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夫と娘はヴェルサイユ宮殿、自分はパリ市内のデパート巡り、のはずが・・・。

※2025年8月に9泊11日でパリを訪れた時の旅レポです。

パリ5日目は、ヴェルサイユ宮殿へ。

といっても、実際にヴェルサイユ宮殿の内部を見学するのは夫と娘の2人だけ。私自身は大昔に1度ヴェルサイユ宮殿に行ったことがあり、もう一見学したいとは特に思えなかったので、今回はスキップすることにしました。

それなのになぜわざわざ電車を乗り継いで、夫と娘に付き添う形でヴェルサイユ宮殿がある郊外の駅まで同行したのかというと、障害者手帳保持者の私が行くことにより、夫の分の入場料が無料になるからなのですよ(娘は未成年なのでもともと無料)。

なので、その日は夫と娘と一緒にヴェルサイユ宮殿に入場し、その直後に自分1人だけが離脱してパリ市内にとんぼ返りして、デパート巡りをする! というバラ色の予定を立てていました。

事前に、凱旋門の近くの待ち合わせスポットを決めて、午後7時半にここで落ち合って一緒に夕食を食べに行くことにしましょう、ということにしておいて、いざ、別行動♪

あれ、なんだろ、このデジャヴ感。

そういえば、2016年にニューヨークに行った時も、ミュージカルを観に出かけた夫と娘と別行動をして、マンハッタンで束の間のお一人様タイムを楽しもうとしたんだっけ。

結果的にあまり楽しめなかったんだけど、まあそれはそれとして。

ちなみにパリで巡る予定を立てていたデパートは、ル・ボン・マルシェ、サマリティーヌ、プランタン、ギャラリーラファイエットの4つ。

ヴェルサイユからパリ市内に戻った時点ですでに午後2時半頃だったのですが、夫と娘との待ち合わせ時間は午後7時半なので、気分的にはけっこう余裕しゃくしゃくでした。

最初に向かったデパートは、ル・ボン・マルシェ。

パリのデパートはどこも建物がとても素敵

パリに住んでいたことがある知人によると、このル・ボン・マルシェはパリのデパートの中でも一番高級なデパート、という位置付けであるとか。

ル・ボン・マルシェには、1日目にサンジェルマンデプレ地区のカフェ・フロールに行った後で立ち寄っているのですが、遅い時間に行ったせいで到着してから30分もしないうちに閉店時間になってしまい、その時は残念ながら店内をろくに見ることができませんでした。

ゆっくりと見ることができたのは、最上階の3階(←日本式の4階)の本屋さんのみ。

もし英語圏の国の本屋さんだったなら、読みたい本や雑誌をじっくりと吟味したいところだけど、フランス語はさっぱりなので、陳列されている本をざっと眺めながら歩きましたっけ。

そういえば、自分は蔦屋書店のセレクションが好きなので代官山の蔦屋書店に時々行くのですが、けっこうな頻度で外国人観光客の方を見かけます。

いかにも観光客、という雰囲気の方が多いので、日本語読めるんかいな、と思ってそのうちの1人が手にしている本のタイトルを盗み見したら(←感じ悪w)、英語版の村上春樹の小説でした。

もしかしたら、「ユニークな書店」としてガイドブックあたりに載っているのかも? お洒落な雑貨類も置かれている本屋さんらしくない本屋さん、みたいな感じで。

さて、ル・ボン・マルシェ内の書店では、漫画コーナーが意外と充実していました。

マンガに疎いので何の本なのかさっぱり・・・


初心者向けのマンガキットまでありましたよ

フランスで日本の漫画が大人気であることは聞き知っていたけれど、実際の本屋さんでの陳列を見て、なるほど、と感じ入ってしまいました。Japan Expo なんかも、毎年大盛況らしいですね。

本屋さんに併設する形の文具や画材の売り場も、売り場面積がそれなりに広く取られていました。

スペースに余裕がある陳列が素敵

夫がこの画材コーナーでフランスらしい表紙の小洒落たクロッキー帖を見つけて自分用に購入したのですが、何種類かあった表紙のうち、どの表紙のものにするか悩んでいたタイミングで、

「One minute」

と、男性の店員さんに英語で声をかけられた。

英語話者的な感覚で言うと、one minute というのは、日本語で言うところの「ちょっと待って」に近いニュアンスがありますよね。人によって、just a minute、a moment など、言い方は少し変わるけれど。

なので、私はその one minute という言葉を、その店員さんが、

「どのクロッキー帖にするかでお悩みになっているみたいですね。選ぶのを手伝って差し上げますから、ちょっとお待ち下さい(one minute)」

という意味で発したのかと思ったのです。

どちらかというとぶっきらぼうな感じに見える店員さんだったので、見かけによらず意外と親切な人なんだな、と感心しかけたのですが、実はそうではありませんでした。

店員さんが発した one minute というセリフは、文字通り「1分」という意味で、彼はデパートがあと1分で閉店することを教えてくれたのでした。

「え、あと1分で閉店?」

と、慌てて、夫が手にしていたクロッキー帖を持ってレジにダッシュしたことは言うまでもありません。

本屋さんを出た後で、もう少しゆっくりとデパート内を見て回りたかったのですが、閉店時間となってしまっては仕方がないので、エスカレーターで下まで降り、正面の出入口に向かいました。

その時に印象的だったというか、ちょっとしたカルチャーショックだったのは、すべてのフロアの店員さんが、

「閉店時間ですよ、さあ早く、早く!」

という感じでまだデパート内に残っていた客をとにかく急いで外に追い出そうと必死だったこと。

そして、客を外に出すと同時に、自分たちも我先にと出入口に向かって足早に駆けて行ってしまったこと。


「・・・おーい、閉店後の片付けは誰がやるんかーい!」


と、思わず突っ込みたくなってしまうほどの急ぎ具合!

まあね、わかりますよ? 勤務時間が終わったら、さっさと職場を後にしてプライベートを楽しみたい気持ち。

でも、警備員さんだけを残して、後はよろしく! と言わんばかりに大勢でガンガンと去って行くという態度って、働く立場として、ちょっとどうなんでしょうかね?

日本のデパートに閉店時間まで滞在したことがないので、実際にどんな感じなのかはよくわからないのだけど、おそらく、

「お客様、大変申し訳ございませんが、もうすでに閉店時間を回っております」

と、申し訳なさそうな表情を浮かべつつ、恭しくお辞儀をしながら静かに退店を促す、という感じになるんじゃないでしょうかね?

それか、あれでしょうか、閉店15分くらい前から「当店は間もなく閉店でございます」と、物悲しい音楽に合わせて館内放送を延々と流し続けて自発的な退店を促すか。

少なくとも、手でしっしっ、と追い払うように、客を出入口に急がせることは100%しない、と断言できます。もしそんなことをしたら、クレームの嵐、なんかでは済まないでしょう。

なので、ル・ボン・マルシェで働く店員さんたちの態度にはいささか驚かされたのですが、良く解釈すると、ワーク・ライフ・バランスが保たれている、ということになるのかもしれません。

まあそんなわけでして、1人でこのル・ボン・マルシェを再訪した時は、3階の本屋さんのフロアはスキップし、0階、1階、2階のみを探索。

入り口を入ってすぐのところに、オリジナルのバッグや小物類が。

バッグを触ってみたら素材が硬くてびっくり

ル・ボン・マルシェだけではなく、後から訪れたサマリティーヌやプランタンでもこの手のオリジナルの雑貨類が出入口付近で多く売られていましたが、正直、どこに需要があるのかさっぱり不明。

普通に考えると、やっぱり観光客向けの商品なのだろうとは思うのですが、たとえばバッグなんかは固い合革素材で明らかに低品質だし、これらのアイテムのせいでデパートの格まで下がったように見えてしまう気がします。

8月という時期のせいか、ヴァカンス用を意識したコーナーの場所が広く取られていました。

見ているだけで楽しいカラフルさ!

並べられている商品が口々に「サントロペ(Saint Tropez)!」と叫んでいるような感じで、個人的にはこの元気な感じは嫌いじゃない。

建物の吹き抜け部分にも、オレンジとピンクのバルーンが。

バルーンのサイズはかなり大きめ

個人的にデパート巡りが嫌いではないので、それなりに楽しむことはできたのですが、個々の店舗をじっくりと見て回る気分にはあまりなれず、0階から2階までを駆け足で回って、ル・ボン・マルシェを後にしました。

ル・ボン・マルシェを出た足でそのまま地下鉄でポン・ヌフに出てサマリティーヌに行ったのですが、ル・ボン・マルシェ同様、サマリティーヌというデパートも、個人的にまったく、心躍るものが感じられませんでした。

テナントとして入っているブランドも似たり寄ったりだし、それぞれのブランドのセレクトもこれまた似たり寄ったりで、そのデパートならではの個性のようなものが希薄に感じられた点が一番の理由だと思っています。

パリのデパートの魅力って、その歴史ある建物だけなのかな、なんて思ったり。

さて、ル・ボン・マルシェを駆け足で見て、ポン・ヌフの近くにあるサマリティーヌに到着した時刻は午後4時だったのですが、サマリティーヌの店内に足を一歩踏み入れた瞬間、電話が鳴りました。

電話をかけてきたのは娘で、ヴェルサイユ宮殿の見学を終えて、疲れたから一旦アパルトマンに戻ってきたのだが、鍵がないから室内に入れない、とのことでした。

アパルトマンの鍵は1つしかなく、その鍵は自分が持っていたのです。

娘も夫も、鍵を持っていないという事実をすっかり忘れていて、アパルトマンの玄関に到着した時に「あ、中に入れないんだった」と思い出したらしく・・・。

こんなことになるとわかっていたら、鍵は玄関のキーボックスに入れて出てきたのですが、時すでに遅し。

午後7時半まで1人きりで自由時間、というバラ色の予定が目の前でガラガラと音を立てて崩れてしまって悔しかったけれど、アパルトマンのドアの前で途方に暮れている娘のことを考えるとそうも言っていられなかったので、そこはグッとこらえて自分も帰ることにしました。

が、オペラ地区にあるギャラリーラファイエットとプランタンはまた行く機会がありそうだったけど、サマリティーヌがあるエリアにはもう来ない可能性が高かったので、そこからものすごい駆け足でデパート内は歩いてきました。

午後4時に娘から電話を受けて、そこからサマリティーヌの中を歩き回り、また地下鉄に飛び乗ってアパルトマンに帰り着いたのは午後4時50分。

我ながら、けっこうなスピード感だったと思いますw

話をサマリティーヌに戻しますと、1995年に初めてパリを旅行した時に、映画「ポンヌフの恋人」の舞台となった橋が見たくてポン・ヌフを訪れ、そのすぐ近くのサマリティーヌにも行っています。

当時のサマリティーヌは、同じデパートでもギャラリーラファイエットのような煌びやかな雰囲気とは無縁で、園芸用品や子供用の水遊び用品が雑然と並べられているような、どこか庶民的な雰囲気がするデパートでした。

私はそこで売られていた子供用のプラスチックのカップになぜか一目ぼれしてしまい、洗面所で歯磨き用のカップとして、つい15年ほど前まで使っていました。

うっかり落とした時に割れてしまったので泣く泣く処分したのですが、もしまだ割れていなかったら、500円ほどの安いカップだったけど、おそらく今でも使っていただろうと思います。

サマリティーヌは16年間の休業・改修を経て2021年にリニューアルオープンしています。

SANAA が手がけた新生サマリティーヌの建物は確かにとても美しいけれど、デパートとしては没個性的になってしまい、むしろ以前のあまりパッとしなかった頃のサマリティーヌの方がよかったな、なんて思ってしまったり。

さてさて。

サマリティーヌの後に行く予定だったオペラ地区のギャラリーラファイエットとプランタンは後日に回し、その日は午後5時前にアパルトマンに戻って夫と娘と合流。

性格的にギリギリの段階になってからや直前の予定変更は大嫌いなのですが、ル・ボン・マルシェとサマリティーヌがつまらなかったおかげで、夫と娘に雷を落とすこともなく、非常におおらかな気持ちでその日の残りの時間を過ごすことができましたとさw


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