洗濯して戻ってきた、ごはん|🧺 日常の余白
ご飯は、時間が経つと固くなる。
そんな当たり前を、
末っ子は、たまに違うものにしてくれる。
末っ子はご飯が好きだ。
しかも、白ご飯が好きだ。
おかずよりも、
白いご飯そのものをうれしそうに食べる。
その姿を見るのは、
なんだかとても嬉しい。
ただ、末っ子は、
ご飯を信じられないくらい吹き飛ばす。
テーブルの上。
椅子の下。
服のすそ。
給食セットのどこか。
気づけば、いろんなところに、
白い粒が残っている。
その日も、幼稚園から帰ってきた末っ子の服を脱がせて、
給食セットを洗濯機に入れた。
「今日は何が楽しかった?」
「誰と追いかけっこしたの?」
「泥だんご作った?」
そんな話をしているうちに、
洗濯が終わった。
これは干す。
これは乾燥機。
一つずつ分けていく。
末っ子の給食セットを取り出して、
干しに行こうとした、そのときだった。
べちゃっ。
何かと思って見ると、
そこには、活きたコメがいた。
洗濯されて、
生き返った、
みずみずしいご飯粒。
べちゃべちゃと、
給食セットにくっついている。
一緒に洗ったお兄ちゃんとお姉ちゃんの給食セットは、
きれいなものだった。
さすがだなと思う。
その横で私は、
末っ子の給食セットについたご飯粒を、
一つずつ取っていく。
今だけの時間。
きっと、そうなのだと思う。
いつかは、
給食セットからご飯粒が出てこなくなる日が来る。
服にも、床にも、
こんなふうに白い粒が残らなくなる。
それはそれで、
少しさみしいのかもしれない。
でも。
この作業は、正直めっちゃ大変だ。
まだまだ小さいままでいてほしい。
そう思いながら、
ごはんは落とさないで。
そんな自分勝手なことも、
同じくらい本気で思っていた。
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