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外国人と働くと日本語が面白い。中柄guyと、キトキトの梨

私の英語は、40年以上たっても怪しい

外国人と話すとき、私は英語が怪しいから、日本語で話してくれる人が好きです。
日本語を話さない人とは、必死に英語で話します。10歳になる前から通った英会話の習い事から、40年以上英語を学び、仕事でも使っているけれど、全然上達せず。

30代に必死に英語を勉強して、何回も受験したTOEICは900点。がんばって、ようやく辿り着いた点です。リーディングは、満点をとったことがあります。私のささやかな自慢です。

リスニングが苦手だから、会議も会話も聞きながら、いつも迷子。アジェンダから脱線すると、会議は迷宮入り。
スピーキングは、極力しない。会議では菩薩の微笑みを浮かべたお地蔵さんになる(←日本語でも地蔵キャラは変わらない)。
意を決して話すときには、決まったフレーズを多用して、毎回、自分の構文で話しています。常に、actually I know… と言っている。知らなくても使ってる。使う動詞は、毎回一緒。

ライティングも構文化。
AIに英訳してもらうと、英語が流麗すぎて、動詞を自分のレパートリーに直したり、聞いたことのない形容詞を調べて書き直したり。

とにかく、ずっと苦労しています。

日本語を話さない人とは、ちゃんぽん会話

はじめは英語で会話していても、相手が日本語を学んでいることを知ったら、少しずつちゃんぽんに持ち込みます。
名詞を日本語にできるだけでも、理解が簡単になります。

私と働くと、日本語が上手になるらしいです。
はじめはカタコトだった外国人が、しばらくすると、ちょっと悪い日本語が使えるまでに成長します。オノマトペも、定番から応用編まで覚えていきます。

富山県には行ったことがない外国人が、
「この店の刺身はキトキトでおいしいネ!」
なんて言ったりもします。
居酒屋で、一緒にお刺身を食べていたときに出てきたボキャブラリーです。
私が、「キトキト means fresh.」と雑に教えたので、梨園に行ったときに、
「キトキトの梨はおいしい!」
と言ったらしいです。
空気が微妙になったそう。
「変な日本語を教えましたネ?」
と、詰め寄られました。

知った言葉をアレンジすると、絶妙に変な日本語が生まれる

外国人が日本語を覚えるには、日本語のレッスンに行ったり、YouTubeを見たり、今どきはアプリでも。いろいろな方法があります。
上級者になって、知った言葉から自分なりにアレンジをすると、絶妙に変な日本語が生まれます。
それは、外国人だけではありません。
私も英語で、同じようなことをしています。

言葉が上達するということは、正しい使い方をそのまま暗記するだけではなく、自分の知っている言葉を組み合わせて、使ってみることなのかもしれません。たまに事故るけれど。

ある取引先の男性を、どう表現するか

ある日、外国人の彼が担当するクライアントと、私も会うことになりました。
マーケティング部門で働く私たち。そのときは、大阪の名門ゴルフコースで行うゴルフイベントの準備をしていました。グローバルレベルの承認が必要な案件だったので、多言語の彼が担当でした。

その取引先は、日本人の男性で、海外で働いていた経験もある方なので、英語が堪能。プレゼン資料も見積りも英語で作ってくれます。外国人の彼と仕事をしても、何の不便もありません。

請求書絡みで、“仕掛かり金”を短いタームで先払いする少しだけややこしいことがあったときに、ヘルプしてほしいと言われて、その男性と会うことになりました。
私たちのオフィスに来てくれます。

暑い日だったので、何かドリンクを準備しようと思って、外国人の彼に聞きました。
「今日は暑いから、アイスコーヒーか、アイスティーを用意しようかな。◯◯さんは、どんな人?」
相手によって変えるわけでもないので、めちゃくちゃどうでもいい質問なのですが、“なんとなく”彼に聞きました。

外「彼はオジサンですネェ。アイスコーヒーがいいんじゃない?」

私「じゃあ、キンキンのアイスコーヒーを準備する」

外「キンキンがいいネ。彼は“ちゅうがら”ですから、ふつうのグラスでいいですヨ」

え?“ちゅうがら”とは?
何を言い出したのでしょう。

“ちゅうがら”とは?

ナゾの言葉を発しています。

※以下、超訳の和訳もあります。

私:What’s “ちゅうがら”?

彼:He’s pretty average in height and weight. Around 50 years old, オジサン, so ちゅうがら.

私:Ah, you mean 中肉中背—medium build. Just a regular guy, right?

外:No, that’s why I said “ちゅうがら”! It’s right between 大柄 and 小柄.

私:We don’t really say 中柄, though. We just say “average” or “regular”, means “普通”. The proper term is 中肉中背.

外:Confused… Why don’t people say 中柄?
————
私:ちゅうがらって何?

外:彼は、身長も体重も普通サイズな男性です。50歳くらいのオジサンね。ちゅつ
がらダヨ。

私:それは“中肉中背”ね。普通な男性ってことね。

外:だから、“中柄”ですYO。大柄と小柄の間ですヨ。

私:“中柄”とは言わない。“普通”って言うかな。正しくは中肉中背だよ。

外:わけわかめ……なぜ、“中柄”とは言わない?

彼が編み出した“中柄”

中柄は、彼が編み出した言葉でした。
大柄と小柄の間だから、中柄。
意味はわかる。

でも、使わないなぁ。日本語には、中肉中背という言葉があるから。
言葉としては、まったく間違っているようには思えない。でも、日本語ネイティブは体型を「中柄」とは言わない。

中柄は、着物の柄の大きさでは使うけれど、体型には当てはめない。

なぜだろう。

大柄と小柄の間なら、中柄でいいじゃないか。
外国人の彼の疑問は、もっともです。

取引先の男性は、たしかに“中柄”だった

打ち合わせに現れた取引先の男性は、たしかに“中柄”でした。
挨拶して、名刺交換をしながら、私は笑ってしまって、震えていました。
紛れもない中柄。完璧な中柄。

中柄の彼は、「暑かったから、アイスコーヒーがありがたいです」と言って、グビグビ飲んでいました。
それ以来、その取引先は、“中柄 guy”というあだ名になりました。

言葉を学ぶと、いろんな疑問が湧き上がりますよね。
大柄と小柄の間が、なぜ“中柄”じゃないのか。
大肉大背とは言わない。真ん中だけが、中肉中背。
たしかに、変だね。

指摘されて、はじめてわかる日本語の不思議

外国人に指摘されて、はじめてわかる日本語の不思議があります。
日本人にとっては、当たり前すぎて疑問にすら思わないこと。
でも、外国人にとっては、学んだ言葉のルールから考えると、納得できないことがある。
そして、それを説明しようとすると、日本語ネイティブの私たちも困ってしまう。

ちなみに、私もいろいろと変な英語を生み出しています。
スペルミスや、なんでもedをつける過去形、言い間違い、そして記憶違いから生み出すナゾの言葉。恥の大量生産です。
私がやりとりする外国人は、英語が母国語じゃないから、多少は多めに見られているかもしれません。だいぶ変なことを言ってるだろうな。
私は“中柄”以上の名作を生んでいると思います。

言葉は、覚えるだけでは終わらない
言葉って、不思議。
言葉って、難しい。
言葉って、生きている。

正しい言葉を覚えたつもりでも、使う人の間でアレンジされて、新しい表現が生まれる。
間違いから生まれた言葉が、いつの間にか仲間内で定着することもあります。
“中柄guy”のように。

昨日のオノマトペのnoteから、こんなことを考えました。

ちなみに、I'm totally confused.的な気持ちになったら、「わけわかめ」がいいよ、フォーマルな場はダメだけど、カジュアルに使うといいよ。と、何人かに教えました。普通に「わけわかめ」を使っています。笑

オノマトペのnoteはこちら♡


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