36協定のモニター機能はあったが、違反を予防する機能はなかった【通算130|要求AI 47】
通算127で、目標をこう仮置きした。残業時間を管理し、36協定の上限の超過を未然に防ぐ。
36協定は、残業の上限を会社と従業員代表で決めて、労働基準監督署に届け出る協定になる。超えたら法律違反なので、勤怠管理はここを見るためにある。
その36協定を、freee人事労務のどこで管理するのかを探した。最初は、見つからなかった。
先に結論を書く。36協定の設定も、モニター機能も、あった。無かったのは、違反を予防する機能になる。超えたかどうかは、翌月に分かる。
(1)|まず、設定画面を一通り開いた
最初に、設定を順に開いた。
勤務・賃金設定 … 割増率だけ。協定の項目は無い
勤怠基本設定 … 「当月の時間外予測を表示する」がある
勤怠アラート … 「36協定違反チェック」が2本。月45時間超と、月100時間以上。この画面にはチェックボックスだけで、数値を入れる欄は見当たらなかった
人事レポート … 残業分析。実績の集計だけ
設定の一覧 … 「36協定」という名前の項目は見当たらなかった
APIも試した。残業の設定を読むパスは存在するが、403が返る。
法律が決めている36協定の上限は、6つある。
月45時間 原則の上限
年360時間 原則の上限
月100時間未満 特別条項のとき。休日労働を含む
年720時間 特別条項のとき
複数月平均80時間 2〜6ヶ月の平均。休日労働を含む
年6回まで 月45時間を超えてよい回数
この時点の作業記録には、こう書いた。freee人事労務にあるのは「協定」ではなく「超えそうかどうかのチェック」だけで、しかも勤怠アラートの2本。上限6つのうち、月45時間と月100時間の2つしか見ていない。対象期間も限度時間も特別条項も、入れる場所が無い。
そして、その先を「アドオンで作る要求」として書き出した。年360時間と年720時間の追跡、複数月平均80時間、特別条項の年6回、協定そのものの管理。
(2)|勤怠モニターの中にあった
そのあと、勤怠モニターの画面を開いたら、右上に「36協定設定」というボタンがあった。フィルタにも「36協定アラート」がある。

押すと、こうなる。

起算月と、5つの項目×2段階。全部の数字が編集できる。
要注意 警告
時間外労働(当月) 30時間〜 45時間〜
時間外労働(年間) 480時間〜 720時間〜
時間外+休日(当月) 70時間〜 100時間〜
時間外+休日(平均) 60時間〜 80時間〜
時間外労働の超過回数 4回〜 7回〜
警告の既定値は、法定の上限そのものになっている。月45時間、年720時間、休日込みで月100時間、複数月平均80時間、特別条項の年6回(7回目で警告)。要注意は、その手前に置いてある。
作業記録で「見ていない」と書いた4つ——年360時間、年720時間、複数月平均80時間、年6回——は、全部ここにあった。
(3)|freee人事労務にある機能と、ない機能
freeeさんのAIチャットにも聞いた。回答はこうだった。
36協定設定では、時間外労働の上限時間を設定し、基準を超えた場合にアラート表示させることができます。ただし、36協定届の作成・申請機能には対応していないため、届出はfreee外で行う必要があります。
ある機能とない機能は、この回答のとおりになる。
ある機能。上限時間と起算月の設定。超えそうなときのアラート(要注意と警告の2段階)。
ない機能。協定届そのもの。作成も、申請も、労働者代表も、届出日も。「届出はfreee外で」と、はっきり書いてある。
そして、36協定設定はAPIに対応していない。画面から手で入れる。前回、所属や役職の割り当て——部署と従業員を結びつける設定——が画面でしか入らなかったと書いた。それと同じで、会社ごとに一度決めれば済む設定は、APIに対応しておらず、画面からしか入れられない。
(4)|「設定」メニューに無くても、その機能が無いとは限らない
見つからなかった理由は、はっきりしている。
freee人事労務の「設定」メニューに並んでいるのは、勤務・賃金や締め日のような、給与計算のための項目になる。36協定設定はそこには無く、「勤怠 ▸ 勤怠モニター」という日々の画面の右上にある。
私は「設定なら、設定メニューにあるはずだ」と思い込んで、そこだけを開いて「無い」と書いた。分かりにくいのではなく、探した場所が1つだけだった。
パッケージに機能があるかどうかを確かめるとき、メニューを1つ開いただけでは分からない。確かめる方法は、ほかにもあった。
ヘルプセンターで「36協定」を検索する
AIチャットに「36協定の設定方法」と聞く
どちらも1分で済む。最初の私は、どちらもやらずに「無い」と書いた。
(5)|分かったこと——モニター機能は、翌月に人事が見るもの
勤怠モニターは支払月の単位で組まれている。月末で締めて、翌月25日に払う。その締めた数字を、翌月に人事の担当者が見る画面になっている。8月の残業が45時間を超えていたかどうかは、9月に分かる。
当月の予測を出す項目もあるが、部門の部長や課長が毎日開く作りではない。
超えたあとで分かる仕組みであって、超える前に止める仕組みではない。
予防するには、上限に近づいたらその月のうちにアラートが出ることが要る。条件は2つになる。
毎日、前日の勤怠が必ず入っていること。入っていなければ、近づいているかどうかが分からない
アラートが当月中に出ること。翌月に分かっても、予防にはならない
freeeのモニター機能は、この2つのどちらも前提にしていない。
協定届そのものもfreeeには無いが、それは無くて構わない。労働基準監督署に出す文書であって、人事給与システムにある必要はない。
だから、アドオンで作るものは、こう変わった。
最初 協定そのものの管理/年間・平均・回数の追跡/残り時間の可視化
いま 上限に近づいたら、その月のうちに役職者へ知らせる
追跡の機能はfreeeにあった。協定届は要らない。予防機能だけが、アドオンになる。
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