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ルート配送はきつい?|コンビニ・スーパー・医薬品、実はこんなに別の仕事でした【Her Shift】

「ルート配送」の求人を何件か開いて、あれ、と思ったことはないでしょうか。

ある求人には「重い荷物は少なめ、体力に自信がなくても大丈夫です」と書いてある。でも別の求人には「毎日、台車で運ぶ力仕事があります」とある。同じ「ルート配送」という言葉なのに、書いてあることがまるで違う。どちらを信じればいいのか、よくわからなくなってしまいます。

実はこれ、求人票の書き方がバラバラなのではありません。運ぶものによって、仕事の中身がかなり違うために起きていることです。この記事では、コンビニ・スーパー・医薬品という代表的な3つの配送先を例に、「きつさ」の正体がどこにあるのか、ひとつずつ確かめていきます。

壁①:運ぶものの中身の壁

まず、クイズです。コンビニ向け・スーパー向け・医薬品向けのルート配送、荷物がいちばん重くなりやすいのは、どれだと思いますか。

——現場でよく語られる感覚では、スーパー向けの配送です。コンビニ向けは、1つのお店ごとに商品がケースで小分けにされていて、1回に運ぶ量はそれほど多くありません。その代わり、1日に回るお店の数が多いのが特徴です。スーパー向けは逆に、お店の数は少なめでも、1店舗あたりの発注量がまとまっていて、飲料や加工食品のケースを何個もまとめて運ぶ場面が出てきます。台車やカゴ車を使うのが前提の仕事、といったほうが近いかもしれません。

医薬品の配送は、また違う種類の負担があります。荷物そのものは軽いものがほとんどですが、決まった時間までに届けなければならない正確さが求められますし、保冷が必要な薬を扱う場合は、温度管理にも気を配る必要があります。「体力より、几帳面さで選ばれる配送」といえるかもしれません。

つまり、「ルート配送はきつい」と一言でまとめてしまうのは、少しもったいないということです。同じ「配送」でも、体力で勝負する場面が多いのか、時間や正確さで勝負する場面が多いのかは、運ぶものによって別世界と言っていいほど違います。

荷物の中身がわかったところで、次はもうひとつの「きつさ」、時間の壁を見ていきます。

壁②:時間・拘束の壁

配送の仕事は、拘束時間が長いのではという不安もよく聞かれます。ここでも数字を見てみましょう。トラック運転者の拘束時間は、2024年4月の改善基準告示の改正で新しいルールになりました(※1)。

1か月の拘束時間は284時間以内。労使協定を結んでいる会社でも310時間までで、これは年6か月が限度です。1年でみると3,300時間以内(協定でも3,400時間まで)と決まっています。休息期間は、継続11時間以上を基本とし、9時間を下回ってはいけません。運転そのものも、4時間を超えて続けて運転してはいけないというルールがあります(※1)。

長距離を走る便に比べると、ルート配送は基本的に同じ地域を回り、その日のうちに拠点へ戻ってくる働き方が中心です。泊まりがけの運行が少ない分、生活のリズムを整えやすいと言われることが多いのですが、実際の始業時間や拘束時間は会社や配送先によって差があります。「何時に出発して、何時に終わるか」は求人票の言葉だけでは判断しづらいところなので、面接や見学で確認しておきたいポイントです。

時間のルールがわかったところで、次に気になるのは、やっぱりお金の話です。

壁③:お金の壁

ルート配送を含むトラック運転者の平均年収は、およそ507万円といわれています(※2)。月にすると、だいたい42万円くらいのイメージです。

ただ、この数字も丸ごと信じるのは早いかもしれません。大型トラックか、軽自動車(いわゆる軽貨物)かといった車両の大きさによっても金額差がありますし、固定給と手当の組み合わせ方も会社によってさまざまです。「平均507万円」は、いろいろな車両・雇い方をならした数字だという前提で見たほうがよさそうです。

この背景にあるのが、深刻な人手不足です。令和6年度、トラックドライバーの有効求人倍率は3.2倍でした(※3)。全職業の平均がおよそ1倍前後であることを考えると、会社の側が「なんとか来てほしい」と考えている状況がうかがえます。人手が足りていないということは、働く側にとっては、条件を選びやすい状況でもあるということです。

人手が足りていないという話は、実はもうひとつ、別の意味も持っています。

壁④:女性が少ない壁

運送業で働く人のうち、女性の割合はどれくらいだと思いますか。

——およそ4.7%です(※4)。100人の配送センターがあったとしても、女性はまだ5人に届かないくらい、という計算になります。少ないと感じる方が多いと思いますし、実際に少ないです。

ただ、これは「女性には向かない仕事だから」ではなく、単純に「まだ選択肢として知られていない」からという面が大きいと私たちは考えています。深刻な人手不足を背景に、女性の採用に力を入れる会社は増えてきていて、荷物の重さや勤務時間帯を選べる求人(コンビニ向けの軽貨物便など)も出てきています。

正直に:大変なところも

いいことばかりでは公平ではないので、大変な面もお伝えします。屋外での積み下ろしがある仕事なので、夏の暑さや冬の寒さの影響を受けやすいのは事実です。台車やカゴ車を使うとはいえ、重い荷物を持ち上げる場面がゼロになるわけではありません。また、時間どおりに届けることへのプレッシャーは、医薬品配送に限らずどの配送先でもついて回ります。トイレや休憩場所の環境も、営業所や配送先によって差が大きいのが、ほんとうのところです。

まとめ:選択肢と判断材料

  • 体を動かすほうが性に合っていて、重い荷物にも抵抗がない方には、スーパー向けの配送が向いているかもしれません

  • お店を何軒も回る、細かい仕事のほうが得意な方には、コンビニ向けの配送が合っている可能性があります

  • 力仕事より、時間や正確さを大事にする働き方をしたい方には、医薬品配送という選択肢もあります

「ルート配送はきつい」かどうかは、結局、どこに何を届けるかで答えが変わります。運ぶものの中身を確認するところから、会社選びを始めてみてください。

会社によって差が大きいのは、配送だけの話ではありません。タクシーも同じです。また、人手不足の背景をもっと詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

この記事は、女性のためのドライバー転職サービス「Her Shift(ハーシフト)」(運営:株式会社Unitas)がお届けしました。

Her Shiftは、女性向けに特化し、タクシー・バス・配送のドライバー職を横断して扱う転職支援サービスとして日本初(※当社調べ、2026年7月時点)。求人票ではわからないこと——女性が何人働いているか、トイレや更衣室、シフトの融通、子育てとの両立のしやすさ——を会社にじかに聞いて、一人ひとりに合った職場探しをお手伝いしています。

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この記事について 株式会社Unitas(Her Shift運営)。子育てと仕事を両立しながら働く社員が多くいる会社です。「働き続けられるかな?」を考えるときに何がわかっていると安心か、同じ目線で考えながら、会社にじかに聞いた情報をもとにお届けしています。 記載のデータは執筆時点の公開情報に基づきます(各記事内に出典を明記)。

※1 厚生労働省(北海道労働局)「トラック運転者 改善基準告示に関するQ&A」等。2024年(令和6年)4月1日施行、トラック運転者の1か月の拘束時間は284時間以内(労使協定により年6か月まで310時間まで延長可)、1年の拘束時間は3,300時間以内(協定で3,400時間まで)、休息期間は継続11時間以上を基本とし9時間を下回らない、連続運転時間は4時間以内(サービスエリア等に駐車できない場合は4時間30分まで延長可)。https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001434519.pdf ※2 厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」トラックドライバーの職業詳細ページ(令和7年賃金構造基本統計調査ベース)。平均年収はおよそ507万2,000円。https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/477 ※3 同上job tag。令和6年度のトラックドライバーの有効求人倍率は3.2倍 ※4 同上job tag。トラックドライバーに占める女性の割合はおよそ4.7%


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