【海外研修アドベンチャー】 言葉の壁を越えた時 出会いと別れの最終回 社会人3年目、ひとりオーストリア記 第10話
旅は終わっても、関係は終わらない。

こんにちは、情報翻訳家の須川元介です。
10数年前、
オーストリアへ研修に行った話を
記事にしています。
シリーズもの最終回なので、
今回に限り、以前のお話も読んだ方が
より楽しめます。
前回の記事はこちら
はじめから読みたい方はこちら
あらすじ
10数年前、社会人3年目だった私は
ラッキーなことにオーストリアへ3か月間
研修にいけることになりました。パンの修行です。
今日は最終回、3か月のオーストリアで
お世話になった方とのお別れです。
前回、最後に残ったレポートをギリギリやっつけて
無事、帰国した話を書きました。
時系列は少し戻りますが、
最終回として、
今回はオーストリアで出会った方との
別れをお話していきます。
日本人一人で、私はオーストリアに渡りました。
3か月という期間で、孤独を感じることもありました。
特に、ご飯を食べる時間や、旅行に行った時。
どんなに景色がきれいでも、
どんなに料理が美味しくても、
共有する相手がいないのは、少し寂しかったですね。
この海外研修アドベンチャーを書いたのは、
あの時、体験した話を
誰かと共有したかったからかもしれない。
最終回になり、そんな風に感じました。
もちろんずっと寂しかったわけでは無く、
研修で出会った工場の方、
宿のオーナーさん、
すごく優しい方ばかりで、
大切な繋がりが出来ました。
だからこそ、別れはやっぱり悲しくなります。
涙無しでは語れない、
印象的なエピソードを紹介します。
最後に、この研修で私は何を感じたのか、
振り返った気持ちもまとめています。
それでは最終回、
ぜひお楽しみください。
エベさんとの別れ
エベさん、おそらくこのシリーズでも
人気のキャラクターかなと思っています。

たまに怒ってる
口癖はクレイジー。
誕生日は、なんと私と一緒。
ちょうど45歳年上です。
ということは今、80歳。
元気でしょうか、エベさん。
エベさんは日本起業に勤めるオーストリア人。
複数の会社の顧問をしています。
当初、1ヶ月オーストリアで一緒に
滞在してくれる予定でした。
でも、急遽日本での仕事ができて、
3日で帰国しました。
3日間で間に合わせるように、
怒涛の引き継ぎを受けたんですが、
その時は正直、頭に全然入らなかったです。
結局、移動の時に工場に入れなかったり
少し大変なこともありました。
でも、振り返ってみると、
優しい人だったなと感じています。
これは、後から聞いた話なんですが、
今までの研修に参加した中で、一番良かったよ
みたいなことを
話してくれていたみたいです。
私が、ある程度英語を喋れたことが良かったのかな。
他の何がエベさんに刺さったのかは分かりませんが、
そんな風に思っていてくれて、
素直に嬉しかったです。
エベさんは、息子さんがオーストリアに住んでいます。
一度、観光地に行くとき、
息子さんに連絡をして
車を出してもらうこともありました。
息子さんも日本で暮らしたことがあり、
日本の大学にも通っていたそうです。
エベさんの家系自体が、
日本に好意的で、縁がある。
そもそも、エベさんが会社の顧問だったおかげで、
オーストリアと繋がることができました。
ご縁に感謝です。
だけど……
3日だけはしんどかったぜ、エベさん。
ビルツ社での別れ
研修1社目のビルツ社でのお別れ。
一番お世話になったのはレオです。

毎日、車で工場まで送ってくれました。
毎回、研修に来た人の
お世話担当をしてくれていたようです。
まだ若いけど、工場のリーダー的ポジションでした。
冗談も言うし、
調子がいい所も、
女性好きなところもありますが、
日本文化にすごく興味があって、
日本語を教えてくれ、教えてくれと
何度も聞かれました。
私の名前はレオです。あなたは?
とか
あなたは美しい目をしている。
とか。
日本語でなんて言うんだ?教えてくれ!
と聞かれて、答えている時間は楽しかったです。
最後に、レオには手書きで
日本語の文字と、
発音の仕方を英語で書いたノートを渡しました。
すごく喜んでくれました。
1年後、別の方が研修に行った際、
一度オーストリアから電話がかかってきて、
レオと話しました。
「あの時のノートをまだ持ってるよ。」
「あなたは美しい目をしている。」
「またオーストリアに来なよ。」
なんて言ってました。
すごく、嬉しかったです。
渡した時は、そんな大切にしてくれるなんて
思わなかったので、
プレゼントして良かったなって心から思いました。
本当に感謝、感謝です。
工場長リッキーとの別れ
最終回にして新キャラです。
工場長にリッキーという方がいました。

オーストリアの人は年輩の方だと、
英語が喋れずにドイツ語だけっていう方が多く、
リッキーもドイツ語しか喋れませんでした。
リッキーはとにかく明るくて、
ビルツ社はリッキーの明るさで
成り立ってるなと感じました。
パンの専門資格、マイスターを持っていて、
腕も確かです。
技術と陽気な性格で、
工場を盛り上げている印象でした。
ドイツ語しかわからないので、
リッキーとのやりとりは基本ジェスチャー。
たまに、レオに通訳してもらっていました。
日本には忍者がいっぱいいるんだろう?
と、聞かれて。
昔はたくさんいたけど、今はばれないよう隠れてる。
私も忍者の血を引き継いでるよ。
みたいに話したら、笑ってました。
リッキーは、最後別れの時に
スカワ最高だったよ!ブラボー!
って言ってくれました。
そんなリッキーの笑顔とちょっとの涙を見ながら、
ドイツ語がもっと上手かったら
リッキーともっと自然に話せたのにな。
なんて後悔も出て、私も涙が出てきました。
本当にいい場所で働けました。
またオーストリアに行けたら、
ビルツ社でパンを買いたいです。
私が好きだったのはバゲット。
バゲットを買って、サンドイッチにして食べるのが好きでした。
「またバゲットを買うのか」ってレオ達はよく笑っていました。
別に特別な味ではないんですが、
またあのバゲットを食べに行きたいです。
宿のオーナー、マリアさん
2社目ハウス社での研修時
お世話になった宿のオーナー、
マリアさんです。

マリアさんは私の中で、
オーストリアの母でした。
滞在中は洗濯、掃除、料理を全部やってくださりました。
一つ目の滞在先では、洗濯板で手洗いだったので、
洗濯だけでもとても助かりました。
朝食は宿で、
夕食は、同じく家族経営しているレストランで食べていました。
このレストランは
私が世界で一番好きなレストランです。

寂しくなると、店主さんや猫がよく寄ってきてくれました。
料理もとても美味しかったです。
マリアさんは、そこまでご年配というわけでは無かったんですが、基本はドイツ語のみでした。
英語は少しだけで、
流暢なコミュニケーションは難しいという風でした。
それでも、毎日一緒に過ごしているうちに、
今日はこんな仕事をしたんだ。
週末はここに旅行に行こうと思っている。
みたいな話ができるようになりました。
マリアさんは、
いいね、楽しんできて。
でも、気を付けてね。
と、いつも明るく応えてくれました。
朝ごはんの希望も細かく聞いてくれて、
アプリコットのジャムとハムとチーズでサンドイッチにする。
みたいな希望通りに、毎日準備してくれました。
センメルというオーストリアの代表的なパンと
牛乳やジュースも美味しかったです。

食後は紅茶ももらってました。
なんか困ったことはない?
と、ゆっくりな英語やジェスチャーで
何度も聞いてくれて、本当にあたたかい方でした。
最後、お別れの時は、
つたないドイツ語とゆっくりの英語で、
精一杯の感謝を伝えました。
マリアさんのおかげで、毎日、楽しく過ごせた。
いつも美味しい食事や洗濯をありがとう。
もっとドイツ語が喋れたら良かった。
この宿と、レストランは本当に最高だった。
またきっと来る。
マリアさんも、
もっと私が英語を喋れればよかったと言って、
途中で泣き出してしまいました。
私も、気が付けば涙が溢れていました。
言語の壁って確かに大きいです。
でも、一緒に生活をしていれば、
その壁も取り払って、
信頼関係が作れるんだなって感じました。
私は英語がそこそこ喋れます。
だから海外にも臆せず行けます。
でも、たとえ英語が喋れなかったとしても、
海外の人に、一生懸命伝えたいという気持ちがあれば、
心を通わせることができます。
日本と海外という差はあっても、同じ人間。
特に、日本人は自分の気持ちを伝えるのが苦手だといわれています。
でも、伝えたい感情や気持ちを隠さずに、
勇気をもってコミュニケーションを取ってほしい。
旅行のときなんかは、
景色や料理を楽しむだけでは味わえない、
深い思い出がきっと残るはず。
人との繋がりってすごく温かいです。
私は、そんな風に思っています。
言語の壁なんて、本当はないのかもしれません。
3ヶ月の海外研修で感じたこと
この3ヶ月の海外研修で、
海外で一人で生活することの大変さを学び、
精神的にも鍛えられました。
パンの技術だけではなく、
いろんな力が身につきました。
一番、身に染みて感じたのは、
違う国であっても、
共通の言葉や文化がなくても
信頼を築くことができる。
今、言葉や文章を中心に仕事している私にとって、
言葉はとても大切です。
それでも、もっと大切なものがあるんだって
考えるきっかけになった、素敵な研修でした。
正直、めちゃくちゃ恵まれた環境だったと思います。
日本に籍を置きながらも、
海外での生活や仕事を体験できた最高の3か月でした。
今、この場を借りて感謝を送ります。
ありがとうございます。
おわりに
書きながら思い出していたら、
またオーストリアに行きたくなりました。
ぜひ旅行の行き先に、
オーストリアを検討してみてください。
ウィーンだけではなくて、
田舎の町、自然豊かな場所もおすすめです。
もし行く機会があれば何でも聞いてください。
最後まで
海外研修アドベンチャー、オーストリア編を
見守っていただき、
私と一緒に旅をしてくださり
ありがとうございました。
おまけ
クイズです。
この記事を書いている時に、
起きたエピソードはどれでしょう?
1 思い出したら泣けてきて音声入力が止まった。
2 レオに10年ぶりに連絡を取った。元気で良かった。
3 Google Mapで最高のレストランを見つけて、嬉しくなった。
正解は一つとは限りません。
答えはコメント欄に書いておきます。
このシリーズのマガジンはこちら。
第0話から、約5か月間
長きにわたり楽しんでいただきありがとうございます。
この話は、いつかまとめてKindleにするつもりです。
この物語はノンフィクションですが、一部、人物名・地名・団体名などを改変しています。
9/1~9/15文藝大賞もよろしくお願いします
HPはこちら

ありがとうございます!
メルマガもやっています
noteのこと
文章のこと
起業、副業のこと
ゆるく、けど深く配信しています。
文章添削、個別相談も受け付けています。
ご興味あればぜひ!

メルマガの詳細はこの記事で
他の記事も気になった方はこちらへ
それではまた!

#わたしの旅行記 #スキしてみて #海外生活 #海外旅行 #海外研修 #旅行記 #エッセイ #人生 #日常 #言葉 #感謝 #気づき #振り返り #人間関係 #コミュニケーション #経験 #学び #オーストリア #言語の壁 #異文化交流 #海外経験 #出会いと別れ #情報翻訳家
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターの活動費に使わせていただきます!