見出し画像

韓国人はなぜ、そんなに「ご飯食べた?」と聞くの?|밥 먹었어?(パプ モゴッソ?)に隠れた本当の意味

韓国人とカカオトークをしていると、

밥 먹었어?
(パプ モゴッソ?)

と聞かれたことはありませんか?

日本語にすると、

「ご飯食べた?」

です。

朝にも聞かれる。

昼にも聞かれる。

夜にも聞かれる。

食べてないと言うと、

「なんで食べてないの?」
「早く食べて」
「ちゃんと食べなよ」

と心配される。

日本人からすると、

「韓国人、なんでそんなに人がご飯を食べたか気にするの?」

と思うかもしれません。

僕は韓国人なので、この言葉を聞いても特に不思議には感じません。

でも日本で長く生活してみると、確かに日本人同士では、韓国人ほど頻繁に相手の食事を確認しないように感じます。

では韓国人は、なぜこんなに

「ご飯食べた?」

と聞くのでしょうか。

実はこの一言、

本当に食事をしたか確認しているだけではないことがあります。

今回は、教科書の日本語訳だけでは分かりにくい

「밥 먹었어?」

に込められた韓国人の感覚を、韓国人である僕の視点から解説します。


「밥 먹었어?」を直訳すると「ご飯食べた?」

まず韓国語としては難しくありません。


=ご飯、食事

먹었어?
=食べた?

なので、

밥 먹었어?
=ご飯食べた?

です。

敬語なら、

밥 먹었어요?
(パプ モゴッソヨ?)

さらに丁寧に言うなら、

식사하셨어요?
(シクサハショッソヨ?)
=お食事されましたか?

となります。

ここまでは教科書でも説明できます。

でも問題はここからです。

韓国人が

밥 먹었어?

と聞いたとき、

必ずしも知りたいことが

「食事をしたかどうか」

だけではないのです。


「밥 먹었어?」は質問でもあり、挨拶にもなる

韓国語には、

밥 먹었어?
(ご飯食べた?)

어디 가?
(どこ行くの?)

뭐 해?
(何してる?)

のように、

質問の形を使って相手に声をかける表現があります。

実際、「밥 먹었어?」のような表現を韓国人が質問として受け取るのか、挨拶として受け取るのかを調べた韓国の社会言語学研究もあります。

その研究では、

「밥 먹었어?」は実際の質問としての性質を残しながら、挨拶としても機能する

ことが示されています。

つまり、

「ご飯食べた?」

と本当に聞いている場合もある。

でも同時に、

「今日ちゃんと過ごしてる?」
「元気にしてる?」

という軽い安否確認のような役割をすることもある。

ここが、日本語に訳しただけでは分かりにくいところです。


韓国人はなぜ、そんなに「밥」を気にするの?

韓国では、

という言葉が日常会話の中に本当によく出てきます。

밥 먹었어?
=ご飯食べた?

밥 잘 챙겨 먹어.
=ちゃんとご飯食べてね。

밥 먹자.
=ご飯食べよう。

내가 밥 살게.
=僕がおごるよ。

나중에 밥 한번 먹자.
=今度一度ご飯でも食べよう。

日本語でも「ご飯行こう」は普通に使います。

でも韓国語では「밥」が、人との関係や相手への気遣いを表す会話の中にかなり自然に入ってきます。

僕自身の感覚でも、

밥 잘 챙겨 먹어.
(ちゃんとご飯食べてね)

と言われたとき、

単に

「必要なカロリーを摂取してください」

と言われている感覚ではありません。

むしろ、

「ちゃんと自分のことも大事にしてね」

に近い温度を感じることがあります。


「昔の韓国が貧しかったから」は本当?

「밥 먹었어?」について調べると、

昔の韓国は食べ物が十分ではなかった。

食事できたこと=無事に暮らしていることだった。

だから「ご飯食べた?」が挨拶になった。

という説明を見かけることがあります。

確かに分かりやすい話です。

僕自身も、そういう説明を聞いたことがあります。

でも今回改めて韓国の研究を調べてみると、ここは少し注意が必要でした。

韓国の挨拶について調べた研究では、

「貧しかったから食事を尋ねる挨拶が生まれた」という説明には、信頼できる歴史的根拠を見つけることが難しい

という指摘があります。

むしろ韓国社会で、

相手を気遣うこと、
礼儀を重視すること、
食事を一緒にすること、

そうした文化の中で「밥」を使った挨拶を考える必要がある、という見方もあります。

なので、

「昔の韓国が貧しかったからです」

と一言で説明してしまうのは、少し乱暴なのだと思います。


韓国人男性から毎日「밥 먹었어?」と来たら脈あり?

ここは、このnoteを読んでいる人なら気になるところだと思います。

韓国人男性から、

아침 먹었어?
(朝ご飯食べた?)

점심 먹었어?
(昼ご飯食べた?)

저녁 먹었어?
(晩ご飯食べた?)

と頻繁にカカオが来る。

すると、

「こんなに私の食事を気にするって、私のこと好きなの?」

と思いますよね。

結論から言うと、

「밥 먹었어?」だけで脈ありとは判断できません。

なぜなら韓国では、恋人だけに使う言葉ではないからです。

親から子どもにも使います。

友達同士でも使います。

親しい人への挨拶としても使います。

だから、

밥 먹었어?
=あなたが好きです

ではありません。

ただし。

僕なら、その後を見ます。


大事なのは「밥 먹었어?」の後

たとえば、

밥 먹었어?
(ご飯食べた?)

아직.
(まだ)

で会話が終わる。

これだけなら普通の会話かもしれません。

でも、

밥 먹었어?
(ご飯食べた?)

아직.
(まだ)

왜 안 먹었어?
(なんで食べてないの?)

뭐라도 먹어.
(何か食べなよ)

となる。

さらに、

뭐 먹고 싶어?
(何食べたい?)

내가 사줄게.
(僕がおごるよ)

같이 먹을래?
(一緒に食べる?)

と続いていく。

ここまで来ると、

最初の

밥 먹었어?

だけを見るより、

その後にどれだけあなたを気にかけているかを見る方が重要です。


「뭐해?」と「밥 먹었어?」は少し似ている

以前の記事で、

뭐해?
(ムォヘ?)
=何してる?

について書きました。

これも日本語訳だけを見ると、

「なんで私が今何してるか知りたいの?」

と思うかもしれません。

でも韓国人同士では、

会話を始めるために

뭐해?

と送ることがあります。

밥 먹었어?

も少し似ています。

相手の生活に軽く触れながら、

会話を始める入口

になることがあります。

だから韓国人とのカカオでは、

一つ一つの言葉を日本語に直訳するだけではなく、

その言葉が二人の関係の中で何をしているのか

を見ると、分かりやすくなります。


「밥 잘 챙겨 먹어」は、もう少し気遣いが強い

もう一つ覚えてほしい表現があります。

밥 잘 챙겨 먹어.
(パプ チャル チェンギョ モゴ)

直訳すると、

「ご飯をちゃんと準備して食べて」

ですが、日本語なら、

「ちゃんとご飯食べてね」

くらいが自然です。

忙しい相手。

体調が悪い相手。

一人暮らしをしている相手。

仕事で疲れている相手。

そんな人に言うことがあります。

これも必ず恋愛感情というわけではありません。

でも僕は、

単なる食事の指示というより、

「ちゃんと自分の身体を大切にしてね」

という気遣いを含みやすい言葉だと思っています。


韓国人は、なぜそんなに人のご飯を気にするの?

日本人からすると、

「朝食べた?」

「昼食べた?」

「ちゃんと夜ご飯食べて」

と何度も聞かれたら、

「そんなに私の食事が気になる?」

と思うかもしれません。

でも韓国人側は、

それほど大げさな質問をしているつもりがない場合もあります。

食事の話をしながら、

相手の今日を知る。

体調を気遣う。

会話を始める。

一緒に食べるきっかけを作る。

そうやって、

「밥」を通して人との距離を確認している。

僕には、その感覚があります。


日本語にすると「ご飯食べた?」。でも、それだけじゃない

밥 먹었어?

日本語に訳せば、

「ご飯食べた?」

たったそれだけです。

でも韓国人同士の会話では、

「ちゃんと過ごしてる?」

「今日はどう?」

「何してた?」

「ちょっと話そうよ」

そんな気持ちが重なることがあります。

もちろん、

本当に「食事した?」と聞いているだけのときもあります。

ここが大事です。

밥 먹었어?=愛情表現

と覚えるのも違う。

밥 먹었어?=ただ食事を確認しているだけ

と覚えるのも違う。

誰が、いつ、どんな関係で言ったのか。

その後にどんな会話が続いたのか。

そこまで含めて初めて、その人の

밥 먹었어?

の意味が見えてきます。

韓国語は日本語に訳すことができます。

でも、

その言葉に含まれる人との距離感までは、直訳だけでは分からない。

僕がこのnoteで伝えたい「テキストにない韓国語」は、たぶんこういう部分なんだと思います。


「뭐해?」の本当のニュアンスについては、こちらの記事でも詳しく書いています。

→【韓国人男性から「뭐해?(ムォヘ)」が来た。意味は“何してる?”だけじゃない】

このnoteでは、韓国人男性である僕が、

韓国人男性の恋愛観、
カカオトークのニュアンス、
日韓の文化の違い、
教科書だけでは分かりにくい韓国語

を紹介しています。

「この韓国語、日本語訳は分かる。でも、どういう気持ちで言ってるの?」

そんなときの答え合わせになる記事を書いていきます。

▼韓国人男性からよく来る、もう一つの短いメッセージ


いいなと思ったら応援しよう!