続・今日もこの店、あけときます。〜❷こねこさん〜



カランコロン♪



今日も、
少年は  やってきた。


「こんにちはーっ!」



猫は、
いつものフカフカの上。

陽だまりの中で、
気持ちよさそうに丸くなっている。

ねぇねぇ。



「……今日こそ帰る?」


少年がしゃがみこんで、
猫の様子を伺う。


猫は、
片目だけ開けた。

……


「帰らない……みたいですね。」

「ですね〜。」



そんなやりとりを、
もう何日か繰り返していた。


その日。


少年は、
いつもより少しだけ長く
猫の隣に座っていた。




「なあ。」


猫のしっぽが、

ぺたん。

と、床を叩く。



「なんで帰ってこないんだろ。」



……

猫は、何も答えない。



少年が、
そっと手を伸ばす。

あと少し。

あと少しで、
猫の頭に触れそうになったとき……


すくっ。



猫は立ちあがった。


「あ。」



すたすたと、
店の奥へ歩いていく。



「どこ行くの?」



猫は振り返らない……


そして。

奥の扉の前で、
ぴたりと止まった。


「にゃ。」



少年が近づく。



「そこ、開かないですよ。」

「え?」

「僕がやっても、全然開かなくて。」



少年は、扉を見る。
猫を見る。

猫はもう一度。


「にゃ。」




「……開けろってこと?」

少年が、
そっと取っ手に手をかける……



ガチャ。



「え?」

扉が開いた。

「うそ。」

僕はソファから腰を浮かせた。



少年も、
目を丸くしている。



でも。

猫だけは、
最初から知っていたみたいに
扉の向こうへ歩いていく。



「ちょ、待って!」

 少年も追いかける。


いやいやいや、ちょっと待って2人ともっ!






ガチャ。

バタン。


…………。

僕だけが、
店に残された。




一瞬見えた、扉の向こう……




雨が降っていた。





❸に、……続く