【海外研修アドベンチャー8】電車で逮捕されかけた話 ドタバタの移動編 社会人3年目、ひとりオーストリア記 第8話
もっとスマートに移動したい。

こんにちは、情報翻訳家の須川元介です。
10数年前、
オーストリアへ研修に行った話を
記事にしています。
シリーズものですが
単体でも楽しめるように工夫しています。
気になったら、ぜひ読んでみてください。
前回の記事はこちら
はじめから読みたい方はこちら
あらすじ
10数年前、社会人3年目だった私は
ラッキーなことにオーストリアへ3か月間
研修にいけることになりました。パンの修行です。
今日は、研修中の移動について、
大体ドタバタしているお話です。
最初から読んでくれている方も、
この話から初めて読んだ方も、
この研修の概要をお伝えすると、
この研修では、3か所の工場を、
1か月ずつ回るというプランでした。
はじめ、案内役で来てくれたエベさん。
1か月一緒の予定が
急遽、3日で帰ってしまいました。

残された私は、弾丸で、
全移動のプランや、
工場までの道のり、
入る際の手順などを叩き込まれました。
残されたのは、記憶と、
荒々しい文字で書かれたエベさんの手書きメモ。
果たしてこの状況の中、
方向音痴な私は、
無事移動することができたのか。
否!
当たり前にドタバタでした。
第一の移動から順にお話しします。
閉じないカバン。冷たい目線。
1か所目は、
お家の一室に住んでいました。
ペンションみたいなイメージです。

洗濯機はないので、
お風呂場で手洗い。
洗濯板と洗濯石鹸を持参しました。
それだけちょっと大変でしたが、
近くにスーパーなどもあり、
とても過ごしやすい環境でした。
移動の当日は、
午後から新しい人が入るから、
10時までにお部屋を出てねと
オーナーさんには言われていました。
私が荷物を詰め始めたのは9時。
1時間もあれば終わるよね。
なんて、甘すぎる考えでした。
スーツケースがまったく閉じない。
陶器が有名な街だったので、
お土産を買ったのもあり、
荷物が全然入りきりません。
苦労しながら、
全体重をかけて
力技でどうにか閉めました。
忘れ物チェックをしているときに、
引き出しの中の荷物が
まだ入ってないことに気づきます。
すでにリュックもパンパンです。
(マジか。もう一回か……)
と思って、
荷物を整理しながら再チャレンジ。
気づけば時間は10時5分。
オーナーさんが来て、
「いつ出られそう?」
と、冷ややかな目で聞いてきます。
「もう少し、もう少しだけ待って。これがどうしても閉じないんだ」
「ああ、OK。気をつけてね」
と、落胆した表情で去っていきました。

1か月お世話になったので、
明るく、気持ちよく、
お別れしたかったんですが、
うまくはいかず。
バタバタのお別れでした。
電車の時間もギリギリで、
大きな荷物を持って走りながら、
去りました。
駅の乗り換えは、
書いたメモどおりにできたので、
バタバタはその出発時だけで済んだのが
幸いです。
よかったよかった。
陶器はスーツケースの中で
キレイに割れていました。
買えない切符
2箇所目の拠点は田舎町。
最寄り駅は無人駅。
住まいは旅館のような場所です。
隣のレストランも一緒に経営されている
とても優しい家族が、オーナーさんでした。
アンナさんという方が、
いつも朝食を準備してくれました。
英語が得意でないアンナさんとは、
つたないドイツ語で話していましたが、
とても良くしてくださりました。
私のオーストリアの母です。
掃除も洗濯もお願いできて、
快適な生活でした。
そして、来たる移動の日。
不安がありました。
無人駅なので、切符を
電車の中にある券売機で
買わないといけない。
初めての経験です。
オーストリアやドイツは、
電車の無賃乗車が多く、
取り締まりがかなり厳しいです。
時々、私服の駅員が見回り、
そこで見つかると
逮捕や罰金が普通に発生します。
そんな前知識もあり、
不安を抱えていました。
いざ電車に乗り込み、
券売機でチケットを買おうとすると……
お金を入れても、
目的地のボタンが押せません。
なんと、お釣り切れ。
マジかよ。
持っていた紙幣が使えません。
持ち合わせの小銭では
目的地までの金額に足りず。
クレジットカードも使えない。
なんてことだ……
罰金や逮捕の危機に怯えながらも
どうすることもできず。
次の電車で買うしかない、と。
一度も座らず、
乗り換え駅に着いてしまいました。

次の電車に乗り換えて、
券売機を探します。
その車内に、券売機はありませんでした。
絶望で席に座っていると、
図ったかのようなタイミングで、
駅員さんが回ってきました。
(終わった……)
(研修に行って逮捕された人は
きっと初だろうな。)
なんて考えていました。
でも、事情を話せばきっとわかってくれる。
淡い期待で交渉に出ます。
「チケットを出してください」
「実はチケットがないんです。でも、お金はあります。電車内の券売機でユーロが使えなくて、クレジットカードも使えませんでした。〇〇から乗って、〇〇に行きたい。お金はあります。どうにかチケットを買いたいんです。お金はあるんです。」
お金はある。
悪気はない。
ということを必死にアピールします。
それでも駅員さんには、
「チケットがないならダメだ。罰金を払ってもらう」
と言われました。
逮捕じゃないだけいいか……
とは引き下がらず、
謝ったらおしまいだ。と思っていました。
めげずに交渉を続けます。
券売機のおつりが無いせいだ。
お金はある。
悪気はない。
と、交渉を続けるうちに、
「OK。今回はいいが、次からは罰金を払ってもらうから気を付けて」
と納得してもらいました。

よかったーーーー。
その場でチケット料金を払い、
どうにか逮捕を免れました。
ホントによかったーーーー。
駅員の表情を見るに、
ギリギリのところでした。
後にも先にも、
お金はあるというアピールを
あれほど必死にした経験は無かったです。
私はスカワ、日本人。
必死の思いで、たどり着いたウィーン。
ここでの宿泊地はホテルだったので、
快適に過ごせました。
しかし、工場での研修初日。
入場のためにチャイムを鳴らして、
「研修に来たスカワです。日本から来ました」
と、伝えても、
どうやら話が通っていない。
それどころか、
不審者扱いを受けてしまいます。
担当者の名前も控えてなかったため、
受付も工場の方も、ハテナ状態。
「ちょっと待ってて。」
と、外で待たされてしまいます。

初日ですが、
正直もう帰りたくなりました。
30分ほど待っていると、
ようやく研修の事情を知る方が
出てきてくれました。
事情を話して、
ようやく中に入れます。
「だいぶ前の話だから、忘れてたよ。」
と、言われました。
メモは社会人の基本!
そんなマイナスな気持ちから始まった
マール社での研修。
ここで私は、
最速の仕事人
ボーヤンと出会います。
一人が優秀でも
会社全員が優秀とは限りませんね。
今回の教訓。
小銭は大事。
交渉は本気で。
荷物はほどほどに。

次回、
「レポートが終わらない話」
最終日もドタバタです。まだ最終回ではないです。
今後の予定はこんな感じです。
・感動のお別れ編
シリーズの終わりも見えてきました。
いつも読んでいただきありがとうございます。
その後は、アメリカ編かフランス編か。
ある程度書く内容が固まったら、
また始動します。
マガジンはこちら。
更新は2週間後の予定です。
ぜひ、また読んでくださいね。
この物語はノンフィクションですが、一部、人物名・地名・団体名などを改変しています。
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それではまた!

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