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掌編|【ちーちゃん】ちーちゃんとヤンキーくん

彼は、礼儀正しい
ヤンキーのリーダーだった。

「すいません、
スズキさんも、受験やのに。」

二人だけの放課後の教室で
気まずい授業が始まった。

「まあ、教えるのも勉強になるし。

でも、幼稚園のときに見られへんかった
北斗の拳の再放送、
見られへんのは、残念やなぁ。」

私たちの間の空気が揺れて、
フッと、彼が笑った。

二人で、何度か
そんな放課後を過ごした。

「アイツが、
あのままおったら、
アイツがリーダーやった。」

憧れと溜め息が、
滲んだような声だった。

「ふうん。」

そう言うしかなくて、
私は黙った。

彼が無事に志望校に合格したと聞いたときは、
とても嬉しかった。

私の人生で、初めての生徒は、彼。

すぐ女の子を
とっかえひっかえするヤンキーたちの中で

一番モテるのに、
一人の彼女だけを
ずっと、
大事にしている人だった。

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私と関わってくれた人たちと、もっと。
ちーちゃんとひーちゃん
ちーちゃんとゆうちゃん
ちーちゃんとおかーさん
ちーちゃんとケンタ

あの頃、同じ教室で過ごしていた、私たち。
▶︎【加古川の傍らで】ピンクを纏う小太鼓

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