寺田和代「本と歩く アラ還ヨーロッパひとり旅」 第4回 イタリア・プーリア州篇(1)
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(1)老ソロツーリスト、到着地でへたりこむ
2024年10月13日夕方ローマを発ったLCC便は、わずか1時間でブーツの形をしたイタリアのかかと、アドリア海に面したプーリア州都バーリの空港に着いた。
東京を発ってすでに34時間超。到着ロビーに降り立った老体は疲れと寝不足で立っているのがやっと、視界も頭もボケボケ。
でもそれ以上にぶじ到着できた安堵でべンチにへたりこんでしまった。
それというのも、今回の旅では過去に経験したことのない2つの大きな心配ごとを抱えていたから。一つは、飛行機代をできる限り節約するため最終目的地バーリまでの航空券を通しではなく、早割と格安のチケットを独自に繋げた3回乗り継ぎルートにしていたこと。乗り継ぎはソウル、ドーハ、ローマ。自己乗り換えのソウルとローマでは(ドーハのみ通し便)乗り換え時間はどちらも3時間以上あったけど、港みなとで荷物を預け・受け取っていたら乗り遅れ必至だろうと、旅の荷物は始めから機内サイズのリュックひとつにした。
涙ぐましい工夫の甲斐あってかフライト代総額は一般的なルートの半分とまではいかなくとも3分の2程度に収まったし、結果的には乗り損ねずにすんだけれど、乗り継ぐたび生きた心地がしなかった。
ローマでは国内線・国際線のターミナルが比較的近くてことなきを得たものの想像を超える混雑とチェックポイントの列の長さにジリジリしっぱなし。どの空港でも火事場のバカ力的ななにかで動けたけれど、この先は確実にできなくなるだろう。

地図の右斜め下にアラビア半島が。二度目の乗り換え空港ドーハは、その東岸に。
(地図製作:三月社https://sangatsusha.jp/)
二つめはドーハ・ローマ間(アラビア半島通過時)の航空安全。
出発数日前、イランがイスラエルに反撃した際、ミサイル航路にエールフランス機がいた事実(https://www.cnn.co.jp/world/35224788.html)が明らかに。もちろん当該機はすぐに引き返して難を逃れたけど、心底ぞっとした。
だからドーハで乗り継ぎ待ちの間、アラビア半島沿岸を北上し、イラク→トルコ上空を経て欧州へ向かう航路の安全を、それを見るためだけにダウンロードしたアプリで何度も確認。
素人が航路アプリを見て何がわかるわけでもないけれど、なにかあれば即座に旅の中断を覚悟していた。10分でもウトウトしたかったけど緊張と不安は解けなかった。
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*ヘッダー写真:マテーラの夜景(著者撮影)。
シャッターを切るまで30分!→(9)ですばらしい全景が見られます。
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【著者プロフィール】
寺田和代(てらだ・かずよ)
立命館大学卒業後、会社員を経てフリーライター・エディター。
女性誌、文芸誌、総合誌などの取材・執筆、単行本の企画・制作に携わる一方、2000年に社会福祉士資格を取得し、高齢者介護の分野でも取材活動を続ける。
単著に、長年の欧州ひとり旅の経験を元に中高熟年女性が安全・リーズナブル・自分らしく海外ひとり旅を楽しむガイドブック『Soliste[ソリスト]おとな女子ヨーロッパひとり旅』『Soliste[ソリスト]おとな女子ヨーロッパひとり歩き』(ともにKADOKAWA)ほか、最新刊『きらいな母を看取れますか? 関係がわるい母娘の最終章』(主婦の友社)


『Soliste[ソリスト]おとな女子ヨーロッパひとり歩き』
(ともにKADOKAWA)

共著『〈記憶の継承〉ミュージアムガイド』皓星社
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