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WXPとは何か?私がやっているのは「組み合わせの設計」です

はじめに

前回の記事では、「食」が人を集め、組織の中の垣根を溶かしていくという話を書きました。

そして最後に、「ではWXP(Workplace Experience)とは具体的に何なのか」という話を次回に回しました。

今回はその続きです。

以前にも書いた通り、私はWXPという考え方にアメリカン・エキスプレスで出会いました。

ただ、最初にお伝えしておきたいことがあります。

WXPという言葉そのものは、もともとアメックスのプログラムの名称です。私が作った言葉ではありません。

しかし、その名前を借りながらも、私がそこで見たもの、学んだもの、そして今WXPという言葉で表現しているものは、私自身の経験を通して形になった考え方です。

今日は、その中身についてお話ししたいと思います。

食は入口に過ぎなかった

前回の記事では、食の話をしました。

なぜ人は同じ食卓を囲むと心を開くのか。

なぜ食事の場では部署や役職の壁が低くなるのか。

実際に私はアメックスで数多くの従業員向けイベントを企画しましたが、人が最も集まったのは食を中心とした企画でした。

しかし今振り返ると、私が本当に見ていたのは食そのものではありません。

その奥にある、人と人との関係性でした。

そして、その関係性をどう設計するかでした。

一言で言えば、

組織の中にある要素を観察し、全員が活きる組み合わせを設計すること。

これが、私にとってのWXPです。

関所を価値創造の入口に変える

少し具体的な話をします。

ワークプレイス・ソリューションの領域には、「ベンダーマネジメント」という仕事があります。

クライアントに代わって外部業者を選び、管理する役割です。

多くの場合、この仕事はリスク管理の視点で語られます。

ブランド価値を損なう業者を排除する。

問題を起こしそうな会社を入れない。

いわば、組織を守るための関所です。

もちろんそれも大切な役割です。

しかし、私は少し違う見方をしていました。

「問題を起こさない会社を選ぶ」のではなく、

「関わることで組織の価値をさらに高めてくれる会社を選ぶ」。

そう考えたのです。

守るための関所を、価値を生み出す入口に変える。

私がやりたかったのは、そういうことでした。

私が目指しているのは妥協ではない

このとき大切なのは、誰かが犠牲にならないことです。

選ばれたベンダーは単なる下請けではなく、価値を共につくるパートナーになる。

クライアントは自社の理念やブランドに合った相手と協働できる。

そして、その結果として従業員にも良い体験が届く。

私は、一方が得をしてもう一方が損をするような組み合わせを好みません。

全員が活きる組み合わせを探します。

ただし、ここで誤解してほしくないことがあります。

私の言う「全員が活きる」は、単なる妥協ではありません。

よくある「みんなが少しずつ譲り合う」という考え方とも違います。

譲り合いは、限られたパイを分け合う発想です。

私が目指しているのは、その逆です。

組み合わせ方を変えることで、価値そのものを大きくする。

分けるのではなく、増やす。

設計によって新しい価値を生み出す。

それが私の考え方です。

組織の中に眠る価値を見つける

そして、この考え方はベンダーとの関係だけに限りません。

部門と部門。

人材と役割。

失敗と、その後の関係性。

私はこれまでずっと、

「これとこれを組み合わせたら、もっと良くならないだろうか」

という視点で物事を見てきました。

たぶん、それは私の性分なのだと思います。

だから私にとってWXPとは、イベント運営や福利厚生の話ではありません。

ミッション。

ブランディング。

日々のオペレーション。

顧客対応。

それらはすべて、一枚の地図の上につながっています。

私はその地図を見るとき、いつも同じ問いを持っています。

全員が活きる組み合わせを、どう設計するか。

そして、それはあなたの組織にも当てはまります。

どんな組織にも、当たり前すぎて誰も価値だと思っていないものがあります。

しかし、その中にはまだ誰も気づいていない組み合わせが眠っています。

私が見つけたいのは、その眠っている価値です。

次回は、「人はなぜ部門や立場を越えてつながることができるのか」というテーマを取り上げます。

実は、この問いを正面から研究した学術的な知見があります。

WXPを考える上でも、とても重要な話です。

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