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「SaaSの死」と「楽天ショック」が告げる未来 〜坂本龍馬に学ぶ「捨てる」勇気〜

こんにちは。
株式会社スプリングボード代表の足立晋平です。

1月も終わろうとしていますが、ビジネス界に大きなインパクトが走る記事が立て続けに飛び込んできました。
日経新聞の2つの衝撃的な記事を目にし、私は背筋が凍る思いがしました。

これらは一見、別々のニュースに見えます。
しかし、根っこで深く繋がっている「巨大な地殻変動」を示唆しています。

今日は、このニュースを読み解きながら、私たち個人のキャリアに突きつけられている「問い」について考えてみたいと思います。


📰 衝撃の「2大ニュース」とは?

私が釘付けになったのは、こちらの2つの記事です。

1️⃣業務ソフトが「死ぬ」?
「SaaSの死」業務ソフトにAI代替の荒波 4社時価総額15兆円消失


2️⃣広告代理店が「外される」?
ネット広告に「楽天ショック」 AIで制作・運用、RIZAPは8割内製


1つ目は、これまで私たちが便利に使っていた 「SaaS(経費精算ソフトなど)」が、AIに取って代わられる という話。
2つ目は、専門知識が必要だった 「広告運用」を、AIを使って企業が自分たち(インハウス)でやり始めた という話。

この2つが同時に起きている理由はシンプルです。
AIが「道具」から「労働力」に進化したからです。


⚔️ 「剣」を捨てられますか?

これまで私たちは、
「Excelが使える」「管理画面の操作に詳しい」といった 「ツールの操作スキル」 を武器に仕事をしてきました。

しかし、AIが「これやっといて」の一言で完遂してくれるなら、そのスキルの価値は暴落します。

💡ちょこっと理論紹介💡
📉 イノベーションのジレンマ(クレイトン・クリステンセン)

優良な企業(や個人)が、顧客の要望に応えて既存の製品(スキル)を改良することに注力しすぎるあまり、破壊的な新技術の登場に気づかず、あるいは軽視してしまい、最終的に敗北してしまう現象。

私たちは「もっとExcelを早く操作したい」「もっとSaaSを使いこなしたい」と努力します。
でもAIは、「操作そのものを不要」にしてしまう

ここで、幕末の英雄 坂本龍馬 のエピソードを思い出します。
彼は北辰一刀流の免許皆伝を持つほどの剣豪でした。
しかし、時代の変わり目に 「もはや刀の時代ではない」 と悟ると、いち早く懐にピストルを忍ばせました。

さらに、友人が「これからはピストルだ」と喜んでいると、龍馬は懐から 「万国公法(国際法の本)」 を取り出し、
「これからは世界を知らねばならん」
と言い放ったといいます。

もし彼が、「もっと剣の腕を磨けば勝てる」と道場に引きこもっていたら、薩長同盟も成し得なかったでしょう。

今、私たちも 「SaaSの操作スキル(剣)」 にしがみついていないか。
一度、自問する必要がありそうです。


⚖️ なぜ企業は「内製化」に走るのか?

2つ目の記事にある 「広告の内製化」 も、この文脈で読み解けます。
なぜ今、楽天やRIZAPはプロ(代理店)に頼まず、社内でやり始めたのでしょうか。

💡ちょこっと理論紹介💡
⚖️ 取引コスト理論(ロナルド・コース)

企業が仕事を「社内で行う」か「外部に委託するか」はコストの比較で決まるという理論。ここでのコストとは、業者への支払いだけでなく、指示出しや管理の手間(取引コスト)も含む。

AIという優秀なアシスタントがいれば、社内での作業コストは限りなくゼロに近づく。
逆に、外部業者にいちいち「ここの色を変えて」とメールし、数日待つ……という 「やりとりの手間(取引コスト)」 の方が高くつくようになる。

つまり、こういうことです。

外に頼むより、隣のAIとやったほうが早い。
これが、「楽天ショック」の正体です。


🎬 「オペレーター」から「ディレクター」へ

では、私たちリーダーはこの変化にどう向き合うべきでしょうか。
私は、「オペレーター(作業者)」から「ディレクター(監督)」への脱皮が必要だと考えています。

かつて私は、新入社員時代に自治体の入札案件でプレゼンを任されたことがあります。
当時の私は、「PowerPointをいかに綺麗に作るか」「アニメーションをどう動かすか」 というツールの操作に命をかけていました。

自信満々で臨んだプレゼン当日。
結果はどうだったかというと、6人の聴講者のうち半分が、開始5分で寝てしまいました。

私は 「資料作成」という作業(オペレーション)に没頭し、「相手を動かす」という目的(アウトカム) を見失っていたのです。
まさに「剣の稽古」に夢中で、戦に負けたようなものです。

これからの時代、綺麗な資料を作るのはAIの仕事です。
私たちの仕事は、AIに向かってこう指示することです。

🗣️ 「聴衆が退屈しないように、冒頭に衝撃的なデータを入れた構成案を作って。あと、この部分は坂本龍馬の逸話と絡めてエモくして」

つまり、細部の作業ではなく、「全体の演出」と「最終的な成果」に責任を持つこと。
ここにこそ、AIには代替できない、人間ならではの価値が残ります。

坂本龍馬が剣を捨てて 「日本の洗濯」という大きな目的 に向かったように、
私たちも 「ツールの操作」 を手放し、より本質的な仕事に向かう時が来たのかもしれません。

……と、偉そうなことを言いつつ、過去の失敗を思い出すと今でも冷や汗が出ますが(笑)。
失敗も含めて「人間らしさ」ということで、AIとうまく共存していきたいですね。


🔗 関連記事(足立のnote)

変化の時代に、「思考を手放さない」ための話です。今回のテーマとも地続きなので、よければどうぞ。


最後に、あなたへの問いをひとつ。

あなたが今、必死で磨いている「剣」は何ですか?
そしてそれは、AI時代にも“武器”のままでいられそうですか?


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