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犯人は誰だ。3分タイマーと怪しすぎる4歳息子の謎

我が家には、時折奇妙な現象が起きる。

過去には、私が脳のキャパシティをバグらせ、冷凍庫に戻すべき冷凍からあげが何故か、キッチンの流しの引き出しにあって、妻を大爆笑させた「冷凍からあげ事件」が発生。

我が家ではこれを「初代・都市伝説」と呼んで処理しているのだが、先日、記念すべき「2つ目の都市伝説」が誕生してしまった。

事の始まりは、ある日の夕飯時のことだった。

帰宅して夕飯を食べ終えた私は、少し席を外してトイレへ向かった。 用を足してリビングに戻ると、デスクの上からピピピピ、と小さな電子音が聞こえる。ソファーにいた闘病中の妻が、不思議そうな顔で言った。

「ねえ、パパのスマートウォッチ、さっきからずっと鳴ってるよ?」

(ん? スマートウォッチが鳴る?)

私は普段、家に帰ってくるとすぐにスマートウォッチを外して、充電器の上かデスクの上に置くのが習慣になっている。 スマホの通知か何かだろうかと思い、確認してみるものの、スマホには何の通知も届いていない。

「Bluetoothが一瞬切れちゃって、その警告音かなぁ……」

そう首を傾げながら、今も健気に鳴り続けているスマートウォッチの画面を覗き込んでみると、そこには驚くべき画面が表示されていた。

【タイマー:3分終了】

画面の中で、3分間のカウントダウンが見事にゼロを迎え、アラームがひっそりと鳴り響いていたのだ。

もちろん、私にはタイマーをかけた記憶なんて1ミリもない。 「あれ? 気づかないうちに、どこかでボタンを押しちゃったのかなぁ……」 私が不思議そうにつぶやいた、その瞬間だった。

リビングの端から、ものすごい勢いで「シュバッ!」とすっ飛んできた影があった。 我が家の4歳息子である。

息子は、まだ誰も何も言っていないのに、私の前に立つなり両手をブンブンと振ってこう叫んだ。

「僕じゃないよ!!! 僕じゃないからね!!!」

……いや、怪しすぎる。 誰も君のことは疑っていないし、名前すら呼んでいない。 それなのに、自らフルスピードで名乗りを上げていく、最速の自爆系容疑者。必死に「僕じゃないよ!」を連呼する息子の姿を見て、私と妻は「じゃあ、パパが気づかないうちに押しちゃったんだね。不思議だね〜」と、ひとまずその場を「2つ目の都市伝説」として処理することにした。

しかし、である。私はふと冷静になって気づいてしまった。

スマートウォッチに表示されていたのは「3分タイマー」。 つまり、アラームが鳴るちょうど3分前に誰かが押したことになる。

……いや、私は家に帰ってきてから、すでに3分以上とっくに経過している。しかも、帰宅後すぐにスマートウォッチを腕から外してデスクに置いた。

ということは、私がトイレに入っているまさにその瞬間、デスクの時計に近づいてボタンを押せた人物は……。

(……完全に犯人、息子くんじゃねえか!!!)

脳内で全てのパズルがピタッとハマった。 「僕、絶対に触ってないからね!」というあの必死のディフェンスは、完全に「やってしまいました」の裏返しだったのだ。

息子の顔を見ると、相変わらず「僕は何も知りませ〜ん」というような、とぼけた顔をしてミニカーで遊んでいる。 ここで「お前が犯人だな!」と問い詰めるのは野暮というものだ。何より、妻がその「都市伝説」を巡る息子の怪しい挙動を楽しそうに笑っていたのだから、この事件は迷宮入り(という名の確信犯)のままでいい。

こうして、我が家のリビングには今日も、触っていないはずの時計が勝手に3分を刻むという、愛おしい「都市伝説」がまたひとつ、静かに刻まれることとなった。

息子よ、次からいたずらする時は、あんなに「僕じゃない!」って連呼しない方がいいよ。黙っていればパパも気づかなかったのに、自分から思いっきり墓穴を掘っちゃうところが、まだまだ可愛い4歳児なんだから。

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