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日本の首都は京都のままですが?

文化地理がっかり学会・特別大会


終わらぬ明治維新と、帳簿係の大遷都計画

議長:

「それでは本日の議題です。

戦略師匠殿より、

『東京の一等地にある国会や省庁を売却し、過疎地へ移転せよ』

との提案が提出されました。

財務改善策とのことですが、まず提案者より説明をお願いします」

戦略師匠:

「簡単です。

東京の土地は高い。

売れば金になる。

過疎地なら土地は安い。

国会も省庁も移せばよい。

国家財政も改善する。」

財務課長:

「素晴らしい!

土地を売れば帳簿が改善します!

プレハブ庁舎なら維持費も安い!」

議長:

「なるほど。

では文化地理・法理担当、お願いします」

文化地理・法理担当:

「戦略師匠殿。

まず確認したい。

あなたはいま、

『首都を移転する』

という話をされていますね?」

戦略師匠:

「そうです。」

法理担当:

「では第一問です。

日本の首都はどこですか?」

戦略師匠:

「東京です。」

法理担当:

「結構。

では第二問。

東京が首都である根拠法令を示してください。」

戦略師匠:

「……東京は首都です。」

法理担当:

「それは回答になっていません。

法律です。」

戦略師匠:

「みんな知っています。」

法理担当:

「なるほど。

つまり国家機関を移転しようとしているのに、

現在の首都の法的位置付けは調べていない、と。」

会場ざわつく。

歴史担当:

「補足します。

明治維新の際、

明治天皇は京都から江戸へ行幸されました。

しかし『京都から東京へ遷都する』という勅は存在しません。」

戦略師匠:

「しかし東京は首都です!」

歴史担当:

「誰も否定していません。

問題は、

『なぜ首都なのか』

を説明できるかです。」

戦略師匠:

「……」

議長:

「続けてください。」

歴史担当:

「面白いことに、

戦略師匠殿は

『首都機能や官庁を移せ』

と主張している。

しかし現在の首都の成立過程については調べていない。

これは結婚届を見たことがない人が離婚届を書いている状態です。」

会場拍手。

財務課長:

「しかし土地は高く売れます!」

文化地理担当:

「第三問です。

首都とは何ですか?」

戦略師匠:

「国会と省庁がある場所です。」

文化地理担当:

「なるほど。

では京都御所とは何ですか。」

戦略師匠:

「……」

文化地理担当:

「皇居とは何ですか。」

戦略師匠:

「……」

文化地理担当:

「東京とは単なる土地ですか。

明治維新以降150年以上かけて蓄積された、

政治・行政・外交・文化・交通・情報の結節点ではないのですか。」

戦略師匠:

「土地は高いです。」

文化地理担当:

「富士山を砕いて砂利として売ればもっと儲かります。」

会場爆笑。

財務課長:

「しかし帳簿は改善します!」

防衛・実務担当:

「質問です。

省庁を移転すると職員はどうなりますか。」

財務課長:

「引っ越します。」

防衛担当:

「何万人ですか。」

財務課長:

「……。」

防衛担当:

「外交官は。」

財務課長:

「……。」

防衛担当:

「最高裁は。」

財務課長:

「……。」

防衛担当:

「霞が関と永田町と最高裁と皇居と大使館街と官庁街と交通網と情報網を丸ごと移転する費用は。」

財務課長:

「……。」

防衛担当:

「つまり戦略ではなく、

『引っ越し見積もりを取っていない引っ越し計画』ですね。」

会場拍手。

医師:

「診断結果が出ました。」

議長:

「どうぞ。」

医師:

「患者は国家財政を心配しています。」

議長:

「結構なことです。」

医師:

「しかし治療法として

『脳を売却して体重を減らす』

ことを提案しています。」

議長:

「重症ですね。」

医師:

「はい。

国家を家計簿と誤認しています。」

議長:

「処置は。」

医師:

「歴史を一日三回、

法学を毎食後、

文化地理学を就寝前に服用してください。」

戦略師匠:

「しかし土地は高く売れます!」

議長:

「最後に一言だけ申し上げます。

国家とは帳簿ではありません。

歴史であり、

制度であり、

継続性であり、

正統性です。

そして戦略とは、

売れるものを売る技術ではなく、

残すべきものを見極める知性です。」

会場全員起立。

議長:

「なお本学会は、

『現在の首都が東京であること』

を否定するものではありません。

ただし、

『東京を売れ』

と主張する者には、

まず

『その東京とは何か』

を説明していただきます。」

財務課長:

「しかし帳簿が……」

議長:

「閉会。」


こうして文化地理がっかり学会は終了した。

なお会場出口には、

『首都移転論を語る前に、現在の首都の成立過程を説明できますか?』

という看板が設置されたが、

戦略師匠殿はそれを見て、

「この看板も売れば財政改善になる」

と述べて立ち去ったという。学会は翌年も開催予定である。📚🏛️🗾💸

付録 国民負担率上昇の主因

  • 少子高齢化

  • 医療費増大

  • 年金給付増加

  • 介護費増大

  • 労働人口減少

であって、議員宿舎のカーテンが高級品だからではありません。

そして

国民負担率を下げるには収入を増やし、可処分所得を増やすしかない。
日本の税制は、最高税率が明示されているからです。
青天井ではありません。
一定額以上稼ぐ個人や、トヨタのような企業は結果として、莫大な利益を得て手元が厚くなるので、率も下がります。
社会保険・年金の等級も、上限値以上は負担が増えない仕組みです。
稼ぐに追いつく貧乏も、国民負担率の上昇もないのです。

こちらの方が経済学としては筋が通っています。