テーブルの下にできた、小さな秘密基地|🧺日常の余白
きっとみんな一度は憧れたことがある、
秘密基地。
こどもにとっての、
自分だけの世界。
そして、秘密基地は
どんなところにでも作れるらしい。
末っ子に、
「パパはあっちに行って!」
と言われた。
そう言われて、
渋々、違う部屋に行く。
何も聞こえてこない。
パパは、放ったらかし。
もういいかなと、
戻ってきたら、子どもがいない。
ぐるりと部屋を見回す。
テーブルの下に、
二人分の足が見える。
黙って、いすに座る。
わざと足をのばしてみる。
子どもたちに、
あたりそうなところへ。
すると、さっと
二人の足が消える。
耳を澄ませば、
「ふふふふっ」
小さな笑い声。
さらに耳を澄ませば、
「しーっ!」
二人で、相談中らしい。
足を子どもたちの方に、
ゆっくりと動かす。
また、がさがさ動いている。
わざと、こつんと当ててみる。
「んー、何かなー?」
がさがさっ!
今度は、少し大きめの音。
やっと下を覗く。
「みーつけたっ!」
「もうっ、お姉ちゃんが動くからだよ!」
「末っ子だって動いてたじゃん!」
そんなことを言い合いながら、
出てきた二人は、
少し誇らしそうだった。
隠れきれなかった秘密基地。
見つからないための場所なのに、
どうやら今日は、
見つけてもらうための場所だったらしい。
きっとまたすぐ、
テーブルは秘密基地になる。
そのときはまた、
何も知らないふりをして、
たくさん足を伸ばして、
ちゃんと見つけてやろう。
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