60代のリアル|第2幕、第54話【実録・職場の波乱】嵐のあとに押し寄せる不安。告示メールに書かれていた『重大な事実』とは?
前回までのあらすじ
9月1日に入社する中途採用者2名の名刺作成を課長から指示されたものの、肝心の名前や配属先がわかる「告示メール」が一向に届かない状態に陥ります。
課長は夏季休暇に入り、組織のルールで次長へ直接確認することもできず、手も足も出ないまま退勤時間が迫っていました。
金曜日の退勤間際、ようやく届いた告示メールをもとに急いで名刺データを作成しました。
私が複合機を独占してしまっているため、同じ部署の人たちがコピー室へ向かう姿に申し訳なさを感じつつ、手差し印刷の工程を必死で進め、なんとか月曜のチェックに間に合わせるのでした。
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安堵のあとに襲いかかった衝撃
夕方の激しい混雑の中、
冷や汗をかきながら名刺の印刷を終えた8月28日(金)
なんとか月曜日のチェックに間に合わせた安堵感と、手差し印刷で複合機を長時間占有してしまった申し訳なさで、私の体力も精神も限界近くまで削られていました。
しかし、その疲れを一気に吹き飛ばすような衝撃が、あの告示メールには隠されていたのです。
名刺作成に必要な「新入社員2名の名前や配属先」を確認した際、私の目はその下にあった人事異動の通知に釘付けになりました。
そこに書かれていたのは、あまりにも思いがけない、そして理解しがたい人事でした。
仕事ができる現課長の「降格」という謎
一つ目の衝撃は、現総務課長の人事でした。
なんと、10月1日付で現課長が平社員となり、別の部署へ異動するというのです。
(えっ……課長が、平社員になって異動……!?)
思わず画面の文字を二度見しました。
そういえば以前発表された管理職試験の合格者一覧に、課長の名前がなかったことを思い出しました。もしかして最初から受けられなかったのでしょうか?
あれだけ仕事ができる人です。もし試験を受けていれば受からないはずがありません。
正直なところ、日頃の業務では課長とぶつかることも多くありました。
正論を曲げない課長に対し、現場の業務効率化を目指す私。お互いの話が噛みみ合わず、「それでは現場が回りません」と何度も意見を戦わせたのを覚えています。
それでも、他部署との難しい調整を一手に引き受け、他の管理職がやらないような非正規労働者(パートや派遣)への細やかな気配りを、多忙な中で続けていた姿も見てきました。
女性が多い職場とはいえ、女性として管理職に上り詰めるには並ならぬご苦労があったはずです。
それだけに、なぜこのような形での降格異動になってしまったのか、私の頭の中には大きなハテナ(???)が浮かぶばかりでした。
信じられない新課長の着任と、募る不安
そして、二つ目の衝撃。
それは10月1日付の人事異動の中に書かれていた、新しい総務課長の名前でした。
その名前を見た瞬間、私は自分の目を疑いました。
(どうして……? よりによって、なぜあの人が……!?)
絶対にあり得ないと思っていた、まさかの人物だったのです。
新課長になるその方は、普段から何でも人任せで、何かあれば言い訳ばかりというタイプでした。
「ねぇ〜これやってくれる?」
「これどう思う〜?」
と聞いてきては、こちらが「こうしたらどうでしょうか」と提案すると、「じゃ〜それでお願いできる?」
とそのまま投げ返してくる……
そんな日頃の姿が瞬時に頭をよぎりました。
(そんな人がトップになって、果たしてこれからの総務課はどうなってしまうんだろう?……)
仕事ができる現課長が去り、現場に丸投げで責任を取らない新課長がやってくる。 ただでさえ月末処理のピークで、システムの切り替えや不全に振り回され、介護の疲れも抱えている中でのこの発表です。
本来なら頭を抱えて深いため息をつきたいところでした。
しかし、その時の私には、今後のリスクや不安をじっくり噛みしめるだけの時間も思考の余裕も残されていませんでした。
目の前にはまだ発送待ちの支払証明書が積み上がり、週明けには名刺のチェックと月末集計テストが控えています。
巨大な波乱の予感を抱えたまま、私はただ茫然とパソコンの画面を見つめることしかできませんでした。
🌿次回予告
告示メールがもたらした衝撃と、これからの総務課に対する大きな不安。 重い気持ちを抱えたまま週末を迎えましたが、立ち止まっている暇はありませんでした。
8月30日(日)
先日、医療ソーシャルワーカーさんと電話でお話しした書類の件で、病院へ向かいます。
退院したあの日、きっと母は「お家に帰れる」と思っていたに違いありません。
それなのに別の介護医療院へと転院することになった母に、どんな顔をして会えばいいのか? 申し訳なさと切なさで、病院へ向かう足取りは重く、どうしても気が引けてしまうのでした。
次回、「医療ソーシャルワーカーさんとの約束。重い足取りで向かう8月30日(日)の病院」。
次回もどうぞお楽しみに!
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