通知が飛ぶ形にしました。それまで1人で全部読んでいた作業が、通知を確認するだけになりました。

派手ではないです。でも、毎日発生する業務なので、効きは大きかった。そして何より、この仕組みは「分解の4工程」が先にあったから、迷わず組めました。

ツールの前に、紙とペン

まとめます。
自動化がうまくいかないとき、原因はツールではなく、業務が割れていないことのほうが多いです。

なので、新しく何かを自動化したくなったら、ツールを開く前に、紙でもメモアプリでもいいので、その業務を4つに割ってみてください。
きっかけ、判断、作業、記録。
そして判断のところだけ、人が持つ部分とツールに渡す部分に線を引く。

ここまでできたら、もう半分終わっています。あとはその通りにツールへ置いていくだけ。もし途中で操作に詰まっても、それは分解とは別の小さな問題なので、前に書いた「エラーは丸ごとAIに貼る」で越えられます。

割る、担当を決める、置く。この順番だけ、持って帰ってもらえたら嬉しいです。


最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
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