友だちがほしいと、発達凸凹っ子が泣いた夜│#エッセイしりとり【ひといきの土曜日】🌅
「友だちがほしい」
そう言って、4歳の息子が泣いた。
その夜、胸が苦しくなった。
息子にはASDの診断があり、ADHDとDCD(発達性協調運動障害)の特性もある。
こだわりが強く、自分の世界に入りやすい。
注意がそれやすく、人との距離感をつかむことも苦手だ。
そんな息子を見ていると、「友だち」という存在も、私たちが思うものとは少し違うのかもしれないと思うことがある。
たとえば、ある日。
女の子が泣いていた。
息子がその子の近くへ歩いていく。
「お! 慰めるのかな?」
私はちょっと期待した。
ところが、息子がかけた言葉は、
「明日また遊ぼうねー!」
だった。
……違うんだよ。
今、泣いているんだよ。
でも、どうやらお昼に「明日も遊ぼうね」と約束していたらしい。
息子にとっては、その約束がよほどうれしかったのだろう。
だから、泣いているその子を見ても、頭に浮かんだのは「明日も遊べる」という嬉しい気持ちだったのかもしれない。
ありがたいことに、息子は周りの子から声をかけてもらうことが多い。
一緒に何かして遊んでいることもあるし、「遊ぼう」と誘ってもらうこともある。
だからこそ、あの夜の「友だちがほしい」という言葉が、私にはよく分からなかった。
遊ぼうと誘ったら、断られたのだろうか。
何か怒られるようなことをしてしまったけれど、自分では理由が分からなくて、「嫌われた」と感じてしまったのだろうか。
それとも。
そもそも「友だち」というものが、まだよく分からないのだろうか。
答えは分からない。
その夜、泣き続ける息子に、夫が大好きなヘラクレスオオカブトのオモチャを渡した。
そして、
「この子たちも友だちだよ」
と伝えた。
すると、少しずつ落ち着いていった。
それからは、「友だちがほしい」と泣くことはなくなった。
カブトムシがいるからなのか。
保育園で大きなトラブルなく過ごせているからなのか。
それとも、何か別の理由があるのか。
私には分からない。でも、とりあえず。
よかった。
そんなことを思っていたら、休日に保育園のお友だちと、たまたま公園で会ったらしい。
そして、一緒に遊んだという。
話を聞けば、それはもう……
ブランコデート。
「友だちがほしい」と泣いていた息子。
もしかして。
友だちはいる。
彼女もいる。
でも、「友だち」という言葉だけが、まだちょっと分からない。
……そういうこと?
発達凸凹っ子の「友だちがほしい」の意味は、私が思っていたよりずっと奥深い。
そして母は今日も、
「友だちって……難しいな」
と思いながら、息子のブランコデートを想像している。
……いや、彼女いるんかい。
#エッセイしりとり 参加で書きました!
マイキーさん主催のエッセイしりとりとは▼
まどかママさんから「と」のバトン受け取りでした🪄
文藝大賞に向けて、エッセイ挑戦中の私。
ほぼ初めてのエッセイ。
コミックエッセイは描いているものの
「エッセイってなんだろう?」と考え出したのが
今月でした。(遅い)
奥が深い!
エッセイになってるでしょうか??
「エッセイと言ったらエッセイだ」 とのお言葉も拝見したことがあるので
こちら、エッセイとして投稿します。
9月1日〜15日の文藝大賞はこちら▼
書き終わったら、次にバトンを渡したい人を最大3人まで指名できるとのことで
「る」で
繋ぎたい方々をご紹介!
1人目 おもちさん
発達凸凹育児エッセイといえば!
noteを初めておもちさんと知り合って
発達凸凹に関するエッセイを初めて知りました。
私が密かに憧れていたタグのコングラボードを
常に獲得されていました。
2人目 二丁目夏子さん
夏子さんといえば短歌のイメージですが
エッセイも書かれていて。
書くことについての想いが好きで
バトン渡したくて指名しちゃいました。
3人目 えだまめちゃん
えだまめちゃんといえば
優しさでできているかのようなあたたかさ。
えだまめちゃんのnoteを開くと
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小心者の私は
私がエッセイを読みたい方で
かつタグで「#エッセイ」をつけてる方から
指名させていただきました。
誠に勝手ながら
了承を得ず指名いたしましたので
無理はなさらず🙂↕️
お題が一文字、楽しかったです。
楽しい機会をありがとうございました!
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マイキーさんよりレビュー▼
一番印象に残ったのは、泣いている女の子へ息子さんが「明日また遊ぼうねー!」と声をかける場面でした。一見すると噛み合っていない。でも、その子との約束が嬉しかったからこそ出てきた言葉かもしれない。そこで「違う」で終わらず、息子さん側から見えている景色を想像し直すところが心に残ります。
くまのひとみさんの語りは、息子さんの言葉を急いで日本語から日本語へ翻訳しようとする通訳のようです。「友だちがほしい」という同じ言葉でも、大人と4歳の息子では指しているものが違うかもしれない。いくつもの可能性を並べながら、それでも分からないものは「分からない」と残している。その距離感に優しさを感じました。
読み終えたあとに残るのは、息子さんの見ている世界を隣から少しだけ覗かせてもらったような感覚です。「友だち」なんて誰でも知っている言葉なのに、考えてみれば、その意味を説明するのは案外難しい。
4歳の「友だちがほしい」という涙は、いったい何を意味していたのか。親子でその言葉の意味を探していくうちに、少しずつ違う景色が見えてくる一篇でした。
アララを見守りながら私は、
アララの言葉、想いを、翻訳しようとしてるのかもしれません。
できないことの方が多いですが(笑)
エッセイへの扉を、ありがとうございました!
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