【私はこうして生きてきた】3
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小学校の高学年にもなると
『恋』が始まっていた。
今思い出すと、いつ、どのタイミングで
好きを覚えたのかわからない。
幼い頃は、よく面倒を見てくれた
親せきのお兄さんを好きと言ったり、
よく顔を合わせる近所の男の子を
好きと言ったりしていたが
これは恋ではなかったのだろう。
その恋は確か小学5年生。
これがきっと初恋だったんだと思う。
同じクラスのYくんだった。
サッカーをしているわりには色白で
ほっぺたが常にピンク色。
ツヤツヤのおかっぱ頭に
いつも少し寝ぐせがついていて
どちらかと言うと、細身で小柄だった。
っと言っても、私が大柄だったから
そう感じたのかもしれない。(当時162㎝だったと思う)
確か、なにか用があって彼が話しかけてきたんだけど
それまで、話したことがなかったから知らない男の子だった。
やんちゃな男の子達と一緒にいる割には、
口調が優しくおっとりしていて
よく見ると、切れ長の垂れ目で鼻筋が細く高く
少し大きめの口が綺麗に歯を出してニコッと笑っていた。
たぶん、当時はイケメン枠だった。
なんだか、気になるようになって
クラスの子にYくんの事を聞いてみたり
口を開けばYくんの話をしていたり
目で追っては後を付けてみたり
サッカーの練習があると聞けば
お休みの日にも見に行ってみたり…
今思えば、ストーカーだよな。。。
周りから見ても私がYくんを好きなのは
丸わかりだったんだと思う。
それでも私は好きとは違うと思っていた。
よく、男の子は好きな子をいじめるっと
いうけど、私もそっちのタイプであった為、
なにかとYくんにちょっかいをかけては
軽いパンチやキックをしていたような気がする。
そんなんだったから、私が恋だと気が付いた時には
Yくんは私を嫌いになっていたんだ。
6年生にもなると
男の子にも恋心が芽生えてくる。
変わらずYくんを好きな私だったが、
Yくんは、当時クラスいち美人のMちゃんを
好きになっていた。
Mちゃんは、とってもシャイで大人しい子だった。
声すらもとっても小さく『か弱い』がピッタリだった。
私とは真逆。
それだけど、当時は割かし仲が良く
お休みの日も遊ぶことがあった。
その時に、見せるMちゃんの姿は
学校では想像できない程、大声でしゃべり
変顔をしふざけている事が多かった。
今思えば…心を開いてくれたからこそ
素の姿を出してくれていたのかもしれないが
当時の私はそうは思わない。
だって、Yくんが好き子なんだもの。
だから、Mちゃんをぶりっ子と呼んでしまった。
だが、そう思っていたのは私だけではなかった。
クラスの女の子の大半はそう思っていたらしい。
(女って幼い頃から怖いよね)
それに、Mちゃんは秘密主義な女の子だった。
田舎で年頃の女の子の会話といえば好きな人の話だった。
もちろん、Mちゃんにも聞かれたことはあったが
Mちゃんはいないと言い張っていた。
夏休みに入るころだったかな
みんなで花火大会に行く予定を立てていたと思う。
そこにクラスの男子が飛び込んできて
いたずらそうな声と顔で
「MちゃんはYと浴衣デートだもんな」
っと、ぶっこんできた。
そう、
MちゃんとYくんは付き合い始めていたのだ。
あんだけYくんを観察していたのに
まったく気が付かなかったし
私と好きな人の話をしていたMちゃんは
もうYくんの彼女だったんだ。
その場の空気が凍ったのは覚えている。
どういうこと?好きな人いないんじゃなかった?
私がYくんを好きなのしってたのに?っと
私は問い詰めていた。(もっと子供っぽかったと思う)
Mちゃんは泣き始めてしまった。
しくしくと静かに大人しく。
その姿にさえ腹が立ち、立ち上がったその時に
Yくんがやってきた。
そしてこう言った…
「Mちゃんをいじめないでくれる?」
小学生ながらにショックだったんだと思う。
心臓をトンカチで叩かれて
頭から水をかけらてた気分だった。
私はストンと椅子に落ちた。
力が抜けていくのに、心臓だけは痛かった。
これが初恋で初失恋だった。
だから私は
恋は悲しいものと思ってしまったのかもしれない。
大人になっても引きずるとは、
当時の私は思っていないだろう。
