リハビリ芸術劇場 第一幕 ーイントロダクションー
おはようございます、理学療法士福島です。
全国のリハビリ関連職種の皆さん、日々のリハビリ、楽しめていますか?
私は、理学療法士として約20年のキャリアを積んできました。まずは簡単に自己紹介をさせてください。
⭐️キャリアとバックグラウンド⭐️
-理学療法士の経歴-
・都内の整形外科病院のリハビリテーション科に勤務
・青年海外協力隊の理学療法士隊員として、パプアニューギニアに派遣
・NPO法人「Green Gravity Ground」を理学療法士の同級生と設立
・横浜の訪問看護リハビリステーションに勤務
細かい生い立ちは、こちらから。
気がつけば、20年。今もリハビリという仕事が大好きで、日々を楽しんでいます。
私はリハビリと同じくらい写真を撮ることも好きで、帰国後はアート関連の人たちとの交流も増え、写真家やカメラマンとして活動したり、アートチームの一員として活動したりといった、少しユニークな経歴もあります。(アートと写真の話はこちらから⬇️)
✨「リハビリ芸術劇場」という発想の原点
なぜ、こんなにリハビリを好きでいられるのか。そのきっかけは、パプアニューギニアから帰国後、横浜のアートスペースで働いていた時に体験した、演劇ユニット「Port B」主宰の**高山明さんの作品《横浜コミューン》**でした。
この作品は、寿町の人々とインドシナ難民の方々が対話している様子を、観客がラジオで“盗聴”するというライブ・インスタレーションです。これを見た時、私は衝撃を受けました。
「生きていることを見せるだけで作品になるんだ。」
同時に、リハビリの現場で私たちが目にする光景も、見方を変えれば演劇作品、アート作品、ライブパフォーマンスになるのではないか、と閃いたのです。これが「リハビリ芸術劇場」の発想の源泉です。
🎬 フィールドを「劇場」に変える視点
自分を単なる理学療法士としてではなく、**現場の「演出家」「舞台監督」**としてリハビリをするイメージです。
動作・姿勢指導 → 演技指導
環境設定 → 舞台設定
そして私たちは、その特別な**「人間ドラマ」を特等席で観覧できる観客**にもなれるのです。
例えば、訪問リハビリでの一コマ。
以前、パーキンソン病の利用者さんのご自宅を訪問した際、SPO2(酸素飽和度)が69%という緊急事態に遭遇しました。食べてはダメだと言われたのに、食べてしまった大好物の小倉トーストのあんこ(豆)が気管に詰まる、緊迫した状況。
必死の喀痰吸引と排痰対応。医師への連絡。最終的には救急搬送に。
まさに、アメリカの医療ドラマ「ER」さながらの**「劇場」**です。
🌟 プレイヤーとしての「自分」と「充実感」
私たちは、ただの観客ではありません。**プレイヤー(役者)**でもあります。
現場の仕切り役:舞台監督
排痰の指導:演出家
喀痰吸引の実施:役者(理学療法士としての役割を演じる)
生死がかかる場面ではもちろん必死です。責任も重い。でも、冷静になった時、気づくんです。
「これ、めちゃくちゃすごい経験をしてるぞ!」
映画やドラマを安全な場所で見るだけとは比較にならない、リアルで、責任を伴う、濃密な人間ドラマです。この究極の経験を、私たちは無料で、むしろ対価をもらって体験できる。これって、すごくないですか?
💡 リハビリ芸術劇場的視点のススメ
この「発見」を同業者に話しても、「何言ってるの?」といった冷たい反応や、不謹慎的な空気が流れることが多かったです。
でも、それでいい。**自分が楽しかったらいい。**誰かに迷惑をかけるわけでもありません。
この「リハビリ芸術劇場的視点」を導入してから数年。仕事の楽しさが無限に広がる感覚です。
私たちは日々、異なる「人間ドラマ」を目の当たりにしています。同じ疾患でも、性別、年齢、個性、生活環境、周囲の人間関係によって、そのドラマは全く違う。現場を「病院」や「訪問先のご自宅」ではなく**「劇場」**と捉えると、毎日が刺激的で、飽きることがありません。
これは、誰のためでもなく、自分のための「視点の整理」です。
リハビリを楽しめている20代〜40代の皆さん、この視点、どうでしょうか?
これから、私の体験や「リハビリ芸術劇場的視点」を、少しずつ共有していきたいと思います。この連載を通じて、理学療法士としての私のスタイルを知ってもらえたら嬉しいです。
理学療法士福島でした。
