【ショートショート】おとしもの
探検家であり考古学の権威である我が師、スタンリー・ムーが姿を消し数年。アマゾンの奥地で師の手記が発見された。
雨風にさらされ、文字の判読も困難を極めたその手記の解読にこの度、私は成功した。
その中身の一部をここに記す。
***
遥か昔のことである。
頭は雲を突き抜け
山よりも大きな巨人の文明が
この星には栄えていた。
文明は発達し、この星のそこかしこに
彼らの息づかいが残されていた。
山は彼らの椅子だった。
森を布団とし、海を風呂とした。
「うわー、スマホ落としたわ」
「まじ?どこに?」
「わかんねぇ。長いストラップ付いてたんだけど、どっか落ちてない?」
「こう水浸しだとなー」
彼の落としたスマホは北海道になり
ストラップは本州を形作った。
これらの事実は、南米大陸に描かれた、地上絵を読み解くことで明らかとなった。
信じるか信じないかは、あなた次第である。
***
師の正気を疑いたくもなるが、真相はわからない。
願わくば未来永劫、巨人のスマホが震えないことを、筆者は切に願う。
終
田原にかさまの毎週ショートショート【モバイル北海道】に参加させて頂きました。
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