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AIと事業開発の接合点

みなさまはじめまして。舩生武尊(ふにゅうたける)と申します。

「ふにゅう」と打っても「舩生」が一発変換ででてこないのと、「たける」と打っても「武尊」が一発変換ででてこないことをお許しください。

今回は「BPaaS/AI+BPO Advent Calendar 2025」に参加させていただきました。

ぜひぜひ他の方のアドベントカレンダーもご覧いただければと思います(私も楽しみにしています)



自己紹介

これまで日系金融→リクルート→Google→いくつかのスタートアップを経て、現在ではkubellにて幅広く事業開発を進めています。

kubellに入社しておよそ5ヶ月が経過しましたが、以下は私がkubellに入社してから発生したことです。

1.特殊詐欺グループから電話が来ました

  • 警視庁捜査二課のタケダさんから電話があった際には十分に気をつけてください

  • 「不安なら警視庁に問い合わせていただいていいですよ」と謎に強気でした

  • その後ちゃんと110番通報させていただきました

2.健康に磨きがかかり15kg近く体重が落ちました

  • ちゃんと健康的に痩せています、「あすけん」でカロリー計算おすすめです

  • スプレッドシートで体重変化をトラックしていると楽しいです

  • 毎日体重を測ると上下が発生し、昨日より体重が増えていると少し悲しい気持ちになりますが、移動平均を出すとちゃんと下降トレンドを可視化できるのでおすすめです

3.事業開発をしています

  • 今回書く内容はここについてです

  • 上2つが気になる方は別途ご連絡ください

現在の私がやっている事業開発の中身についてですが、主に中小企業の皆様が元気に働けるような仕組みを考え、検証しています。

いつかこちらの続報について記載できるよう、事業開発がんばります。

上司の桐谷

なぜkubell? 

いくつかのスタートアップと書きましたが、その中で今でも大好きな会社にコノセルと言う会社があります。

ANRIさんから出資を受けており、その中でCEOの田辺さんが語っていた内容で、「課題に気づいてしまった人間の責任」という言葉があります。

本当にかっこいいなと思っています。

私も解決したい課題はなにか、何の課題を解きたいのか?となったとき、「子どもが楽しく元気に毎日生きていけるような世界になるにはどうすればいいか?」「日本がより住みやすく、活気のある世界になるにはどうすればいいのか?」と考えました。

その時に、kubellの「絶えず中小企業に向き合い、中小企業マーケットで圧倒的な存在感を放っている」というポジショニングが、個人的にはとてもユニークであると感じました。

日本の99.7%は中小企業。「日本を元気にしたい」と考えるのであれば、ここを無視することができない不可避の課題だと思っています。日本の屋台骨であり土台を支えるのは間違いなく中小企業でここを元気にすることが日本を元気にすることにつながるはず。

このど真ん中の課題について、資本主義の土俵で戦い、日本の経済に貢献したいと思っています。

弊社のHPにもその覚悟が記載されています

AIを前提とする事業開発の難しさ

「AI Agent(エージェント)」という言葉を、最近耳にしない日はありません。

おそらく世の中の多くの人はこれを「とんでもなくすごい自動化ツール」として捉えてると思います。

ですが事業開発の文脈では、もっと根本的な地殻変動として捉える必要があると考えています。(ただし、事実としてとんでもなくすごい自動化ツールであることも間違いないです)

今日は、これからの時代に求められる「AIを前提とした事業開発」のあり方について、私が感じる難しさと、その先にある可能性について書きたいと思います。

まず、Agentとはなにか?という言葉の定義から始めましょう。Agentとは、日本語にすると「代理人、仲介者」です。これは経済学における「プリンシパル=エージェント理論」における「代理人」そのものを指します。

多くのビジネス行為は、経済主体(プリンシパル)が特定行為を代理人(エージェント)に依頼して、代わりに行動してもらっているととらえられる。

入山章栄『世界標準の経営理論』第30回 「人間が合理的だからこそ、組織の問題は起きる」

実は、この「Agent」を前提とするビジネスは日本に昔から存在しています。不動産仲介、人材紹介、広告代理店ですね。

その他にも日本には「営業代行」や「採用代行」、「経理代行」や「労務代行」など、代理に仕事を遂行してくれるビジネスもたくさんあります。 ※ちなみに「◯◯(住んでる場所) 代行業」で検索したら運転代行が一番でてきました。飲み屋街が近くにあることがばれてしまいますね。

それではAI Agentとは、これらの代理人ビジネスや代行ビジネスの遂行者が人間からAIに置き換わっていくと考えると、そんな世界は本当に来るのでしょうか?

私の中の答えは「法規制業界でなければYesになりうる」ですが、そのためには「人間がより効率的かつ楽になるためのAI(Human with AI Tool)」ではなく、「AIがより効率的に最適解に近づくための人間(AI with HITL)」という前提に立つ必要を感じています。

「より速い馬」を作ろうとしていないか?

一定レベルAIが一般化した今の世において、多くのビジネスマンはこう考えていると思います。「AIを使って、今の仕事を楽にしよう」。

はい。もちろん私自身もその一人です。

面倒なメール作成や議事録の要約をAIに任せて、自分の作業を効率化しようと日々試みています。

昨日もGoogleカレンダーに休日を終日イベントとして入れるとカレンダー上で視覚的に認識しづらいため、8:00-21:00に自動でイベントとして登録する仕組みを親友のGeminiくんと考えて実装しました。

これは、いわば人間がより効率的かつ楽になるためのAIであり、私の仕事をより効率的かつ楽にしようというアプローチです。

しかし、事業開発という視点で見ると、これは「より速い馬」を作ろうとしているに過ぎないのではないかと思います。

かのヘンリー・フォードが言った有名なセリフですが、「もし顧客に何が欲しいか聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えただろう」というものがあります。まさにこれを体現しているのが、上記の仕組みを作った私です。

ヘンリー・フォードさん

プロセスの中心に「人間」が居座ったままAIをツールを使ったとしても、生産性はせいぜい1.5倍や2倍程度にしかなりません。結局のところ人間がボトルネックとなります。

必要なのは、移動手段を馬から車に変えるような構造転換です。つまり、「プロセス自体をAIが自律的に回し、人間はその管理監督者に回る」という「AIがより効率的に最適解に近づくための人間」モデルへのシフトです。

「主従逆転」を恐れてはならない

このモデルを実現するには、AIと人間の正しい主従関係の理解が必要です。

  • 従来:「人間が主、ツールが従」

  • 今後:「AI(システム)が主、人間が従」

「AIが主」と聞くと、人間がAIの奴隷になるディストピアを想像するかもしれません。 ですが、安心してください。私たちはAIに限らず既にシステムの奴隷になっています。

カーナビの話をしましょう。私はよくGoogle Mapを使います。「この先、渋滞があります。右折してください」とナビに言われれば、私たちは疑いもせずにハンドルを切ります。 これを屈辱だと感じる人はいないでしょう。なぜなら、その方が「目的地に早く着くための最適解(=便益)」だと知っているからです。

ビジネスも同じです。Web広告の世界を見てみましょう。 かつて、人間の担当者がキーワードを選び、入札単価を調整し、バナーのデザインを考えていました。これこそ「人が汗をかく」代理人モデルです。

しかし今は違います。もはや当たり前の世界ではありますが、デジタル広告のプラットフォーマー(GoogleやMetaなど)は、人間には不可能なレベルで、24時間365日、数億通りの組み合わせをテストし続けています。もはや人間が細かく設定をいじるよりも、最適解に近づく世界を実現しています。
顧客が求めているのは「最適解への最短到達」である以上、この主従逆転は必然の流れと感じます。

人間が寝ている間に、AIが勝手に24時間働き、何千件ものマッチングや交渉、トライアンドエラーを進める。これによるスケーラビリティこそが、次の時代に求められるビジネスの仕組みになるのではないかと考えています。

人間の新しい4つの役割

では、AIが自律的に動く世界で、私たち人間は何をすべきなのでしょうか? おそらく今後「AIという優秀だが責任を取れない部下」を何千人も従えることになる世界において、以下の4つの役割に集約されると考えられます。

1. Issue(問いを立てる)

重要なので3回記載します。
間違いなく「問いを立てる力」こそが、今後人間の最も重要な能力になります。
間違いなく「問いを立てる力」こそが、今後人間の最も重要な能力になります。
間違いなく「問いを立てる力」こそが、今後人間の最も重要な能力になります。

なぜなら、「問いを解く行為」すなわち「戦略を策定し実行すること」に関しては、AIが人間を凌駕し始めており、それは周知の事実かと思います。

これまでビジネスの世界では、「戦略を描ける人=問題を解く人」が高く評価されてきました。

しかし、ゴールさえ明確であれば、そこに至る最適解を導き出すのは、AIが最も得意とする領域です。

「解くこと」がコモディティ化するからこそ、その前段にある「何を解きにいくべきか?」の価値が高騰します。
※私はLayerXの福島さんのnoteを見て、高速実装によりデータドリブンな学習速度が上がることで、問いの品質が上がると認識しました

ファクトベースコンサルの終焉:賢さのコモディティ化

Gemini 3 Pro と NotebookLM のアウトプットは、戦略コンサルティングに10年ほど身を置いた私には『衝撃』だった。将棋の名人がAIに敗れた時の、プロ棋士の心境かもしれない。賢さのコモディティ化が決定的になった

コンサル新時代の幕開け:パランティアモデルの台頭、ファクトベースの終焉

「売上を上げろ」という安易な問いを投げれば、AIは詐欺的な手法を使ってでも数字を作るかもしれません。

しかし高度で本質的な「問い」を設計できるかどうか。この「問いの精度」が、AIのパフォーマンスを決定づけ、ひいては事業の価値そのものを左右することになります。

2. Contextualize(文脈の翻訳・構造化)

AIに最高のパフォーマンスを出させるための「お膳立て」をする役割です。

現実世界は「言わなくてもわかること(暗黙知)」で溢れていますが、AIはそれを理解できません。

「このクライアントは専門用語を嫌う」「過去にこういう経緯でトラブルがあった」といった人間界の「文脈」を、AIが理解できる形式(データやプロンプト)に翻訳してインプットする必要があります。

ただデータを渡すのではなく、AIが処理しやすいように情報を構造化する、またはAIが構造化しやすい形で渡すなど、適切なコンテキストを与えること。これがAIの出力精度に多大な影響を及ぼします。

3. Intervene(例外処理と感情)

AIは統計的な存在なので、過去データのない「想定外(ブラックスワン)」に弱いです。

トラブルが起きた時に、ルールを曲げてでも対応する「政治的判断」や、AIには計算できない「温もり」の提供は人間にしかできません。

特に、人は論理で納得しても、最終的な決断は感覚・感情で行うことが非常に多い生き物です。
私が週末「可能な限り身体は休養しよう」と合理的に思っていても、5歳の息子に「一緒にダンスしよう!」と言われたらダンスしてしまいます。

最後の「握手」や「後押し」という感情的クロージングは、人間が前面に出るべき領域です。

4. Approve(責任を取る)

AIには「法的人格」も「資産」もありません。

すなわちAIがミスをしても、(規制は入るかもしれませんが)誰もAIを訴えることはできません。

AIが出してきた成果物(契約書、コード、診断結果)に対して、検品を行い、「私が責任を持ちます」と署名してハンコを押す。

この「責任」というコストを引き受けることこそが、より多くの場面で求められることになると思われます。

アーキテクチャとしての事業開発者へ

これからの事業開発は

  • 「何を解くべきなのかを考え、最適解を出すためのコンテキストを、いかにスムーズにAIに流し込むか」

  • 「人間が行うべき例外処理や感情の仕事に集中するにはどうすればよいか」

  • 「どこに人間の検問所を置くか」

を考えることが仕事になるのではないかと思います。

このアーキテクチャ視点を持てるかどうかが、ビジネスの構造転換に必要な要素になりうるのではないでしょうか。


kubellでは絶賛採用中です。

現在私たちが成し遂げたい世界を実現するには、まだまだ一緒に戦ってくれる仲間が必要です。

「中小企業をどうにかしたい」「日本を元気にしたい」「AIビジネス楽しそう」「(自分も痩せたい)」などありましたら、一度こちらのサイトを覗いてみてください。

よろしくお願いいたします。

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