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20万円の衝撃とUnitreeの安定感—中国ヒューマノイドロボット視察2日目

「パートナーシップをどう組めるのか?開発チームはどれくらいいるのか?」

北京のNoetix Roboticsの会議室で、まだ技術的な話をする準備もできていないうちに、彼らから矢継ぎ早に質問を受けていました。

たった20万円のヒューマノイドロボットをリリースして世間の注目を集めた企業は、想像以上にビジネスに前のめりでした。

2日目は朝一で北京のNoetix Robotics、午後は飛行機で2時間強離れた杭州のUnitreeへ。ハードなスケジュールでしたが、中国のロボット業界の「今」を肌で感じられる貴重な一日になりました。

初日についてはこちら。

Noetix Robotics——20万円の衝撃の裏側

Noetix

Noetix Roboticsといえば、先日9998元(約20万円)というとんでもない価格でヒューマノイドロボット「Bumi」をリリースして世界中を騒がせた企業です。

ヒューマノイドロボットが本当に20万円で作れるのか。

そんな疑問を持ちながらオフィスに入ると、そこには現時点でメインのモデル「N2」が待っていました。Bumiより一回り大きく、ちょうどBooster Robotics K1くらいのサイズ感。

実際に触らせてもらうと、バランス感覚は確かに優れています。ちょっと押してみても、すぐにバランスを取り直して倒れません。ただ、Booster Robotics K1と比べると首が動かない(つまりカメラの視野が限られる)し、Boosterほど開発環境もオープンではない。開発者フレンドリーさでは一歩譲る印象でした。

「実際どのくらい動くんですか?」と聞いてみたところ、バッテリーの持ちは1〜2時間とのこと。立っているだけなら2時間、歩き回ると1時間程度。正直、実用化にはまだ壁があるなと感じました。

でも面白いのは、バッテリー交換がめちゃくちゃ簡単だったこと。パソコンを再起動するくらいの感覚でサクッと交換できます。「これなら運用でカバーできるかも」と思わせる工夫でした。

オフィスには二足歩行のヒューマノイドロボット以外にも、車輪で動くロボットもありました。

こっちはもう美術館の案内で使われてるそう。

スタッフの説明を聞きながら、彼らが単なる研究開発だけでなく、ちゃんと実用化も見据えていることがわかりました。

そして驚いたのが、工場見学までさせてもらえたこと。

工場に足を踏み入れると、そこには量産中のBumiがずらり。詳細は書けませんが、他にも様々な製品が製造ラインに並んでいました。

まだ創業2年と聞いていたのですが、すでに工場2つ、社員数は数百人規模、累計調達額も100億円近く。この成長スピードはマジでやばいです。

1日目に訪問したBooster Roboticsが「開発者ファースト」な企業だとしたら、Noetixは「ビジネスファースト」な印象を受けました。

考えてみれば、20万円というインパクトある価格でBumiをリリースして世間の注目を集め、その直後に大型の資金調達をアナウンスと、良くできています。技術力だけじゃなく、マーケティングとファイナンスの巧みさを感じました。

冒頭で書いたように、ミーティングは技術の話よりもビジネスの話から始まりました。たしかに、開発チームは英語ができる人がいなかったので、仕方ないと言えば仕方ないですが。

「ロサンゼルスに代理店があるので、日本でも同じようなパートナーシップを組みたい」
「インテグレーションできるエンジニアは何人いますか?」

この商魂たくましい姿勢が、彼らの急成長の秘密なのかもしれません。

Noetixの強みは、ハードウェアを爆速で作ってスケールさせる能力。一方で、開発者向けのエコシステム作りはBooster Roboticsほど優先度が高くない様子。

こういう各社のカラーの違いを肌で感じられるのは、現地訪問ならではの醍醐味です。

Unitree——量産の現実と杭州六小龍

Noetixを後にして、急いで空港へ。北京から杭州まで飛行機で2時間強、午後にUnitreeを訪問しました。

いろんなロボットが入り口に

Unitreeは、Booster RoboticsやNoetixより老舗企業です。もともと4年以上前に四足歩行ロボットから始まり、最近はヒューマノイドロボットにも力を入れています。

さらに面白いのが、Unitreeは杭州を代表するハイテク企業「杭州六小龍(Six Little Dragons)」の一角だということ。

杭州六小龍とは:
・DeepSeek(AIモデル。ChatGPTに匹敵する性能で話題)
・Unitree(四足・ヒューマノイドロボット)
・DEEP Robotics(四足・産業用ロボット、3日目に訪問)
・Game Science(ゲーム「Black Myth: Wukong」の開発会社)
・BrainCo(脳波で機械を操る技術)
・Manycore Tech(3Dデザインプラットフォーム)

杭州はアリババの本拠地として有名ですが、こんなに多くの新興テック巨人が生まれていることに驚きました。

オフィスに到着してまず驚いたのが建物。

本当に新興のユニコーン企業のオフィスなのか?と疑ってしまう感じでした。

まるで古いホテルを改築したような建物で、ミーティングルームもホテルの客室のよう。でも、この飾ってない感じが逆にベンチャー感を出していて良かったです。

ヒューマノイドロボットがオフィス入口で出迎えてくれる

さらに衝撃的だったのが、階段の状態。

階段が欠けている

スタッフが笑いながら説明してくれました。四足歩行ロボットに重い荷物を載せて、何度も何度も階段の登り降りをテストしたら、ぼろぼろになったそう。

しかも、上の階からはドンドンという音が絶えず響いてきます。これもロボットのテスト。最高ですね。

先日もUnitree G1を触ったのですが、改めて良くできているなと感じました。

G1

Booster、Noetixと見てきた後だからこそ余計に感じますが、G1の動きは明らかに滑らかで自然。と1年間量産してきた実績があるからこそ、価格に対して高いクオリティを実現できているんですね。

G1は発注してから届くまで2~3週間です。BoosterやNoetixはまだ量産前なので数ヶ月待ちが当たり前ですが、Unitreeはすでに製品として完成している。この差は大きいです。

さらに重要なのが、G1を使ったケーススタディの豊富さ。

YouTubeでもたくさん動画が上がってますが、中国の動画プラットフォーム(bilibiliなど)ではもっと情報があります。

他社のロボットと比べて実際の使用事例が格段に多いのも、先行者の強みですね。

一点気になったのが、開発者コミュニティの有無。

Discordで開発者コミュニティはまだないようです。BoosterやDEEP Robotics(3日目に訪問)はDiscordでコミュニティを作っているので、ここはUnitreeが遅れている点かもしれません。

でも、現地で直接話を聞けたからこそ得られた情報もたくさんありました。

特に印象的だったのが、バッテリー問題への現実的なアプローチと、実際に企業が取り組んでいるユースケースの話です。

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東南アジアで起業して5年半ほど奮闘しましたが、2024年末に撤退して2025年からは日本を拠点に次の…

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