名前を知らない道具を、4歳児は「自分の言葉」で代用する。
子どもの頭の中というのは、大人の想像をはるかに超える独自の理論で動いている。 時々、そのユニークな思考回路に触れるたび、私は笑いを堪えるのに親の必死さを試される。
ある日のこと。4歳の息子が、お気に入りのボールを両手に持ったまま、部屋の中をキョロキョロと見回していた。何やら真剣な表情で、何かを探している。
実は息子、パパである私に声をかけてくるまでの間、自分の部屋から持ってきたおもちゃの定規をボールに何度もあてがい、一人で何やらじっと格闘していたそうだ。 リビングのソファにいた闘病中の妻は、「息子くん、ボールを持って何してるんだろう?」と、その不思議な奮闘劇を見守っていたらしい(後から妻に聞いて知った)。
けれど、どうにも上手くいかないようで、ついに諦めた息子が新たな助っ人を求めて私のところにやってきたのだ。
「パパ、たいじゅうけい、どこ?」
「え? 体重計? お風呂場にあるよ」
そう答えると、なぜか息子は不満そうな顔をして「ちがう、ちがうの!」とゴネ始めた。お風呂場の体重計ではダメらしい。
「ボールの重さを量りたかったの? でもね、体重計はボールを乗せても反応しなくて使えないんだよ」
私がそう伝えると、息子はおもちゃの定規をボールにピタッとあてがい、こう食い下がってきた。
「ちがうの! ボールのここをはかる、たいじゅうけい!」
(定規あてながら『ここを測る体重計』って何ーーー!?)
息子のその実演つきの解説を聞いて、ようやくすべてを理解した。 なんと息子は、ボールの「周囲の長さ(胴回り)」を測りたかったのだ。
普段、ママが足のサイズを測るのに使っている【メジャー】の存在を、息子はちゃんと覚えていたらしい。だからこそ、まっすぐで固い定規じゃダメだと気づいたのだ。
ただ、どうしても「メジャー」という名前が出てこない。 名前はわからないけれど、とにかく「数字が細かく入ってすごいはかるやつ」を、自分の知っている言葉の中から必死に絞り出した結果が、あの四角いマシーン(体重計)の呼び名だったのだ。4歳児の必死な連想ゲーム、愛おしすぎる。
「あぁ、まわりを測るなら『メジャー』だわ!」と、私は苦笑いしながら妻の裁縫道具からメジャーを取り出し、息子に渡してあげた。ソファの妻も「あ、私のメジャーのことだったんだ(笑)」と、息子の必死の連想ゲームにニコニコしている。
メジャーを手にした息子は、嬉そうにボールにぐるっと巻きつけ、じっと数字を見つめた。 そして、これまた自信満々に、大きな声で測定結果を報告してくれた。
「パパ! これね、さんじゅっきろ(30キロ)ある!」
「30センチだわ!!!ボウリングの球より重いわ!!! 息子くんより重いわ!!!」
ツッコミを入れてしまった。 やっと手に入れたメジャーで測ったのは「周囲の長さ(センチ)」のはずなのに、口から出た単位はまさかの「重さ(キロ)」。最初に「体重計」を求めていた前半の伏線が、ここでまさかの単位の言い間違いとして綺麗に回収されてしまった。
もし本当にあのボールが30キロあったら、我が家のリビングの床は今ごろ大変なことになっているし、そもそも4歳の君が片手で軽々持てる代物ではない。
私の全力のツッコミを聞いて、息子は「あはは!」と大喜び。 横で見ていた妻も、息子のあまりの大渋滞っぷりに思わず「本当に30キロあったらパパ持ち上げられないね(笑)」とケラケラ笑っている。そんな妻の笑顔が見られただけでも、息子のこの盛大なボケには感謝せねばなるまい。
一人でボールを持って定規と格闘していた切なげな姿から、まさかこんな家族みんなでの大爆笑に繋らるとは、やっぱり我が家のお調子者エンジニア(4歳)のポテンシャルは底が知れない。
次は何を何キロと測るつもりなのか、パパは正しい単位を教えつつ、手ぐすね引いて待っていようと思います。
📢 tamaファミリーからのお知らせ
このnoteでは、お調子者の4歳息子に振り回されるパパのドタバタな
育児エッセイ(無料)をたくさんお届けしています!
「このパパ、一体どんな人?」と気になってくださった方は、我が家のこれまでの歩みをまとめた自己紹介記事もぜひあわせてお読みください✨
この記事を読んで「クスッと笑えた!」「30キロは重い!」と思ってくださった方は、画面下の【スキ❤️】や【フォロー】で応援していただけると、
家族3人、明日のエネルギーになります!
こちらの記事もクスッと笑えます▼
