「いつか落ち着いたら」と言い続ける人が、一生動けない本当の理由
「子どもができたから、もう無理だ」と思っていた。メンターに言われた一言が、その言い訳を壊した
2026年、「働きがいのある会社」ランキングが発表された。
その記事をみて、こんなことを考えた。
「働きがいって、会社が与えてくれるものなんだっけ?」
ランキング上位の会社で働いていても、なんとなく満たされていない人はいる。
逆に、どう見ても恵まれた環境にいるのに、深夜に「このままでよかったのかな」と天井を見ている人もいる。
自分も、そういう時期があった。
結婚して、子どもができて、夢は「無理」になった
大企業に転職して、安定した収入があって、家族もできた。
世間的には、申し分のない状況だった。
でも、心の中の火がだんだん小さくなっていくのがわかった。
そのころ、自分には「いつかやりたいこと」があった。
海外で暮らしたい
世界を回ってみたい
日本を回ってみたい
でも「家族がいるから」「子どもの教育費がかかるから」「いまじゃない」——
そういう言葉で、自分の中の声を何度も押さえつけた。
それが「大人の責任」だと思っていた。
ある日、長年のメンターと話す機会があった。
近況を話しながら、自分の夢を「まあ、もう現実的には難しいですよね」と笑い飛ばした。
そのとき、メンターがこう言った。
「君は、自分が夢を追わないことを家族のせいにするのかい?」
その言葉が、胸のど真ん中に刺さった。
「言い訳のフレーム」に、自分で入っていた
笑い飛ばすつもりが、言葉が出なかった。
「……家族のせい、にしてるのかな、自分は」
考えてみれば、そうだった。
夢を追わない理由を、家族という「大義名分」に置き換えていた。
家族を守るために諦めている、というフレームの中に、自分から入っていた。
でもそのフレームは、誰かに強制されたわけじゃない。
自分で作って、自分で入って、自分で鍵をかけていた。
メンターはさらにこう続けた。
「もし家族がいるから夢を追えないというなら、家族を作ったことを後悔するのかい? 自分は自分であり、夫であり、父だ。全部において、自分の"したい"を、自分の責任で選んでいくんじゃないのか」
心の中で、消えかけていた何かが、もう一度燃え上がった。
「正しい解決策を試していたか」という問い
働きがいが下がっている大企業のミドル層に、こういう人が多い気がしている。
課題は漠然と感じている。「なんか違う」「このままでいいのか」という感覚はある。
でも「解決策」として試しているのが、こういうことだ。
「もっと仕事で結果を出せば満足できるはず」 「いつか子育てが落ち着いたら考えよう」 「昇進すれば変わるかもしれない」
これは、問題に対して正しくない解決策を試し続けている状態だ。
「なんか違う」の正体は、結果でも地位でも時間でもなく、もっと深いところにある。
「自分が本当にどう生きたいのか」が言語化されていないまま、別の解決策でふたをしている。
自分の場合も、そうだった。
「いつかやる」「家族のせいで無理」という誤ったフレームで動けずにいた。
でもメンターの一言でフレームが壊れた瞬間、はじめて自分に正直な問いを立てられるようになった。
「働きがい」は会社が与えるものじゃない
2026年のエンゲージメント調査をいくら読んでも、そこには出てこない話がある。
働きがいの本質は、外側の環境じゃなくて、自分の内側にある「これをやりたい」という声との距離感だと思っている。
その声が小さくなるほど、どんなに良い会社に入っても、どんなに良い給料をもらっても、なんとなく満たされない感覚が続く。
「家族のため」「責任があるから」「まだその時期じゃない」
そういう言葉の下に、本音が眠っていないだろうか。
その問いを一度だけ、ちゃんと自分に向けてみてほしい。
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