雨の夜のカルテ/3つの声
8月17日から、《雨の夜のカルテ / 三つの声》を公開します
南 そら
ある雨の夜に交差した三人が、23年後に、もう一度出会うまでの話を書きました。
被害を受けた女性。隣にいた青年。診察室で待っていた医師。同じ一夜のことを、三人が、それぞれの声で語ります。
8月17日(月)の朝7時から、全4回で公開します。全話、無料です。
はじめに、お伝えしておきたいこと
本作はフィクションです。 登場する人物、地名、施設名、時期、経歴は、すべて架空のものです。特定の個人や事件を書いたものではありません。
そのうえで——性暴力と、その後の医療対応の描写を含みます。
この予告を3日前に出しているのは、何も知らないまま第1回を開いてしまう方がいないようにするためです。読むかどうかを、先に決められるようにしておきたいと思いました。
読まない、という選択も、まったく正しい選択です。
もし今、あなた自身がつらい状況にある場合は、こちらへ。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター: #8891
よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・通話料無料)
チャットで相談:性暴力に関するSNS相談「Cure Time」 https://curetime.jp/ (毎日17時〜21時)
冒頭を、載せておきます
海の見える喫茶店の窓辺で、三人の人間が、コーヒーを前に座っている。
ひとりは、60歳になった元産婦人科医。白髪が、窓から差し込む光のなかで、やわらかく光っている。ひとりは、40代の女性。鞄の口から、支援研修修了のバッジをつけた小さなエナメルのキーホルダーが、覗いている。ひとりは、同じ年頃の男性。足元に置いた鞄から、丸めた図面の先が、覗いている。
三人は、まだ、口を開かない。開かないまま、それぞれの手が、コーヒーカップの縁を、静かに撫でている。窓の外は、晴れていた。夏の海が、光っていた。
――でも、この物語は、雨から、はじまる。
*
彼女が、来なかった。
二十歳の初夏、あの夜。俺と美咲は、いつものコンビニの前で待ち合わせをしていた。22時15分。雨は、強くなっていた。22時30分。俺は、コンビニの軒下で、自分のスマホを何度も見た。22時45分。胸の奥で、なにか、冷たいものが動いた。
続きは、8月17日に。
公開スケジュール
| 回 | 公開日時 | タイトル |
| 第1回 | 8月13日(木)21時 | その夜、彼は思いとどまった|
| 第2回 | 8月17日(月)21時 | 雨の中を走る |
| 第3回 | 8月20日(木)21時 | 診察室のドアが開くまで |
| 第4回 | 8月24日(月)21時 | 半年近く |
| 第5回 | 8月27日(木)21時 |雨のあとに続いた時間 |
| 第6回 | 8月31日(月)21時 | 三本の線が、また交わる|
| 第7回 | 9月3日(木)21時 | 海の見える喫茶店へ|
1回あたり3,000字ほど、5分から7分で読めます。11日間で完結します。
途中から読みはじめても大丈夫なように、各回の冒頭に前回までの短い要約をつけます。一気に読みたい方は、8月31日の全文版までお待ちください。
読んでくださって、ありがとうございます。
よければ、フォローして、月曜の朝を待っていてください。
南 そら
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