Vol.8:【V2H】って元は取れる?仕組みや費用対効果・メリットデメリットを解説/「住の教科書」緑no+e 環境対策編 第一章:太陽光発電・蓄電池・V2Hって必要?
緑no+eはSDGs・環境・健康について考える
「住の教科書」
今後の記事の予定や構成は下記をご確認ください。
ピーン・ポーン・パーン・ポーン♪
今回の記事は、単独でも読める記事だとは思いますが、以前のVol.6を読んでからの方がより理解しやすくなると思います。もし、まだお読みでない場合は先にVol.6からお読みください。
ついに!!
一番よくわからない
わかりづらい
V2Hの紹介です
住宅営業マンにとってもかなりややこしいというか、電気自動車のこともわかってないといけないし、設置のタイミングや時期によって損得もかなり変わっちゃうんですよね。
詳しく見ていきましょう。
■V2Hとは?
簡単な説明と名前の由来
V2Hの正式名称は「Vehicle to Home」(ビークル トゥ ホーム)の略称で、日本語訳すると「車から住宅へ」という言葉を意味します。
実際のV2Hの説明としては
「車から住宅へ」+「住宅から車へ」電気のやり取りを行える機器のことを指します。
住宅から電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHEV)内部にある蓄電池に、外部の専用コンセントから電気を送り充電することは簡単に可能ですが、その逆でV2Hを設置するとEVやPHEVから住宅にも電気を送ることができるようになっているんです。
最近では燃料電池自動車(FCV)にも対応するようになりました。
EVやPHEVが蓄電池の代わりをするってことですね。
ちなみに私は、to が 2になっているのは
「Vehicle to Home」(ビークル トゥ ホーム)
「Home to Vehicle 」(ホーム トゥ ビークル)
って、相互に電気のやり取りを行えるから「V to H」ではなく
「V2H」って表記にしているんじゃないかなって勝手に言ってます。
また、V2Hだけでなく
V2B「Vehicle-to-Building」(ビークル トゥ ビルディング)
V2L「Vehicle to Load」(ビークル トゥ ロード)
ビルや道端でも車から電気を供給できるシステムの総称として
V2Xと呼ばれるようになってきています。
参入企業が少ない発展途上中の設備
元々V2Hを販売開始したのはnichicon(ニチコン)さん
まだまだ歴史は短く、12年前の2012年に初めて販売開始しており、参入している企業も少ないのが現状です。
参入したけどすぐにやめちゃった企業も出てきてますね。
最近参入したのは
オムロンさん
Panasonicさん
長州産業さん
蓄電池や太陽光発電に強いメーカーさんが参入してきてます。
だんだんとグレードアップしてきているシステムで、この記事の情報がすぐに古くなってしまう可能性が高いです。
その都度更新するようにしますね。
■V2Hの仕組み・特徴
仕組みと本体は?
今までの記事でVol.6を読んでくださっている方だったら、この一言でピンってくるかもしれません。
車に使われているバッテリーは直流(DC)なんです。
V2Hは
①車の直流電力を取り出し、交流(AC)電力に変換して住宅の分電盤に電気を流す
②自宅の交流電力を変換して直流電力に変換し、車のバッテリーに電気を貯める
この①②の動作を大きなV2H本体のみで行うか?
①の電力の入出力だけ本体で行い、②の電力の変換(直流⇔交流)部分を
「パワーコンディショナー」で行うか?
2通りのパターンが現在販売されています。
V2Hの部品としては
①本体
②ケーブル
③コネクト
→車と接続させる部品
主にこの3つが部品の構成要素です
機器のイメージはコチラ

コチラはケーブルと本体が一体のタイプ

こちらはケーブルと操作する部分、電気を変換する本体を別々にしているセパレートタイプ
充電専用商品だとかなり小型なんですが、V2Hとなると最低でもパワーコンディショナーと同じぐらいかそれ以上のサイズの本体が付くようになっています。
太陽光発電のことや、蓄電池のことを勉強した方だったらもうご理解されているかもしれません。
V2Hでまず初めに押さえるべきポイントは
・定格出力と自立運転出力
・特定負荷と全負荷
まずはこの2つですね。
定格出力は平常使用時に、どれだけの出力の電力が供給されるのか?
自立運転出力は平常使用時ではなく、停電時の出力の強さ。
特定負荷は限られた回路数のみ電力の供給が可能で、全負荷は住宅全ての電力を賄うことができる(200Vにも対応)。
・定格出力と自立運転出力
・特定負荷と全負荷
こちらの詳しい説明は
太陽光発電についてVol.6
蓄電池についてVol.7
こちらを参考にご覧ください。
それ以外にV2Hだけにある特徴は・・・?
V2Hの魅力とは?車の電池容量が大きい!!
V2Hと蓄電池の違いとして電池容量(バッテリー)の大きさが挙げられます。
Vol.7で解説しましたが、蓄電池のバッテリー容量は消防法で制限がかけられており、実際に販売されている蓄電池を見ても15kWh~16kWhぐらいまでしかありません。
EV車に関してだけ言うと、最低バッテリーの容量でも20kWhの容量があり、大きいものだと100kWhを超える車種もあります。
この容量が大きいものがある!!というのが、蓄電池にはない安心感なんじゃないか?と思っています。
蓄電池はせいぜい1日分ぐらいの容量しかありません。
ですが、容量が大きいEV車であれば雨の日が続いても安心!!
停電してしまった時も安心!!
3日、4日分ぐらい生活可能な容量が魅力なのです。
しかし、使い方には注意が必要です。
使い方を間違えると、電気代の節約!!
災害時にも安心!!CO2削減!!
どれもできないなんてことがありえるかもしれません。
停電時の利用に関して
V2Hの目的の一つとして、停電時の利用が考えられます。
しかし、万が一停電発生した際の利用方法ですが機種によって
①手動でV2Hの利用を設定する必要があるか?
②自動で勝手にV2Hの利用を可能にするか?
この2つのパターンに分かれています。
今のところ最新の機種は自動で切り替わってくれるものになってきていますが、購入前にキチンと確認するようにしましょう。
■V2Hの使い方の注意点
通勤車両は危険!!
V2Hを利用するなら、EVやPHEVを同時に購入しないと意味がないですが、その車両をメインに通勤車両として利用すると少し意味がなくなってしまいます。
それはそうですよね。
夜間の電力をまかなってもらえるのがV2Hの目的の一つなので、夜間に家に帰ってきた段階でEVなどのバッテリー残量が少ないと利用できないですし。
こんな使い方ならおすすめ
太陽光発電でEVなどを充電できる状態を維持できるならおすすめです。
日々の生活で車を使って朝方から昼間にかけてお買い物を住ませたり、車が2台持ちで自宅にほぼ車が置きっぱなしなのであればV2Hは非常にオススメです。
■V2Hの購入前の注意点
V2Hの相場について
購入前には必ず相場を知っておきましょう!!
V2Hの購入には
「本体費用」
「工事費用」
この2つの費用が必要になります。
相場として
【本体費用】
・特定負荷:30万円~50万円
・全負荷:70万円~130万円
【工事費用】
・30万円~50万円
正直、設置業者がまだまだ少ないので値段がばらけてしまっています。
ですが、ここからさらに補助金がもらえます!!
補助金について
V2Hにはかなりの額の補助金がでます!!
しかし、毎年この時期頃から補助金の情報が出回り
3月~5月頃にかけて補助金の申請が開始!!
→1カ月以内に補助金がなくなる!!
なんてことが多発しています。
V2Hの補助金だけで100万円程度もらえる可能性があります。
(※個人の場合)
(※法人設置の場合はもっとでる)
また、EV車にも補助金がでるので同時購入が非常におすすめです。
現在のところ補助金については2024年3月末~開始予定になっています。
詳しくはエコ発電本舗さんがまとめてくださっているので、参考にしてみてください。
今年購入を考えているなら、今から導入の検討を進めた方が良いですよ!
本体の故障する箇所と寿命について
V2Hで故障する可能性があるのは
・本体
・充電用ケーブル
・充電用コネクト
こちらの3つともです。
さらに
・EV車
こちらも故障しますよね。
太陽光発電や蓄電池ではパワーコンディショナーの故障が考えられましたが、V2Hの場合パワコンが設置されないケースがあります。
その場合パワコンの代わりとなっているのが「本体」です。
この本体が故障する可能性があるんですね。
充電用のケーブルやコネクトですが、皆さんがお使いのスマホの充電ケーブルとかって断線していたり調子が悪くなったりしますよね?
それと同じで、V2Hのケーブルや差込口も故障する可能性が大いにあります。
それでは、寿命ってどうなんでしょうか?
本体に掛けられている機器保障は5年~15年
充電用のケーブルや充電用コネクトは5年~10年
というのが今のところの一般的です。
本体の寿命としてはパワコンと同じぐらいの
15年~20年程度と考えられます。
部品の交換で対応可能であれば問題ありませんが、基本的には買い替えになると思われます。
というのも、これから10年20年もすれば蓄電池もV2H市場もかなり様変わりしている可能性が非常に高いからです。
値段としては、補助金がなくなり値段が安くなる可能性があると思っています。
太陽光発電がそうなんですよね。
昔はかなり高かった太陽光発電ですが、ここ最近かなり値段が下がっているのでV2Hも同じようなことが起きるのではないか?と考えています。
EV・PHEVなどの寿命について
ここでは、EVに使われているリチウムイオンバッテリーについて考えてみましょう
リチウムイオンバッテリーの寿命は・・・?
日産のリーフ40kWhという商品を基準に考えてみると
リチウムイオンバッテリーの保証は「8年間または走行距離160,000km」
一般航続可能距離が322km~400で保証走行距離が16万kmなら
サイクル数で考えた場合の保証は400回~500回って計算ですね。
あれ?なんでこんなに少ないの?って思われるかもしれませんが、それはリチウムイオンバッテリーの種類の違いです。
現在EVのメインバッテリーは「鉛蓄電池」や「三元鉄蓄電池」が主流なんです。
なので、多く使えても800回ぐらいのサイクル数になってしまいます。
また、発火の原因になっていたりすることもあるので非常に注意が必要です。
正直、現在EVでオススメなメーカーは「BYD」
理由はバッテリーがリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで安価だからです。
いやいや、中国産はちょっと・・・と思われるかもしれませんが
EV販売台数でみるとテスラ抜いてますからね、世界で注目されているEVメーカーの一つです。
ちなみに、日本でもこれからリン酸鉄系のEVが開発されてきています。
なので、今は中古のリーフとかを購入してリン酸鉄系EVが国産で販売・普及されたら買い替えでも良いんじゃないかな?と考えています。
■V2H導入に関してのLCCについて
正直いうと生活スタイルや車の購入の考え方によるので難しいんですよね。
EV分の投資回収を考えなければ、太陽光発電がたくさん搭載されていると10年~12年ぐらいでV2H分の投資回収は可能かなと思います。
V2H導入するから車を買い替える?って考えるのと、
車を買い替えるならEVにして、ついでにV2Hを設置しようって考えるのでは全く考え方が違います。
V2H分の投資回収は10年~12年ぐらいで可能だよっていうことだけ簡単に説明しておきますね
V2H分の費用は投資回収可能?
新築住宅購入時に設置すると、V2Hのみの補助金はもらえないので
現金購入で補助金もらって購入した場合を考えます。
前提条件はこんな感じで
■LCCシミュレーション条件■
●基本条件
オール電化
4人家族
太陽光発電は7kWh以上(年間消費電力を遥かに上回るとして)
そこそこ省エネ住宅(年間消費電力を6000kWh/年とする)
太陽光発電利用中の消費電力量は2160kWh/年を平均とすると
→太陽光発電利用外の消費電力量が3840kWh/年となる
→太陽光発電利用外の月間平均電力消費量は320kWh/月
→太陽光発電利用外の日別平均電力消費量は10.52kWh/日
(※ちなみに、冬場の電力消費量が月間600kWh/月ぐらい)
V2Hの性能は?
・初期購入費用:85万円(補助金利用込)
・全負荷型
・定格出力:5.9kWh
EVは?
・EVは中古車リーフで考えて
バッテリー容量は24kWh
・電気料金単価(※今回は朝昼夜全て同一価格にします)
1年~10年→30円/年(10年間支払い合計金額=180万円)
として
【ざっくりV2Hどれだけ得?】
初期投資が85万円
これを回収すると考えると?
①太陽光発電利用外の消費電力量が3840kWh/年
②太陽光発電利用外の日別平均電力消費量は10.52kWh/日
③リーフのバッテリー容量が24kWh
④電気料金単価が30円/kWh
この4つで大体計算可能です
①②と③を考えると、消費電力量よりもバッテリー容量の方が多いということがわかります。
天気や車の利用方法によって計算は変わりますが、バッテリーがフル充電の場合は2日は持つ計算ですね。
なので、V2H導入で光熱費0円が実現できたとすると①×②で
3840×30=11.52万円/年の節電効果
10年間で115.2万円!!
ただし、利用方法によって100%電気を購入しないというのは考えにくいので80%軽減できたとしておきましょう。(厳しく考えるだけ)
3840×0.8×30=92,160円/年
10年間で92.16万円!!
ということで、車の買い替えだったりを考えなければ、V2Hって厳しく見積もっても10年そこらで投資回収ができてしまうんです。
〇まとめ
V2HやV2Xはこれからの時代注目され始めている設備です。
カーボンニュートラル達成に向けて、住宅だけでなく学校やビルなどの設置も私個人としては推奨したい技術だなと思っています。
V2Xを利用するにあたってはEVの進化も必要になってきます。
BYDだけでなく、日本の自動車業界が寿命が長く安全性が高いEVなどの開発(リン酸鉄リチウムイオン!!全個体電池!!)ができれば、よりV2Xが世の中に広まるんじゃないか、それもかなりのスピードで普及するのではと予想しています。
投資回収の面で見ても損することはあまりないので、EVやPHEV、FCVを購入されるのであれば導入を検討してみてください。
以上です。
参考になりましたか?
次回は
【緑no+e 環境対策編 第一章:太陽光発電・蓄電池・V2Hって必要?】
Vol.9:太陽光発電・蓄電池・V2Hの設置で安心とこれからの未来を手に入れる
に続きます!
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
今後も皆様のお役に立てる記事を投稿していきますので、
スキ・コメント・フォローなどいただけると励みになります!
「X」や「Instagram」、「Facebook」も始めてますので、そちらも一緒に
宜しくお願い致しますm(__)m
