押入れとは魔窟である | 自力でがんばる実家じまい
これから実家の片づけを始めようとしているひとに、伝えておきたいことがある。
押入れとは、ただただぶちこまれる不用品たちがうずまく魔窟だ。
くれぐれも油断せず、押入れ周辺のものを徹底的に片付けてから着手することを、全力でおすすめしたい。
床の間の本、書類を片づけ終え、私は、地獄の後の小休止のつもりで、床の間隣の押入れを、次のターゲットに定めた。
祖父母の家に転居する前、父と母はリビングにふとんを敷いて寝ていた。押入れの中は、父と母が使っていた寝具と、座布団、タオルなどが入っている押入れ収納、そんな感じだろう。
ゴミ袋に入るものは地域のゴミ回収所に出して、残りはクリーンセンターに持っていけばいい。私は、呑気に、作業プランをたてた。
まず、寝具を出し始めて、???となった。父と母、2人の寝具としては多い気がする。毛布やタオルケット、シーツなどが、無数にでてくる。意味がわからない。
なぜか息があがってきてしまい、とりあえず、自分の居場所を確保するために、押入れからでてきた、毛布やタオルケット、シーツをゴミ袋に詰める。詰めても、詰めても、部屋中、毛布とタオルケット、シーツだらけだ。
ふとんはクリーンセンターに持っていくよう、車に積む。あっという間にステップワゴンの後部が満杯になってしまう。
座布団も、何枚でてきただろう。親たちは、この小さな家で、いったいなにをするつもりだったのだろう。
引き出し式の押入れ収納も、タオル以外のものも、大量に詰め込まれていた。ぼろっぼろのタオルや、どう考えても着古してどうにもならない服などが大量に入って(詰めこまれて)おり、なんで捨てない?どうするつもりだったん?と頭に血がのぼる。そして、また息があがってくる。
空にした押入れ収納を引きずりだす。これは次回の粗大ゴミにだそう。
その押入れ収納の奥にも、再び座布団か?なにかが詰まっている。まじか。
この後も、書類、よくわからない小物たち、トイレットペーパーやボックスティッシュの買い置き、もう使っていないこたつの天板と、なぜここに?という謎のものが、大量にでてきた。押入れの中のものがあまりに多すぎて、6畳のリビングに全出しすることさえできない。
押入れの奥行きが、絶望的に深過ぎる。そして、真ん中が棚になっていることで、大量のものを積み上げることを可能にしてしまう。
収納として、アウトだろ。
ひとり毒づいても、不用品の山は微動だにしない。
昔ながらの押入れのある家を、もし、リフォームする機会があったら、真ん中の棚をはずして、床には、お部屋の床と同じフローリングを敷き、押入れ内には、お部屋と同じ壁紙を貼ることをおすすめしたい。それだけで、部屋が一畳分広くなる。
そこにハンガーパイプを置くなり、収納ケースを置くなり、目隠しが必要なら、カーテンかブラインドを、必要な場所に取り付ければいい。
もしおふとん生活をしているなら、おふとんを乗せられるような収納ケースをおいて、その上におふとんをしまう、というのが便利だ(以前、自宅にお客さん用のふとんを用意していたとき、この手法で管理していた)。
押入れを、押入れのまま使うのは、危険すぎる。魔窟にしないなんて、不可能だ。
死ぬ思いで、リビングの押入れを空にした。最後、押入れの床にボロボロに砕けたダンボールが散らばっていて、掃除機では吸えないし、触るのも怖いし(埃で手がぼろぼろになるので、作業中はビニール手袋をしていたが、それでも怖かった)、いったいどんな罰ゲームだよ、と泣けてきた。
押入れは、2階の部屋に、あと2つ残っている。もう、絶望しかない。
そして、押入れの上には、天袋という、魔窟を越える地獄が控えていた。
