草津で、音楽祭と講習会が開かれています。
みなさん、こんにちは。名古屋を拠点に、音楽活動をしているヴィオラ弾き、竹内賢司です。
お盆が終わりました。
お盆が終わると、群馬県の草津温泉に世界の各地からクラシックの演奏家が続々と集まってきます。
音楽祭と講習会が開かれるのです。草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルです。
自己紹介にも書きましたが、私も何度もこの講習会を受講しました。
現在は受講はしていませんが、毎年のようにコンサートやレッスンを聴きに来ています。
今回は、この草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの魅力をお伝えします!
草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの概要

今年の草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルは8月17日から31日まで、2週間にわたって開かれています。
例年、お盆明けに始まって8月末まで2週間ほど開かれます。
この期間、草津町では講習会とたくさんのコンサートが開かれます。
草津の音楽祭とアカデミーの第1回は1980年。今や日本ではたくさんの音楽祭や講習会が各地で開かれていますが、最も早い時期に始まったものの一つです。
魅力その①:毎日コンサート。
音楽祭期間中は毎日コンサートが開かれます。
普通コンサートは夕方4時に始まります。終わりは6時ぐらいです。
コンサートは、草津町中心街から少し離れた「草津音楽の森国際コンサートホール」で開かれます。

音楽祭期間中は草津のコンサートホールやレッスン会場を回る無料巡回バスが運行されています。
実力派奏者による化学反応。
音楽祭には世界各地から音楽家が集まってきており、日本人アーティストも交えてさまざまな編成でコンサートが開かれています。
このコンサートには、世界的に著名な音楽家だけでなく、日本での知名度は決して高くないものの、ずば抜けた実力を持つ音楽家も登場します。
日本ではまだ広くは知られていない、しかし素晴らしい演奏家に出会うことができること、私は、これがこの音楽祭の大きな魅力の一つだと思っています。
また、この音楽祭で出会って共演し、意気投合して音楽祭以外でも大事な共演者となる、という、音楽の化学反応が起こることがあります。この音楽祭で共演しなければ起こらなかった化学反応です。これこそ普段のコンサートとは違う、音楽祭の醍醐味です。
コンサートに足を運べば、みなさんがその化学反応を目撃するかもしれない。
・・・もちろん、本当の実験と同じで、共演してみたけれど期待した「化学反応」が起こらないこともあります。
意欲的なプログラム
音楽祭のプログラムも意欲的で、上に書いた「初共演」以外にも、主催者や出演者がいろいろなことを試しています。
今年の音楽祭のテーマは「Bach is Cool/バッハと涼もう」(ん?誤訳??・・・なわけないですね)。
8月23日日曜日にはブラームスのドイツ・レクイエムの演奏会。ドイツ・レクイエムの楽章間でバッハのヴァイオリン協奏曲やマタイ受難曲のアリアが演奏されるという、意欲的なプログラムが組まれました。
これはドイツ・レクイエムが初演された際のプログラムを一部再現したものです。
主催者は攻めています。
また、20日木曜日のプログラムでは、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータがシューマンの作曲した伴奏つきで演奏されました。
「バッハの無伴奏作品に伴奏をつけるなんて、バッハに対する冒涜だ!」と憤慨する方もいらっしゃると思いますが、シューマンはむしろ、バッハの作品を高く評価していたとだけ書いておきます。
この話題については、興味深いのでいずれ改めて書きたいです。
賛否はともかく、このような珍しい作品(言葉を選ばなければ、ゲテモノと言えましょう)を生で聴く機会なんて、滅多にありません(しかも、超一流の演奏家による演奏で!)。
少なくとも、私は興味深々です。
音楽祭のプログラムがいかに意欲的か、伝わりましたでしょうか。
他にも、さまざまなコンサートが。
ちなみに、午後4時からのコンサート以外に、時には午前中にコンサートが開かれることもあります。
また子ども向けの無料のコンサートも開かれます。
子ども向けのコンサートといっても、決して手抜きではありません。出演者は実力派ぞろいです。ある年の子どものためのコンサートにはピアニストの高橋アキさん(「あの!」)が出演していて、度肝を抜かれました。
温泉街の中心にある日帰り入浴施設では、短めの「湯上がりコンサート」も開かれています。
ホテルのロビーでは講習会の受講生によるロビーコンサート、音楽祭の最後には各クラスを代表する生徒によるステューデント・コンサートも開かれます。
音楽祭期間中には町内各地で無料の「街角コンサート」も開かれ、草津町は音楽で包まれます。

魅力その②:毎日レッスン。〜アカデミー(音楽講習会)
音楽祭と並行して、器楽・声楽の講習会(マスタークラス)が開かれています。
音楽祭に集まった世界の一流音楽家たちは、午前中にはそれぞれのクラスで音楽学生や若い音楽家にレッスンを行います。
厳密にいうと、「ほとんどが若い音楽家」です。
自分自身が楽器を演奏する人や歌を歌う人の中には、コンサートそのもの以上に、レッスンやリハーサルに興味があるという人も少なくないでしょう。
なぜあのような素晴らしい演奏が生まれるのか。演奏している時、一流の奏者は何を考えているのか。
その秘密に迫るチャンスが、音楽家自身によるレッスンです。
音楽祭事務局で申し込み、料金を払えば聴講ができます。
「プロの音楽家や音大の学生の中に混じって聴講なんて・・・」という方には、公開レッスンがおすすめです。
音楽祭の中盤あたりから、一日1クラスずつ、午後の早い時間に開かれます(今年は午後1時15分から3時15分まで。終わってから4時のコンサートにじゅうぶん間に合います)。
もちろん、腕に覚えのある方は、受講することもできます。
ただし、音楽歴が問われたり、オーディションが行われたりすることもあります。
確かに、受講料+宿泊費その他もろもろは、私たちには決して小さい出費ではありません。しかし、海外に在住の一流の音楽家のレッスンを日本にいながらにして受けられる上、毎日開かれるコンサートも聴くことができます。
2週間、日常生活から離れ、一流の音楽家とその演奏とに触れ、音楽の世界にどっぷりつかれば、何かをつかんで帰ることができるはずです(謙虚に学ぶ姿勢があれば、です、もちろん)。
魅力その③〜草津温泉という、最高のロケーション。
草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルが開催される草津町は標高1100メートル以上。真夏日知らずです。
猛暑の名古屋から草津に行くと、もう、天国。
以前は泊まった部屋にエアコンはなく、扇風機だけがありました。私の泊まった宿のおかみさんは25度を過ぎると「暑い暑い」とこぼしていました。
さてさて、毎日午前はレッスン、午後はコンサート・・・夢のようですが、そんな濃い生活を2週間もしていたら体が持ちません。
ですが、そこは草津。「天下の三名泉」(by 林羅山)と呼ばれ、江戸時代の温泉番付の筆頭だった名湯が毎日の疲れを癒してくれるのです。

そして歴史ある観光地である草津温泉、観光資源やグルメも充実しています(詳しくは、『◯るぶ』にお任せします)。
レッスンがお休みの日には、おいしい物を食べて、天下の名湯にゆっくりつかれば、また活力が戻ってくるに違いありません(※個人の感想です)。

こしあん派の私は、富貴堂に軍配。他にも様々な温泉まんじゅうがあります。
終わりに
いかがでしたでしょうか。草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの魅力の一部でもお伝えできていたら、幸いです。
私自身、このアカデミーで素晴らしい先生方、素晴らしい演奏家、そして才能ある若い音楽家に出会うことができました。何度も繰り返し受講したのも、この音楽祭の持つ様々な魅力のおかげです。
みなさんもぜひ、夏に草津町に足を運び、音楽と温泉とグルメを楽しんでいただけたら、と願っています。
そして最後に、ハードワークでこの音楽祭を支えるスタッフさんたちにもエールを贈りたいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
※なお、ここに書かれた情報は記事執筆時点のものです。最新の情報は音楽祭の公式サイトでご確認ください。
この記事を気に入ってくださった方、スキをおしていただけたらうれしいです。フォローも大歓迎です。
コンサートのご案内
レクチャーコンサート 「ヴィオラで聴くバッハ」 Vol.1
10月12日(月・祝) 午後2時開演
スタジオ・フィオリーレ(名古屋市中村区)
プログラム J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1番・第2番
詳細未定
6月28日の公演と同内容です。
レクチャーコンサート 「ヴィオラで聴くバッハ」 Vol.2
2027年1月31日(日) 午後
スタジオ・フィオリーレ(名古屋市中村区)
プログラム J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第3番・第4番
詳細未定
ぜひお越しください。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ、応援をお願いします。いただいたチップは、さらなる音楽活動に役立てていきたいと思います。