見出し画像

言語化による源泉の変質

昨今、ビジネスだったり、あるいは何かの習得だったり、あらゆる場面で「言語化」が重要視されていますね。
これについて、言語化することが大事という話ではなく、言語化そのものについて普段考えていることを書いていこうと思います。


言語化は写像だと思う

言語化というものに対して、私は頭の中にある情報を言葉で再構築するようなイメージを持っています。
これは頭の中にある情報を言葉にマッピングしているのと同じだと思うので、数学的に言うと写像にあたるのかなと思いました。
あるいはシステムエンジニア的な言葉で表すなら、頭の中の情報を引数に取り、言葉を出力する関数が言語化であると言えるでしょうか。

つまり、「言語化をすること」といえばその関数を動作させることを言い、「言語化レベル」なんて言葉が出てきたら関数の精度のことを話していると言い換えられそうです。

言葉は表現方法の一つ。それ以外も使うべき。

「言語化」という言葉に引っ張られがちですが、頭の中の情報をアウトプットするときに「言葉」である必要はないと思っています。
数字はもちろん、数式やグラフでもよいでしょう。
言語化を行う目的にもよりますが、言葉よりも数式やグラフのほうが、理解できる場面も多いと思います。

自分のための言語化ならば、自分の認知特性(図形などのほうがわかりやすいのか、文字のほうがわかりやすいかなど)に応じて何でアウトプットするかを考えるとより良いですね。

言語は離散的であいまいだと思う

さて、ようやくタイトルの話です。
頭の中にある情報は連続的(あるいは言語よりは連続に近い)のに、言語は離散的だ、というのが常々感じているところです。

離散的と連続的については、以前の記事でも例に出した虹の話を用いて説明させていただきます。

虹の色の変化は、光の波長の長さが連続的に変化していることによって起こります。そのため、実際の虹の色は連続的です。
(人体の機能的な限界によって人間が知覚できる色は離散的だ、みたいな話はおいておきます。)
しかし日本人は虹を「赤橙黄緑青藍紫」の7色だと認識しています。

これがまさに連続的な値を離散的な値に落とし込んでいる例でして、何をしているかというと「赤に近い誤差いくらかの波長の色を赤として扱っている」ということですね。

こういうのを量子化と言ったりしますが、言語化するときもこの量子化が起きているのではないかというのが私が感じていることです。

言語化したものが源泉に与える影響

さて、2つ目の話になります。
量子化の話が①で、これは②です。

ここまでは、頭の中の情報を言語に変換する作業は一方向であるように話してきましたが、実はそうじゃないよねというのが②の話です。

よく、声に出したほうが音としても聞こえるから暗記に良いと言われます。
声に出すのも言語化の一つの形ですから、情報を言語に変換しただけなのに、それが実際に記憶に影響を与えている形になります。

若干無理やりな一般化ですが「言語化したものは自分にフィードバックされる」と考えてよいでしょう。

変質する源泉

①と②からわかるのは、元々頭の中にある情報は、言語化を介して量子化されたあと、頭の中にある情報に影響を与えるということです。

実は結構怖いことです。

虹の話の続きをしますが、世界には虹を「赤と黒」の2色であると認識している方たちがいるそうです。
この方たちの言語は元々色を表す言葉が少なく、明るい色を赤、暗い色を黒という風に認識しているそうです。

見えている虹は日本と変わらないはずです。
元々無限色とも表現できる光の色を、「2色」だと言語化することで、実際に2色と認識している。
日本人が持つ「色」という概念と根本から違う気もしてきますね。
言語の良し悪しをどうこう言いたいわけではありません。
日本語にもそういった離散的な表現しかできない何かがきっとあり、そしてそれに気づいていないと思うと、言語化って怖いなぁと思うわけです。

実際、日本語は英語に比べて誉め言葉が少ないと言います。
日本人からすると大したことではないのかもしれませんが、英語話者からすると重大なことなのかもしれません。
虹を2色と認識している人たちにとっては、虹の色合いなんてものは日本人が思っているよりもどうでもいいことなのでしょうか。

余談

言語化すると自分の認識にも何かの作用があるよねという話だったわけですが、そんな認識があるので、語彙を正しく使うことには気を遣っています。
一度口に出した言葉がしっくりこなかったら、あとから言い直したりしています。
怖いのは自分が出した言葉で自分の認識が誤った方向に曲げられてしまうことです。

その点で言うと語彙を増やすのも重要だと思います。
より頭の中の情報を表現するのに適した言葉を使えれば同じ日本語を使っていても量子化の幅を狭くすることができます。
かといって専門的な用語を使いすぎると、相手がわからなくなるので、人と会話するときには気を付けるべきですね。

いいなと思ったら応援しよう!