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お風呂はめちゃ危険ゾーン| 老後の暮らしを整える

母のいとこがお風呂で亡くなった。

ヒートショックだったという。母がおれおれ詐欺に遭う半年ほど前に、おれおれ詐欺に遭ったいとこだ。母と同年代ということもあり、まったく他人事とは思えない。

親が暮らす家のお風呂は、タイルばりの昭和仕様。そう広いわけではないお風呂場に、かつては洗濯機が置かれ(父の猛烈な反対を押し切って、私が移動を強行した)、お風呂場の入口には洗面台もどき?のような鏡つきの棚が掛けられていた(これも父の反対を押し切り、強制撤去した)。

壁にはカビがでやすく(結露がしやすい、ということだ)、父は頻繁に業者を呼び、壁の塗り替えをしていた。
冬になると、断熱のないお風呂場のタイルはきんきんに冷える。どう考えても、高齢の親たちの健康にとっていい環境とはいえない。

私は、何年も前から、ユニットバスに入れ替えるよう、父にいい続けてきた。ヒートショックについても、ていねいに、なんども説明を繰り返した。父は、頑なに抵抗を続けた。

その間、家の窓をすべて取り替えるという、割と大掛かりなリフォームをした。

コロナ禍を機に、父と母は、かつて祖父母が住んでいた小さな平屋に、生活の拠点を移した。築40年を超える古い家だったが、なぜか鉄筋コンクリート製で、作りもしっかりとして、古びれた感じもない。

しかしながら、窓はすべて古いシングル窓で、断熱性が低い。網戸もなかった。父としては、断熱性云々よりも、網戸がないことを不便と感じたようだ。

断熱性の高い窓への交換は補助金もでる、ということで、リフォームの話はとんとん拍子に決まった。

窓よりも先にやるべきことがあるのでは?という、私の気持ちは、ひとまず棚上げだ。

業者さんとのやりとりは、私がすべて引き受けることになった。

お風呂にも大きな窓があり、お風呂場自体の見直しの話になった。業者さんも、窓の交換よりも、ユニットバスに替えることを勧める。

私が数年がかりで説得しても、父が納得しないことを伝え、業者さんから も父を説得してもらうよう、お願いした。

やはりダメだった。

いったんユニットバスは諦めるしかない。とはいえ、ヒートショック対策は必要と、リフォームのどさくさに紛れて、浴室暖房機をつけることにした。

きちんと断熱のされたユニットバス(浴室暖房機がついていたら、なお安心)と、断熱のされていない冷たいタイルのお風呂を浴室暖房で暖めるのとでは、だいぶ違うのだけれど、やむをえない。父とのやりとりは、常に、妥協、妥協、妥協の連続だ。

ユニットバスにすれば、毎日の掃除だって、だんぜん楽になるのに。
父に対する、この残念な気持ち。どこにも持って行き場のない、むなしい気持ち。

ちなみに、お風呂場で亡くなる人は、年間1万9000人。交通事故で亡くなる人の 3倍以上、という。

ヒートショックの恐ろしさについては、実感するのが難しいとは思う。が、死ぬことはなくても、血管や心臓へのダメージはある。なんなら、(特に冬は)毎日お風呂に入るたびに、血管や心臓がダメージをくらう、ということだ。血管がもろくなってくる高齢者は、なおさら気をつけなければならない。

やがて、母はデイサービスでお風呂に入れてもらうようになった。母も、最初こそは抵抗があったようだけれど、だんだん慣れていった。

そして、先日、ケアマネージャーさんから、父も介護認定をとりましょう、というお話があった。父もデイサービスに行けるようなら、お風呂もデイサービスにお願いしましょう、というアドバイスに、ようやくお風呂の心配から解放される!と思った。

日々の疲れを癒す、気持ちのいいお風呂タイムが、年齢を重ねるにしたがって、本人の想像を超える危険をはらむようになるのだ。


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