141記事目 観察|転院から最期まで。――③9月2日―通夜。
前回の続きです⇩
■午前2時■
寝ていた妻がムクリと起きて。
「まだ、イラついてるの?なんで?」
まだ、妻は燻ぶっているらしい。
いや、あなたもその中のひとつ・・・
というか中心で・・・
そんなことを言えるわけもなく(笑)
イロイロだよ。
コレだけ返して。
受け取った妻は、再び寝ました。
■午前9時■
なんだかんだと、6時には起きて。
双子の服を用意したり。
泊まらないとは言いつつも。
一応、泊まってもいい準備をして。
双子を起こして、ご飯を食べさせて。
いつもより2時間遅れの日常。
さて、自宅を出発です。
■午前10時30分■
父が安置されている実家へ。
まずは、父に手を合わせる。
まず、Aさんを膝に乗せて、手を取って。
父の額に優しく触って。
「つめたいね」
なかなか「死」に直接触れる機会は訪れない。
次にBさんを膝に乗せて、手を取って。
父の額に優しく触って。
「つめたいね」
父に感謝である。
■午後2時■
葬儀屋さんが、通夜会場へと父を移動する。
誰もいない家に、
さっきまでBさんがあそんでいたプーさんが、ソファの上に座っていた。
父の定位置。
さて、私も移動しよう。
カシャン。
■午後3時■
通夜会場で、父を湯灌(ゆかん) をする。
父の右足。
糖尿病や血栓で、壊死が開始していた。
血の気が引いて。
本当に変色していたのが、親指と足の裏の一部だけだった。
少し、ホッとした。
五体満足。
生まれたときによく使う言葉だ。
死ぬときも、五体満足。
父の場合は77年使うことができた。
多くの人がそのまま使うことができるのかもしれない。
それでも、
少し安堵したのは事実だ。
■午後4時■
母の妹のヨッちゃんが到着した。
ヨッちゃんには話すことがある。
父の遺骨と、母の死後のハナシだ。
この機会を逃すと、また、話題を出すのに、コストが掛かる。
ヨッちゃん、母が父の遺骨をどうしたいと言ったと思う?
「そうそう。どうするの?お姉ちゃん。」
母は言う。
「神社のウラに散骨しようとしたら、ぱんだに止められた」
ヨッちゃん、絶句(笑)
「バレなきゃいいけど・・・。犯罪だよ・・」
そうでしょ(笑)?
だから、父の遺骨は母が死ぬまで家に置いておくよ。
で、母が死んだら、一緒に海洋散骨にする。
もう、ヨッちゃんしかいないからさ。
伝えておきたくてね。
「わかった。いいんじゃない、それで。私も、ダンナの墓には入りたくないもの(笑)。娘にもそう話しているしー。」
ヨッちゃんは、頭がキレる。
でも、そういう風には見せない。
娘さんも優秀である(笑)。
まあ、2歳が最後に会ったときだけど。
■午後5時■
お坊さんの読経が始まる。
AさんBさん、意外とおとなしい(笑)。
チョロチョロしてはいるけど。
その後、Bさんの調子が少し悪いなあと。
参列者に挨拶をして、会場をあとにしました。
■午後10時■
双子は遊んでいて、妻は就寝。
いつもの日常。
私はやはり、少し燻ぶっていた。
