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杣江市綺録【第081篇】市役所の陰陽師|特記観察対象照会簿:File 30

高倉 修念

— 市役所を離れた後も市内事案に呼ばれる祈祷師


基本情報

氏名:高倉 修念(たかくら・しゅうねん)

年齢:七十四歳

性別:男性

職業:祈祷師

所属:高倉祈祷所

所在:杣江市水尾町二丁目十四番六号

旧所属:杣江市市民生活部地域安全課 第三対応班

分類:民間祈祷関連人物

確認日:2019年10月3日

危険性:確認されていない


水尾町二丁目の古い通りにある、高倉祈祷所の前を道路側から撮影した記録写真。古い建物の一階部分に大きな看板が掲げられ、入口付近に七十代の男性が一人で立っている。男性は濃色の作務衣風の服装で、手には数珠を持っている。周囲には細い生活道路、電柱、古い商店の看板、住宅の外壁が写っている。祈祷中ではなく、建物前に出て周囲を確認している場面のように見える。
高倉祈祷所前で確認された、本対象。



観察概要


本対象は、かつて杣江市市民生活部地域安全課第三対応班に置かれていた祈祷師である。


当時の市職員および第三対応班関係者の一部からは、「市役所の陰陽師」と呼ばれていた。

ただし、同呼称は正式な職名ではない。


市の記録上、本対象は、第三対応班が扱う特殊事案への現地同行、現場処置、事後確認などに関与していたものと見られる。

通常の職員配置とは異なる扱いであったが、嘱託名簿、現場対応記録、事後報告書の複数箇所に本対象の氏名が確認されている。


本対象は、市役所を離職した後も、市内の異常事案に呼ばれ続けている。


離職後は、水尾町二丁目十四番六号に高倉祈祷所を置き、自治会、商店、個人宅、施設管理者、小規模賃貸住宅の管理者などから相談を受けている。

公的機関の対応後も不安が残る案件や、正式な通報には至らないが現場側が放置できないと判断した案件が、本対象へ持ち込まれる例がある。


このため本対象は、市役所側の処理経路と、地域側の相談経路の双方に関与していた人物として扱う必要がある。



照合事項


本対象が対応した主な案件として、次の記録が確認されている。


平成九年、水尾町港口から水尾町四丁目の倉庫街にかけて、夜間の行方不明および大型の四足歩行獣の目撃が相次いだ。

当該対象は、現場記録および聞き取り上、通称「でえさん」と呼ばれている。


同件は第三対応班案件へ移行し、本対象も現地対応に投入されている。

記録上、本対象は水尾町三丁目旧冷蔵倉庫裏で対象と接触し、班員二名とともに港口排水路側へ追い込む処置に参加している。

同日以降、水尾町港口周辺における同種の行方不明は停止している。


平成十八年七月十二日には、三尾台第二自治会から高倉祈祷所宛てに、三尾台第二児童公園水飲み場に関する相談が送られている。

同件では、市公園管理課による設備点検後も、児童間の噂と転倒事案に関する不安が残っていた。

本対象は現地確認後、水飲み場に貼札処置を行ったとされる。

また、霧原町の小規模商店裏口においても、本対象による処置が確認されている。

同店では、夜間に裏口を施錠しても、翌朝には内側から数センチ開いている事案が反復していた。

本対象は現地確認後、裏口の戸枠に紐と紙片を残し、搬入経路を表口側へ変更するよう店主に伝えたとされる。

以後、同店では裏口の開放は確認されていない。


これらの記録はいずれも、本対象が単なる相談相手ではなく、実際の現場対応に関与していたことを示している。


本対象が関与した事案では、対象物や現場そのものが撤去されない例が多い。

その代わり、使用方法、通行経路、接触の仕方などが変更されている。



所見


本対象は、市内の異常事案において、公的対応と民間対応の両方に関与した人物である。


第三対応班に置かれていた当時、本対象は、市の前線対応に組み込まれていた。

通常の職員とは異なる立場でありながら、現場に同行し、処置に関与し、対応後の確認にも名前を残している。


その後、市役所を離れてからも、本対象の役割は消えていない。


離職後の本対象は、市役所の職員ではない。

しかし、高倉祈祷所を通じて、自治会、商店、個人宅、施設管理者からの相談を受け続けている。


この点が本対象の特異性である。


本対象は、市の処理手順から外れた後も、市内の異常事案への関与を失っていない。

むしろ、正式な行政対応と地域側の非公式な処理との間に残り続けている。


本対象が関与した事案では、対象物や現場を単純に撤去、封鎖、廃止するのではなく、現場を残したまま扱い方を変える処置が多い。


これは、異常を完全に消すための処理というより、異常を含んだ場所を地域の日常へ戻すための処理に近い。


市役所、警察、管理会社、設備業者の対応で原因が確定しない場合でも、現場はそのまま使われ続ける。

そのとき、何を残すか、何を戻さないか、どこを通らないか、どの向きで使うかといった小さな変更が必要になる。


本対象は、その変更を現場に残す人物として機能している。


本対象は、現在も市役所には所属していない。

それでもなお、市内で異常事案が発生した際、高倉修念の名は相談先として挙がる。


本対象は、市役所の陰陽師と呼ばれていた。

その呼称は正式な職名ではない。


しかし、市内の怪異処理において、本対象が実務上の重要人物であったことは否定できない。



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