【雑感】認知戦:『外交』、面白いですね。
英国のキア・スターマー首相が中国を「真の国家安全保障上の脅威」と呼び警戒を呼び掛けたことを受け、中国は2日、「根拠のない非難」だと反発した。
英政府は世界第2位の経済大国である中国との関係修復を試みているが、中国によるスパイ疑惑や旧植民地である香港の行方をめぐり、両国関係は依然として緊張状態にある。
1日に行われたシティ・オブ・ロンドン市長主催の毎年恒例の晩さん会で、中国について、「真の国家安全保障上の脅威」であり、引き続き同国政府に対し人権問題を提起していくと述べた。
これに対し在英中国大使館は2日の声明で、「根拠なく中国を非難し、内政に干渉する英国側の発言に断固反対する」と述べた。
スターマー氏は、「ある国と協力し、貿易を行いながら、同時に自らを守ることもできる」と述べた。
スターマー氏は、貿易、核拡散、AI(人工知能)、気候変動などの問題について中国と積極的に連携していく意向を示す一方、中国政府がもたらす安全保障上の脅威を抑止するため、治安機関にさらなる権限と手段を与えることも約束した。
(「AFP」2025年12月3日)
「ある国と協力し、貿易を行いながら、同時に自らを守ることもできる」、さすがの老獪さ、といったところでしょうか、、日本も是非、見習わねば。何というか、左右問わずに極限まで振り切っている方々に共通しているのが「ゼロサム」で全てを判断しようとする点なんですよね、、他山の石にせねば、、なんて思いながらも、気になったのがこちらの記事。
中国核戦略の静かな大転換 白書が示した「最低レベル」の終わり|Seculligence |セキュリジェンス @seculligence https://t.co/7KDAwt5IZZ
— 江崎道朗@富民厚防 (@ezakimichio) December 2, 2025
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読んでおきたい。
北京が騒いでいる背景に何があるのか、理解できる。
前回白書は「中国脅威論」への反論として機能したが、約2万字と内容が倍増した今回は--習近平による核使用の通告書--と呼ぶ以外の何ものでもない。中国が静かに、しかし決定的に変わったことを世界に突きつけた白書を見ていく。
自衛防禦の核戦略とは、相手が核攻撃を躊躇する程度の限定的な能力で十分とする考え方。一方で相互確証破壊とは、いかなる先制攻撃を受けても確実に報復できる能力を備えることで、先制攻撃を抑止する考え方である。
(「Seculligence |セキュリジェンス」2025年11月30日)
「相互確証破壊」ときましたか、、ソ連の崩壊に伴って緩やかな核軍縮の時代に入れたのはあくまで一時的でしかなくなってしまったと、そういった意味では時代が変わった、、「不変の存在(事象)などないのですよ」といった感じですかね。これはこれで、ある種宿命的なモノでもあるのでしょうけども、できるだけ先延ばししたいのが本音です。
繰り返すが、2025年白書は中国の核戦略が静かに、しかし決定的に変わったことを示すマイル・ストーンなのだ。「先制不使用」と「自衛防禦」という看板は残したまま、「必要十分な報復能力」を確保する戦略に完全にシフトしたことを宣言した。
この変化は日本に大きな影響を及ぼす。米中の核戦力が均衡し、相互確証破壊による核抑止が確立されれば、日本が置かれる戦略環境は大きく変化する。中国が「最低レベル」の水位を自ら高める中で、核戦力増強に歯止めをかける仕組みは存在しない。
(「Seculligence |セキュリジェンス」2025年11月30日)
とまぁ、なかなかに興味深い論考でもありましたが、なおさらに「エンタメの台詞云々が不適切やろ」とかの"些末"なことで「日本国内の分断を煽るような真似」には与しないよう、自制しておきたいところとはあらためて、こちらの論考なども拝見しながら。
(習政権が)「外敵」を政治的に利用するとしたら、その使命を受ける可能性が高いのは台湾や日本ではないか。
習政権の対日政策も雲行きが怪しい。習の意向を反映する新華社の報道や「人民日報」、同紙の大衆紙「環球時報」は、高市早苗首相が誕生する前から日本の保守化を警戒し、中国の主権や権益を守れと呼びかけていた。そうした報道は、あたかも、「右翼」高市が中国ナショナリズムのスイッチを入れてくれるのを期待しているようだ。
(『外交(94号)』益尾知佐子氏論考より)
【『外交』最新94号無料公開 習体制の対立軸は】
— 雑誌『外交』編集部(時事通信出版局) (@gaiko_jiji) November 28, 2025
国際情勢よりも社会統治や実体経済を重視……。10月の中国共産党四中全会声明に、益尾知佐子九大教授は習政権「独裁」に対抗する軸を読み取る。習主席が国内引き締めに「外敵の脅威」を使うとしたら、その相手はどこの国か。https://t.co/empL6jitb3 pic.twitter.com/dMQH17N3WF
とまぁ、ここだけ切り出してみると「高市政権」の強気がアダとなっているなんて風にも解釈したくて仕方がない"界隈"が元気に飛び出してきそうな感じでもありますが、、左右問わずに。
習は現在なお、経済でも軍事でも権力を掌握している。だが彼はもう、一時期ほど絶対的な存在ではない。この四中全会が習への対立軸を生みだし、その集権化に歯止めをかけたことで、中国経済の「ソ連化」のリスクは下がった。そして、2年後の党大会で、彼が総書記から退任する可能性も見えてきた。
逆に経済紙「財新」は、高市が首相所信表明演説で二中関係の安定を望むと述べたことを強調する。「実体経済」重視派は、対日観でも習政権とずれている。
(『外交(94号)』益尾知佐子氏論考より)
前後の文脈も踏まえて俯瞰してみると、なかなかに興味深い状況となっている「可能性」も見てとることが出来て、個人的には非常に面白く拝読いたしました。
さて習は、政権延命のため国家安全保障の危機を演出することになるのか。中国の今後の対日、対台湾政策の動向を注視したい。
(『外交(94号)』益尾知佐子氏論考より)
とはいえ、希望的観測や油断できる状況でもないのは変わらずに、だからこそより一層の「日本国内の分断を煽るような真似はしたくない」といったところ。
そういった意味では、今回の立憲民主党の岡田氏と野田氏の論調のズレもあわせて気にしておきたいですかね、、前者は批判的に、後者は肯定的にとらえています。
というか、『外交』、定期購読してみようかな、、
