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インテリジェンスを尊重する

※この記事の内容を解説する音声コンテンツも用意しています。音声派やながら聞き派の方はこちらをどうぞ:

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最近、『スターバックスはなぜ値下げもCMもしないのにずっと強いブランドでいられるのか?』を読んだのですが、その中で、「お客様のインテリジェンスを尊重する」という話がありました:

たとえば、クーポンの紙切れを配布して集客することは、顧客を「値下げで釣れる客」とみなす、インテリジェンスを尊重しない集客手法なわけで、スターバックスはこれをしていません。他にも、「セットメニューを作らない」とか、「トールやグランデが一般的なサイズでどれくらいになるかを説明しない」など、顧客が高いインテリジェンスを持っていることを前提とした取り組みをしています。

なぜ突然この本の話を持ち出したかについてなのですが、昨今の英語学習界隈にもこの話を当てはめることができる気がしたんですよね。今回は、語学学習者のインテリジェンスを尊重しようとしない人が、割と結構いるのでは、という話をしてみます。

スキマ時間という神話

「相手のインテリジェンスを尊重しない」という話と、英語界隈の話の交差点として、まっさきに僕が思いつくのが、「スキマ時間」です。僕は、スキマ時間でなんかしていくことに関してだいぶ懐疑的であり、詳しくは以下の記事でまとめています:

スキマ時間で頑張りましょうね、という声掛けやサジェスチョンは、「あなたは、優先順位を付けることができない人間です」という、相手のインテリジェンスを尊重しない態度の表明な気がするんですよね。

スキマ時間で頑張りましょう、という声掛けは、「作業の間にもっと作業を詰め込みましょう」と言っているわけですよ。ようするに、モーレツに努力して頑張るパワープレイ以外の選択肢に至れない人だとみなされているわけで、それってインテリジェンスを尊重していないですよね。僕自身も、スキマ時間うんたらというサジェスチョンをしたくないと考えていたのですが、この本の話ともうまく整合するな、と感じました。

説明のモード

例は他にもあり、たとえば、「説明の仕方」などが該当します。世の中の多数派は、「わかったような気分」になれる説明を欲しているのですが、そこに迎合して、ドーパミンヒットするだけのしょうもない説明ばかりしてしまうと、インテリジェンスを尊重しない方向にドリフトしてしまいます。具体的な説明は歓迎されがちですがそれはどこまでいっても動物的で、本質に近づくことはできません。

幼児や小学生に、便宜の目的のために簡略化した説明をする、とかならわかるのですが、それをするのはやはり、特段の都合がある場合に限りますよね。わかったような気分にさせることがデファクトスタンダードになり、まるでその説明が事の本質を突くカッコイイ説明であるかのようにしてしまうのは、まずいわけです。ショート動画市場には、そのような説明をしてしまう人がわんさかいますが、それが、インテリジェンスを尊重しない説明です。

僕が以前書いたKindle本、『外国語を学ぶ態度』でも、「語学学習の具体と抽象」について説明している箇所があるのですが、そこの話とも共通します。抽象的な話をすることは「相手のインテリジェンスを尊重すること」であり、であるがゆえに積極的にしたほうがいい、とそっちゃそは考えています。

ちょっときつい言葉になりますが、だれかからなにかを教わるときに、その人があなたに対して具体的なアドバイスしかしない場合、その人から舐められてるのだと思います。具体的な話しかしないというのは、子どもなどの抽象的思考が未発達の人に対する話しかけ方なのですが、具体的な話しかされないということは、子ども扱い、動物扱いされているということで、「この人には抽象的思考はまだ早い」と思われているということになります。

外国語を学ぶ態度

実際、「そっちゃそさんは抽象的な話をしてくれる」と過去に言われたことがあります。こちらの意図通りの結果になっているな、というのは感じています。

おまけ

僕はnoteでも、YouTubeでも、ポッドキャストでも、キャッチーな煽りタイトルや煽りサムネイルを使用していませんが、それも、インテリジェンスを尊重することのひとつの形です。まあ正直なところ、YouTubeで煽りを入れずに再生数を取るのはきわめて難しいため、「YouTubeで煽りサムネを使わない」というのは、あまり褒められた戦略ではない気もしています。

noteも、AIのけばけばしいサムネイルが乱造されてしまっている昨今であり、似たような景色になって悲しい感じはします。文章として長い情報を固定してどこかに置いておく、という場所としてのnoteはやはり優秀なのですが、noteが、AI製サムネイルとAI製文章の掃きだめみたいな場所になりつつあることをひしひしと感じており、YouTubeと似た構図になってしまうのかも、と憂いています。

ポッドキャストはその点においては特異的で、「煽る」という他のSNSで幅を利かせている技が機能しないんですよね。インテリジェンスを尊重しやすい場所として残されている場所がポッドキャストだな、と最近では感じており、そのため、ポッドキャストでの発信にかなり力を入れるようになりました。

今回の記事であつかった内容に似た、人間心理に関するネタについては、「人間心理について」のマガジンでまとめています。肩の力を抜いて気楽に楽しめる内容であるはずです:

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▼この記事を書いた人▼

そっちゃそ
フリーランス英日翻訳者。本業で培った知識や経験をもとに、発音指導をはじめとした語学指導もやっています。noteは、僕の思想や考えをひろく公開するために使用しています。

僕の思想や考え方については、考察と思想哲学のマガジンにまとめているのでこちらをぜひご覧ください。語学学習に関するお悩み相談やお問い合わせなどはこちらのLINEからお願いいたします。詳しいプロフィールはこちらから。

ポッドキャストもやっています:

🔵amazon music, 🟣Apple Podcast で楽しむ場合はこちら。

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主な著作:「自分の意見を言うことは『役に立つ』」、「外国語を学習すると決めたときに読む本」、「英語発音学習の第一歩」。既刊一覧はこちらから

さいごに

発音学習の底力」を体験してみませんか。英語力は、発音学習だけでも伸ばせます。学習に新しい風を入れたい方、ネットでこれ以上学習法をあさるのはしんどいと感じる方は、ぜひ以下のページをのぞいていってみてください:

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