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女性がバス運転手になるには|大型二種免許を「会社のお金で取る」方法があるって知ってた?【Her Shift】

路線バスに乗ったとき、運転席に女性がいて「おっ」と思ったこと、ありませんか。

あの大きな車体をすいすい操って、アナウンスをして、お客さんに「ありがとうございました」と声をかける。かっこいいな、と思う。でも次の瞬間、こう考えて終わりませんでしたか。

「まあ、私には無理だけど」

その「無理」、分解するとたぶん2つあります。「免許とお金の壁」と、「あんな大きい車体、運転できる気がしない」問題

今日はこの2つの壁が、思っているよりずっと低いという話をします。


バスは最上位の大型二種免許。取得に30万〜60万円

バスの運転に必要な「大型二種免許(大型自動車第二種運転免許)」は、運転免許の中でいちばん上のランクです。大きな車体を操る技術に、お客さんを乗せて運ぶプロの技術が上乗せされた免許。

教習所で取ると、およそ30万〜60万円かかります(※1)。

……はい、ここで「無理じゃん」と閉じたくなる気持ち、わかります。自腹でこの金額は、なかなか出せません。

でも、バス業界にはこの常識をひっくり返す仕組みがあります。

「0円で取る」のからくり【養成制度】

多くのバス会社に「養成制度」という仕組みがあります。普通免許だけで入社して、会社のお金で大型二種を取る制度です(※2)。

流れはこうです。まず、会社が教習費用を立てかえてくれます(貸付というかたちが多い)。教習に通っている間も、お給料が出る会社が多い。そして、決められた年数を働くと、返済がまるごと免除。つまり実質0円で、運転免許の最上位が手に入ります。

なぜ会社がそこまでするのか。答えは単純で、バス業界も深刻な人手不足だからです。「免許を持っている人を待つ」のをやめて、「免許はうちで取らせる」に舵を切った会社が増えている、ということです。

ただし、タクシーの免許サポートと同じ注意がここにもあります。「◯年より前に辞めたら費用は自己負担」という条件つきです。目安は2〜3年。この年数は会社によって違うので、応募前にかならず確認してください。

そしてもうひとつ、見落としがちな落とし穴があります。ふだんの免許が「AT限定」の方です。

AT限定の方は要注意

大型二種の教習を受けるには、普通免許のAT限定を解除しておく必要があります。バスはMT操作の世界だからです。

解除は最寄りの教習所で3〜7時限ほど、費用は2〜7万円程度(※2)。「え、そこは自腹?」と思いますよね。会社によってはこの解除費用まで負担してくれるところもあるので、AT限定の方は応募前に「AT限定解除も支援に含まれますか?」と聞いてみてください。この一言で数万円変わります。

ちなみに、この「MTの壁」自体が、いままさに取り払われつつあります。バス車両のAT化が進んだことを受けて、中型バス用の二種免許には2026年4月からAT限定ができました。大型二種も2027年10月からAT限定が導入される予定です(※4)。つまりあと少し先には、「AT限定だから」とあきらめる理由そのものがなくなっていきます。

ちなみに受験できる年齢は、21歳以上・普通免許3年以上が基本。2022年の法改正で、特別な教習を受ければ19歳・免許1年からでも可能になりました(※3)。上限はありません。

さて、免許とお金の壁の話はここまで。もうひとつの、たぶんいちばん大きい壁の話をします。

「あんな大きいの、運転できる気がしない」問題

正直、免許代0円と聞いても、こう思いませんでしたか。「お金の問題じゃない。あの長さ、あの車幅を、私が操縦できるわけがない」と。

その感覚は正しいです。今のあなたには運転できません。 教習を受けていないんだから、当たり前です。

でも、ここで思い出してほしいことがあります。養成制度は「運転できる人を探す」制度ではなく、「運転できない人を、プロに育てる」前提で設計された制度だということ。教習所で車両感覚を場内からゆっくり作り、路上に出て、卒業しても、いきなりひとりでは走らせません。営業所での研修があり、先輩が隣に乗る添乗指導があり、ルートを覚えてから、ようやくデビューです。

それに、運転席に座るとわかる意外な事実もあります。バスの運転席は高くて、視界はふつうの車よりずっと開けています。そして路線バスは、毎日同じルートを走る仕事。「知らない道を大きな車で走る」のではなく、「覚えた道を、覚えた手順で走る」仕事なんです。慣れの積み上げが効くタイプの仕事、と言えます。

現場でよく言われるのは、「運転がうまい人より、確認を丁寧にできる人が向いている」ということ。スピードや度胸の世界ではなく、ミラーを見る、指差しする、焦らない。その積み重ねの仕事です。「運転は好きだけど、腕に自信があるわけでは…」くらいの方が、ちょうどいいのかもしれません。

「でも、バスって朝が早いんでしょ?」——はい、そこは正直に話します。

正直な話。バス特有の働き方の話

路線バスには「早番・遅番」に加えて、「中休(なかやすみ)勤務」という独特の形があります。朝のラッシュを走って、昼に長い休憩(数時間)を挟んで、夕方のラッシュをまた走る働き方です。

朝は早いです。始発を担当する日は、夜明け前に営業所に入ります。その代わり、昼過ぎに上がれる早番の日は、夕方の時間がまるごと自由になる。この生活リズムを「合う」と感じるか「無理」と感じるかは、ほんとうに人それぞれです。

もうひとつ。バスとひとくちに言っても、路線バスだけではありません。観光バス、企業や学校の送迎バスもあります。送迎バスの中には、大型二種がいらない小さめの車両で、朝夕だけの短時間勤務、という求人もあります。「バス=路線バスのフルタイム」と思い込むと、選択肢を狭めてしまいます。

営業所のトイレや更衣室が女性用に整っているかは、会社によって差があります。ここは求人票ではわからない部分の代表格。見学のときに確認していい場所ですし、聞きにくければ私たちが代わりに聞きます。

「私には無理」のほとんどは、思い込みかもしれない

  • 大型二種は30万〜50万円。でも養成制度なら実質0円(返済免除の年数だけ確認!)

  • AT限定は先に解除が必要。解除費用まで出る会社もある

  • 朝は早い。でも路線・観光・送迎で生活リズムは選べる

  • 「運転できる気がしない」は当たり前。できない人をプロに育てるのが養成制度

「バスの運転手さん、かっこいいな」で終わらせなくていい理由、伝わったでしょうか。タクシーとの違いが気になった方はこちらにも詳しく解説しています。

※1 指定教習所での大型二種免許取得費用の一般的な目安(2026年時点の各教習所公表情報より。所持免許により変動) ※2 バス会社各社の養成制度(大型二種免許取得支援制度)に関する公表情報。費用負担の範囲・返済免除の勤続年数・AT限定解除の扱いは会社により異なる ※3 警察庁:2022年(令和4年)5月13日施行の道路交通法改正により、受験資格特例教習の修了で「19歳以上・普通免許等保有1年以上」から第二種免許の受験が可能に ※4 警察庁:道路交通法施行規則の改正により、AT限定免許の対象を拡大。中型第二種は2026年4月1日から導入済み、大型第二種は2027年10月1日から導入予定

この記事は、女性のためのドライバー転職サービス「Her Shift(ハーシフト)」(運営:株式会社Unitas)がお届けしました。

Her Shiftは、女性向けに特化し、タクシー・バス・配送のドライバー職を横断して扱う転職支援サービスとして日本初(※当社調べ、2026年7月時点)。求人票ではわからないこと——女性が何人働いているか、トイレや更衣室、シフトの融通、子育てとの両立のしやすさ——を会社にじかに聞いて、一人ひとりに合った職場探しをお手伝いしています。

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この記事について 株式会社Unitas(Her Shift運営)。子育てと仕事を両立しながら働く社員が多くいる会社です。「働き続けられるかな?」を考えるときに何がわかっていると安心か、同じ目線で考えながら、会社にじかに聞いた情報をもとにお届けしています。 記載のデータは執筆時点の公開情報に基づきます(各記事内に出典を明記)。


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