🐜 蟻(アリ)の物語-豆知識 -Vol.5-:「結婚飛行って、どんな日なの❓」
結婚飛行は、羽アリたちにとって「新しい巣をつくる日」です。
リリのようなメスの羽アリは、これから女王アリになる存在。
一方、クールのようなオスの羽アリは、その未来をつなぐために生まれてきた存在です。
そして、結婚飛行は、ただ空を飛ぶだけの時間ではありません。
出会いと別れが重なる、とても大切な時間です。
空には、いくつもの巣から羽アリたちが集まってきます。
そこでメスとオスは出会い、短い時間の中で命をつなぐ出来事が起こります。
人間の言葉では「結婚」と呼ばれますが、アリの世界では、もっと自然の仕組みに近い、静かで確かな交差点のようなものです。
そして現実のアリの世界では、少し切ない事実もあります。
オスの羽アリは、交尾のあと長く生きることは少なく、役目を終えると、まもなく力尽きてしまうことがほとんどです。
未来を運ぶために飛び、未来を渡し終えたら姿を消していく。
オスの羽アリには、そんなはかなさがあります。
一方、女王になるメスは、受け取った未来を体の中にしまい、のちに卵を産むために使います。
なので、結婚飛行は、「これから先の命の準備」をする日でもあるのです。
結婚飛行が終わると、未来の女王は地上へ降ります。
多くの種類では、そこで羽を落とし、巣をつくる場所を探します。
羽を落とすことは、「飛ぶ自分」から「育てる自分」へ変わる合図。
小さな穴、やわらかい土、隠れやすい影。
そんな場所で、新しい命の物語が静かに始まっていきます。
結婚飛行は、出会いが起きて、別れが起きて、未来が始まる日。
リリが飛んだのも、光への憧れだけではなく、これから生まれてくる命のために、自分の未来を選ぶためだったのです。
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