共感だけでは育たない力の話
男性批判でも、女性批判でもありません。
最初に、誤解を避けるためにお伝えしておきます。
この文章は、
女性批判でも、男性批判でもありません。
また、
「イクメンはだめだ」
「優しい父親は意味がない」
という話でもありません。
問いかけたいのは、
今の子育て環境が、結果としてある関わり方に偏りすぎていないか
という一点です。
「共感脳」と「解決脳」という考え方
最近よく使われる言葉に、
「共感脳」と「解決脳」
という言葉があります。
厳密な脳科学用語というより、
思考の傾向を分かりやすく表した言葉です。
共感脳
相手の気持ちを感じ取る
感情に寄り添う
安心させる
解決脳
状況を観察する
原因を考える
仮説を立てる
試して確かめる
一般的な傾向として、
共感脳は女性に多く、解決脳は男性に多い
と言われていますが、おそらくは事実なのでしょう。
これは優劣の違いではありません。
ただの役割の違いです。
理科的思考と「解決脳」
理科的思考とは、
先入観や既成概念をいったん脇に置く
じっと観察する
「なぜだろう?」と考える
すぐに答えを出さない
何度も確かめる
こうした姿勢の積み重ねです。
これは、情緒的な共感とは少し距離のある態度でもあります。
だからこそ、
理科が好き・得意な人、
理科的な考え方を自然にする人は、
男性に多い傾向がある
と言われるのではないでしょうか。
子どもたちの周りで起きている偏り
保育園や幼稚園、低学年生の教育現場では、若い女性の先生が中心です。
それだけではありません。
家庭でも、
母親が育児の軸
父親はサポート役
母親を「手伝う」イクメン
という形が一般的になっています。
その結果、子どもたちは日常的に、
共感
感情の共有
主観的な評価
には多く触れますが、
観察
仮説
再検証
に触れる機会は、意外なほど少なくなっています。
芋虫を前にしたときの大人の反応
たとえば、子どもが芋虫を捕まえてきたとします。
多くの場合、大人の反応は、
「かわいいね」
「気持ち悪いね」
「触ったら汚いよ」
などといった 主観的・共感的な言葉ではないでしょうか。
もちろん、それは間違いではありません。
でも、それだけでは、
どこにいたのかな?
何を食べるのかな?
いつ動くんだろう?
どんな風に変わるんだろう?
という興味や関心、思考の入口は開かれないでしょう。
理科には「解決脳」≒「父性」が必要
ここにこそ、父親の役割、「父性」があります。
父性とは、怒鳴ることでも、厳しくすることでもありません。
すぐに答えを与えない
感情から一歩引いて見る
「どうなると思う?」と問いを投げる
結果がどうなっても一緒に見る
これらはまさに、解決脳的な関わり方です。
母親のやり方を「手伝う」だけではなく、違う視点を示す。
それが父としての子育てへの参加です。
「イクメン」で止まってしまう危うさ
家事や育児を手伝うこと自体は、とても大切です。
しかし、
指示待ち
母親のコピー
感情ケアだけ
で終わってしまうと、父親としての役割は十分に果たされません。
子どもにとって必要なのは、同じ大人が二人いることではなく、違う考え方の大人がいることではないでしょうか。
父親としての具体的な関わり
特別な知識は必要ありません。
虫・石・水・影に一緒に立ち止まる
「どう思う?」と聞く
正解を急がない
結論が出なくても気にしない、諦めない
それだけで、
子どもの思考回路は確実に刺激されるのです。
多様な大人像を見せることが最高の教育
子どもに必要なのは、優しさだけ、共感だけではありません。
考える姿
試す姿
待つ姿
を見ることも必要なのです。
母性と父性、共感脳と解決脳、その両方があってはじめて、子どもはバランスよく育つのではないでしょうか。
父として、何を見せるべきか
「男らしくしろ」という話ではありません。
母親とは違う父親としての役割を、思い出してほしい、という提案です。
子どもは、大人の言葉よりも、大人の立ち振る舞いを見ています。
あなたは、
どんな考え方を、
どんな姿勢を、
子どもに見せたいでしょうか。
