データベーススペシャリスト試験 令和8年度受験ガイド|科目B-2は論述ではない — 100点満点60点で積み上げる区分
データベーススペシャリスト試験(DB)について、令和8年度から変わった点を先に確認します。
情報処理推進機構(IPA)の試験要綱 Ver.5.6(2026年7月6日掲載)により、科目の名称が変わりました。
午前Ⅰ → 科目A-1(50分・30問)
午前Ⅱ → 科目A-2(40分・25問)
午後Ⅰ → 科目B-1(90分)
午後Ⅱ → 科目B-2(120分)
「午後Ⅱ」という語は、公式には存在しません。
そしてCBT方式になり、科目A群と科目B群が別日実施になりました。
そのうえで、DB受験者にとって最も重要な事実を1つ。
DBの科目B-2は、論述式ではありません。
要綱には、論述式について「評価ランクで評価することから,配点割合はない」と書かれ、60点の基準点は科目A-1・A-2・B-1のみとされています。
しかし、NW・DBの科目B-2は例外で、100点満点60点です。
配点があり、部分点があり、60点という明確な目標がある。
論述区分(ST・SA・PM・ES・SM・AU)のように「評価ランクA以外はすべて不合格」ではありません。積み上げが効きます。
この記事は、令和8年度のデータベーススペシャリスト試験を、新しい科目構成と「60点を積み上げる科目B-2」という前提から設計します。
この記事の対象者と、得られるもの
対象は、データベーススペシャリスト試験(DB)を受ける人、または受けるか検討している人です。
令和8年度後期(申込 2027年1月27日から2月27日)を受ける
旧制度(午前・午後)の情報しか持っていない
科目B-2を「論文」だと思って準備していた
概念データモデルや正規化で時間を失う
読み終えたあとにできること。
新しい科目構成と、それぞれの基準を正確に把握できる
多段階選抜から、勉強の順序を決められる
科目B-2を「取る設問を選ぶ試験」として攻略できる
令和8年度後期の日程から逆算した計画を立てられる
不要な人:すでにDBに合格している人。
2026年8月23日に確認した公式の前提
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の公表内容(令和8年度の申込受付期間及び試験実施期間の案内、公開日2026年7月6日/最終更新2026年7月30日、および試験要綱 Ver.5.6)で確認しました。
令和8年度の日程
データベーススペシャリストは後期試験です。
後期試験(プロジェクトマネージャ(PM)、データベーススペシャリスト(DB)、エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)、システム監査技術者(AU))
- 申込:2027年1月27日(水)から2月27日(土)
科目A-1・科目A-2:2027年2月20日(土)から3月2日(火)
科目B-1・科目B-2:2027年3月16日(火)から3月28日(日)
前期試験(ITストラテジスト(ST)、システムアーキテクト(SA)、ネットワークスペシャリスト(NW)、ITサービスマネージャ(SM))
- 申込 2026年10月6日(火)から10月24日(土)/科目A-1・A-2 2026年10月17日から10月27日/科目B-1・B-2 2026年11月11日から11月23日
データベーススペシャリストは後期のみです。前期にはありません。
参考:応用情報技術者試験(AP)後期
- 申込 2027年1月27日(水)から2月16日(火)/科目A 2027年2月6日から2月19日/科目B 2027年3月3日から3月15日
後期は、応用情報が2月16日まで、高度試験・支援士が2月27日までです。締切が違います。
参考:情報処理安全確保支援士(SC)は前期・後期の両方で実施されます(後期:申込 2027年1月27日から2月27日/科目A-1・A-2 2027年2月20日から3月2日/科目B(B-1/B-2に分かれない)3月16日から3月28日)。
科目の名称と時間(試験要綱 Ver.5.6)
科目A-1(旧午前Ⅰ):50分・30問
科目A-2(旧午前Ⅱ):40分・25問
科目B-1(旧午後Ⅰ):90分
科目B-2(旧午後Ⅱ):120分
出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)、出題数、試験時間に変更はありません
実施方式
前期・後期とも CBT方式。画面に表示される問題を読み、キーボードとマウスを用いて解答する
身体の不自由等でCBT方式で受験できない人にはペーパー方式(特別措置試験)。CBT方式と特別措置試験の同時申込みはできません
科目A群と科目B群は別日実施
科目B-1終了後、科目B-2開始まで最長10分の休憩
成績と発表
科目A試験・科目A-1試験・科目A-2試験の得点は、試験終了後に試験端末に表示される(マイページでも確認可)
科目B試験・科目B-1試験・科目B-2試験の得点・評価ランクは、試験端末には表示されない
マイページでの成績照会開始:前期は2027年1月頃、後期は2027年5月頃の予定
合格発表:前期は2027年2月頃、後期は2027年6月頃の予定
受験手数料 7,500円(情報処理技術者試験は消費税込み)
申込方法はインターネット申込み
基準点と多段階選抜(DBで最も重要)
60点の基準点は科目A-1・A-2・B-1
論述式(ST・SA・PM・ES・SM・AUの科目B-2)には配点割合がない
NW・DBの科目B-2は100点満点60点で、論述区分とは異なります
多段階選抜
- 科目A-1・A-2が基準点未満なら、科目B-1・B-2を採点せず不合格
科目B-1が基準点未満なら、科目B-2を採点せず不合格
免除
免除は科目A-1のみ
条件は、①応用情報技術者試験に合格 ②いずれかの高度試験または支援士試験に合格 ③いずれかの高度試験または支援士試験の科目A-1(令和7年度までは午前Ⅰ)で基準点以上、のいずれかでその後2年間
科目A-2(旧午前Ⅱ)の免除制度は存在しません
CBTでの字数カウント方法・下書き機能の有無は、公表されていません。
IPAのトップページには「試験の見直しについて 2027年度から新試験制度に移行予定」と掲示されています。
無料部で1つだけ渡します:「論述ではない」ことが対策をどう変えるか
DBの科目B-2が100点満点60点であることから、3つの帰結が出ます。
帰結1:全設問に答える必要がない
論述区分は、評価ランクAでなければすべて不合格です。そして評価の視点の筆頭が「要求した項目の充足度」なので、全設問に答えることが最優先になります。
DBは違います。
60点に届けばよい。40点分は落としてよい。
これは答案戦略を根本から変えます。
DBの科目B-2は、1つの長文の中に多数の設問が置かれます。(出題数・選択方式は問題により異なります。当日の指示に従ってください。)
そして設問ごとに難易度が大きく違います。
概念データモデルの空欄補充:問題文の業務記述から素直に読み取れる
関係スキーマの属性追加:同上
正規化・関数従属性の判定:知識と読解
SQLの空欄補充:知識と読解
性能・容量の計算:時間を食う
設計変更の影響を記述:部分点狙い
「計算に25分かけて1問取る」より「読み取りの設問を確実に6問取る」ほうが効率がよい。
60点に届けばよいので、「どこを取るか」を選べます。
帰結2:題材の準備が不要
論述区分は、自分の実務経験を題材にして書きます。題材の準備、章立ての設計、数値の暗記——これらに何十時間もかかります。
DBの科目B-2には、それがありません。
与えられた業務記述とデータモデルを読み、設問に答える形式です。
準備すべきは題材ではなく、読解力と設計の型です。
「論文の書き方」を勉強していたなら、その時間は不要です。
帰結3:科目B-1の対策が、そのまま科目B-2に効く
DBは科目B-1・B-2ともに記述系です。
科目B-1(90分):複数問から選択。1問あたりの分量は科目B-2より小さい
科目B-2(120分):より長文で、業務全体のデータモデルを扱う
扱う能力は同じです。
業務記述を読む → エンティティと関連を特定する → 正規化する → SQLで表現する → 性能・運用を考える。
論述区分のように「記述の対策」と「論述の対策」を分ける必要がありません。
練習の配分:科目B-1の過去問(旧午後Ⅰ)を先に数をこなし、慣れてから科目B-2(旧午後Ⅱ)の長文に移る。短い問題で型を作ってから長文に挑むほうが効率がよい。
そして、勉強の順序
多段階選抜の関門の順序が、そのまま優先順位です。
科目A-1(免除の確認)→ 科目A-2 → 科目B-1 → 科目B-2
科目B-1で落ちれば、科目B-2は採点されません。
そして科目A-2には免除がありません。
応用情報に合格していても、他の高度試験に合格していても、科目A-2(旧午前Ⅱ)は毎回受けます。免除は科目A-1のみです。
「応用情報に受かったから午前は全部免除」——これは誤りです。
DBの科目A-2は、データベースの専門知識を25問・40分で問います。応用情報のデータベース分野より明らかに深い。別の勉強が要ります。
科目別の対策、DB固有の頻出テーマ、概念データモデルの読み方、SQLと性能設計、CBTへの備え、後期までの逆算計画は、この先にあります。
ここから先(有料部)に入っているもの
無料部はここまでです。この先は、令和8年度後期に向けた設計に絞りました。
科目A-1の対策と、免除を確認する手順
科目A-2(25問・40分)の出題領域と優先順位
科目B-1(90分)の解き方(問題選択、設問の型と文末)
科目B-2(120分)の攻略(100点満点60点として「取る設問を選ぶ」)
概念データモデルと関係スキーマ(読み方と書き方の型)
正規化と関数従属性(判定の手順)
SQLの頻出(結合、集約、副問合せ、ウィンドウ関数)
トランザクションと同時実行制御(分離レベルと運用影響)
性能・容量設計(インデックス、ページ、見積り計算)
CBTへの備え(図が書けない環境、記述をキーボードで)
令和8年度後期の逆算計画
読み終えたあとにできること:科目B-2を「60点を積み上げる試験」として攻略する設計を持つこと。
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全体像がつかめたら、次は本番で手が動く状態にする番です。同じ区分で、設問を見た瞬間に答案の形を選ぶための道具が以下です。
データベーススペシャリスト 科目B-1 正規化と関数従属性 記述の型12選 90分の解き順
向く人:科目B-2を論述だと誤解していた人、時間配分で崩れる人。
向かない人:すでにDBに合格している人。
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