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「村々に」は誤読? ~京極派スペース抄~

「心のままにことばの匂ひゆく」ように歌を詠む――鎌倉・南北朝時代の和歌文脈において異色であったこの歌論を、京極派という和歌グループは選択しました。
その京極派について、X(旧Twitter)にて毎週お話しています。

この記事は、そんな京極派スペースの音声を読み物として整えた京極派スペーステキスト版の一部を抜粋したものです。



2026年3月28日放送スペース「花を詠んだ京極派和歌(玉葉集)」
5月13日テキスト化した「『玉葉集』の花盛り」より。

実はあながち誤読とも言い切れないかもしれない誤読、
という体験をした箇所を、今回テキスト版から抜粋しご紹介します。


全文を読みたい方はこちら(テキスト版)
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「村々に」は誤読? ~京極派スペース抄~

関係ない話ですけど、私がおととし隠岐後鳥羽院和歌大賞で城南宮鳥羽殿を頂いたときの歌が

むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけり

です。
この「むらむらに」というのは、「ムラになっている」ということ。
「むらむらになびいて、見えたり見えなかったり」ということ。
その後に「見えみ見えずみ(見えたり見えなかったり)」もありますし。

霞が、ここは濃い、ここは濃くない、ここはほとんど霞がかかっていない、という状態を「むらむらに」霞がなびくと表します。
そのむらむらになった霞によって、やっぱりむらむらに見えたり見えなかったりする、そのような形で淡路島が見えるし、春は来たのだな。
……という歌ですけど。

その「むらむらに」を「村々に」と読んでいた方がいらっしゃって。
「あっちの村にもこっちの村にも霞がかかって春が来たんだなと気づいた」と読んで、
「淡路島のなかのあっちこっちの村が見えるんだ~」と思っていた方がいらっしゃったそうです。
それは、私の詠歌意図を考えると誤読なんだけど、それに対して国語講師である吉田裕子さんがすごく面白いことをおっしゃった。

そもそもヴィレッジの「村」とムラになるの「むら」は語源が同じという説がある。
人々がここに密集して、ここには住んでいなくて、こっちには密集して、ここには住んでいなくて、
というその密集している場所が「村」じゃないですか。
だから、語源を考えるとあながち誤読でもないかもしれない。

というようなことをおっしゃっていて。面白いなと思いました。


「京極派スペース抄」は以上です。ありがとうございました。


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京極派スペース抄


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この記事を書いた人

photo by ミカアンドロイド

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