【SB:第2部】ワイルド・ブラッド:インタールード④: 色褪せた写真
▼前回▼
「ハーハーハー‼︎ 闇夜に参上! キバ様だぜー‼︎」
赤目の牙は、ジャンプすると、若木に迫る!
「久しぶりだぜ、ハニー」
かわいいピンク色の女物の部屋着にジャンバー、緑のリュックサックをひっかけた若木。
「? 仮装かな、ハニー?」
「うるっせえ! 吸血鬼バスター1.5!!」
「なんだそのナンバリング!!!」
牙は、颯爽とそれを避ける。
「ベイビー。今日はキレが悪いな。どうしたんだ?」
「るせー。てめーのせーだろ!」
「どゆことかな?」
牙が間合いを詰める!
「いただきま〜す!」
「ぐわ!」
いきなり抱きつくと、ワンちゃんみたいに若木の首を舐め回す。
「う、うまそー、たまらん!」
「やめーぃ! はぁはぁはぁ……」
恐怖に息を荒げる若木に、ますます興奮し、大きく口を開けた牙。
そこへ。
「にんにくましまし、スペシャ〜〜ル!!!」
これでもかと、リュックから出したニンニクを詰めまくる若木。
牙がすぐに目を回す。
「ふん、今度女扱いしたら、絶交な!」
若木は指を荒々しく突きつけ、言い放った。
「……は」
気づいたら、自室にいた。
どうやって帰宅したのか。全然覚えていない。
「ん〜〜〜」
なぜか。ふっらふら。
立ち上がるも、すぐ倒れる。
牙は、本棚にすがりついて、起き上がろうとする。
が、またも倒れる。しかも、
「ぎゃわん!」
鈍い音がして、牙の上に本棚の中身がこれでもか! ってくらい、落ちてくる。
漫画とか、少年雑誌とか、ファイルとか、教科書とか、流行りの8cmシングルCDとか。あとは、内緒だ。
「アレ……?」
床の上に、一枚の色褪せた写真。
縁の白いL判写真だ。
右下に刻まれたオレンジ色のデジタル数字は、自分が生まれる少し前の日付を示していた。
20代くらいの男性が写っている。
ギラギラした目した、熱い感じの男。
開いた襟に、ネックレスをしている。
当たり前のように、ピースをしていた。
「……」
自分の記憶の中にはない、親。
聞かされて、写真で見て、知っているだけの、親。
「とーちゃん?」
▼次回▼
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