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【南アルプス深南部】丸盆岳東尾根を直登|寸又峡から2泊3日“激薮+残雪”核心周回32km

南アルプス深南部の中でも、記録が少なく判断を要する尾根。
丸盆岳東尾根を、寸又峡から直登しました。

本来は天地へのトラバース道があるはずのこの尾根。
しかし2019年当時、10年以上まともな通過記録が見つからず、実質“直登ルート”の様相でした。

背丈を超える笹薮。
1700m以降の濃密な藪漕ぎ。
1900m付近からの残雪踏み抜き。

この記事では、

・丸盆岳東尾根の当時の状況
・トラバース道の変遷
・激薮+残雪期のリアルな負荷
・黒法師岳方面への抜け方の注意点

を記録します。

深南部らしい“判断の連続”を歩きたい方向けの内容です。


山行概要

日程:2019年4月25日〜27日(2泊3日)
山域:南アルプス深南部
起点:寸又峡温泉
距離:32.4km
累積標高:±約3,437m
行動時間:21時間03分
コース定数:84(きつい)
体力度目安:★★★★★(テント装備+急登+藪耐性必須)

主なピーク

・丸盆岳
・黒法師岳
・前黒法師岳
・下西河内山
・二ツ山


コース全体図

寸又峡起点。千頭ダムから丸盆岳東尾根を直登し、丸盆岳〜黒法師岳〜前黒法師岳を周回。

核心は丸盆岳東尾根直登区間。


この山を選んだ理由

2019年4月時点で、天地へのトラバース道の記録はほぼ皆無。
調べても直登記録しか見当たりませんでした。

「安全側に倒すなら直登」

そう判断しました。

その後、善意でトラバース道にロープ整備が入り、一時的に通過記録は増加。
私自身も2021年に不動岳東尾根を歩いた際は快適に天地へ到達できました。

しかし2026年現在、再び記録は過疎化。
ロープの一部切断や、際どいトラバースを強いられるとの報告もあります。

深南部は「情報が固定されない」。
それもまた、この山域の特徴だと感じています。


コースの様子と感想

1日目|寸又峡〜東尾根途中幕営

■ 寸又峡〜千頭ダム

林道約10km。トンネルは真っ暗でヘッドランプ必須。

トンネルは真っ暗

ここで体力を削られすぎないことが重要。

千頭ダム

■ 丸盆岳東尾根取付き

天地吊橋は老朽化でやや緊張。
しかし本当の核心はその先。

天地吊橋

トラバースは崩壊気味と判断し、右から直登。

取付き直上約200mの急斜面がこの山行で最も危険に感じた区間。
浮石混じりで滑落リスクあり。

天地吊り橋から直登

尾根に乗れた瞬間、ようやく安堵。
天地コル付近で幕営。

平らなところをみつけて1泊

2日目|激薮+残雪+丸盆岳

■ 1700m〜1900m 笹薮地獄

背丈を超える笹。
踏み跡はほぼ埋没。

背丈超える笹藪

笹を掴みながら“泳ぐ”ように進む。
重装備では消耗が大きい。

■ 1900m以降 残雪

今度は踏み抜き。
木の根元は空洞化しており、ストックで確認必須。

精神的に削られる区間。

残雪地帯

■ 丸盆岳到着

ようやく
丸盆岳 山頂。

山頂標識が東尾根側を向いている。
「来たよ」と思わず声が出ました。

丸盆岳

■ 丸盆岳〜黒法師岳

その後カモシカ平を通過し、黒法師岳方面へ。

カモシカ平

黒法師岳直下はザレ気味。
ガス時はルート判断に注意。

黒法師岳 直下のザレ場

黒法師岳からの下りは方向注意。
赤テープが増えるが油断禁物。

ヘリポート付近で2泊目。

ヘリポート

3日目|前黒法師岳から整備路へ

夜間軽く降雪。
ヘリポートからの雲海と日の出が印象的でした。

浜松方向が雲海

前黒法師岳以降は整備路。
精神的に一気に楽になります。

林道を経て寸又峡へ帰着。


丸盆岳東尾根の現状まとめ

※2019年4月時点+2026年周辺記録参照

トラバース道

・崩壊傾向
・ロープ一部切断報告あり
・通過記録少ない

→ 事前情報収集必須

直登区間

・急斜面
・浮石
・滑落リスク
・テント装備だと難易度上昇

初心者非推奨。

1700m以上

・背丈超え笹薮
・踏み跡不明瞭
・体力消耗大

1900m以上(残雪期)

・踏み抜き
・空洞化
・ストック推奨


向いている人

・藪漕ぎ耐性あり
・地形図で判断できる
・テント装備で急登経験あり
・撤退判断ができる


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振り返り

2日目下山も視野に入れていましたが、結果は計画通り2泊3日。

深南部では“余裕ある計画”が正解。
改めてそう感じました。

丸盆岳東尾根は、体力以上に
「覚悟」と「判断力」を試される尾根。

それでもまた歩きたくなる。

静かな稜線。
誰にも会わない3日間。

静岡の山を中心に歩きながら、ときどき深南部で自分の現在地を確認する。
今回も無事に帰って来られたことに感謝しています。


おわりに

静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。

派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。

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